脳が持つ可能性を体現するサヴァン症候群

映画の『レインマン』で題材にもなった、なんらかの障害があるにも関わらず、「特定の分野に関しては天才的な能力を示す人たちが持つ症状」について皆さんご存知でしょうか?

 

【サヴァン症候群の原因とは?】

なぜ、このようなことが起こるのか、今のところ、「サヴァン症候群の要因」については、諸説あるものの、はっきりとしたことはわかっていません。

脳が障害を受けたことで、それを補完するために、別の部分を活用しているのではないかともいわれており、それによって右脳が活性化することで、芸術的なセンスが生まれるという説もあります。

しかしながら、サヴァン症候群の人々が持つ障害の程度は様々であり、「脳の器質的な問題だけを原因とするのは難しい」というのが現状です。

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たとえば、「自閉症でありながら、IQは150」と天才の領域にありながら、さらに絵画の素養もある「ジョナサン・ラーマン」という人物も存在しています。また、先天的な障害ではなく、「30歳を過ぎてから、暴行事件に巻き込まれて頭を怪我した」ことがきっかけで、世界に映し出された数式を見いだし、それをフラクタル形状で再現するようになった「ジェイソン・パジェット」という人物もいます。

映画の『レインマン』で題材になったことから、「芸術面や数学的な天才」として、様々なフィクションにも取り上げられるようになったサヴァン症候群ですが、まだまだその能力は解明されていません。さらに、最近では、「未知とされている能力すら発現する可能性」があるのではないかというケースも出てきています。

 

【5歳の男の子が示すサヴァン症候群の新しい可能性】

アメリカ在住の「ラムセス・サングイーノ」は「5歳の少年」ですが、彼は「高機能自閉症」と診断されています。

1歳の時点で「4カ国語」を操り、3歳の時点では、アラビア語やヘブライ語なども読み書きが出来るようになり、「元素周期表や原子番号も覚えて、様々な計算も可能」という、まさにサヴァン症候群の典型のようですが、彼の興味深いところは、母親が「心で思い浮かべた数字すら知る事ができる」というのです。

乱数発生器を使って、そこに表示された数字を母親に書き出してもらいます。そして、その数字を心に思い浮かべて、その数字を当てて貰うという実験が行われました。その結果、「彼は知るよしもない、それらの数字を完璧に当てることができた」のです。

これによって、いくつもの語学を習得したのも、「テレパシー能力を使っていたのではないか」という仮説が出てきています。サヴァン症候群の人々は、「天才的な能力を発揮するだけでなく、それらを習得する期間が短い」というのも特徴ですが、それらはテレパシーを使っているために、直接脳に刻み込んでいるとするならば、習得が早いというのも納得できるかもしれません。

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ラムセス少年については、現在研究が行われているようですが、そもそも「テレパシーを科学的に解明する」ということ自体が難しいために、果たして、今後研究がどのように進むのかはわかりませんが、もし、テレパシーがあることかが立証され、それが脳の未知の部分が使われていることによって、顕現しているということがわかったとしたら、「誰もがテレパシーを自由に使える時代」が来るのかも知れません。

 

What is the savant syndrome?
ESP and savant syndrome.