感情美人への道〜Vol.38 あなたのサイコパス度チェック〜 Psychopathy Checklist to Rate a Person’s Antisocial Tendencies~

サイコパスはその悪魔のような心を、善人の面で隠しています。 外見的な魅力だけでなく、コミュニケーション能力や洞察力が平均値よりかなり高い人も多くいます。

 

メディアを賑わす人の中には、「この人、サイコパスなんじゃないか?」と思われるケースがよくありますね。
アメリカのある調査では、程度の差こそあれ25人に一人はサイコパスだという報告があります。

サイコパスはそれほど身近に存在するのです。
その特徴を知り、自分の身や幸せを守るために役立てましょう。

サイコパスは『反社会性人格障害』とも呼ばれる特質で、よく犯罪者の気質と結びつけられます。
この気質を持つ人達の特徴を簡潔に表すと「共感能力の著しい欠如」です。
自分の行動で人がどんなに傷つくかということに、全く関心を払いません。

 

サイコパスの特徴をいくつか上げる前に、まずこの特徴を覚えてください。

『すごくいい人!! めちゃくちゃ魅力的!!』
サイコパスは犯罪も犯すので、どれだけ悪い面構えをしているのかと思われますが、実際は真逆です。
サイコパスはその悪魔のような心を、善人の面で隠しています。
外見的な魅力だけでなく、コミュニケーション能力や洞察力が平均値よりかなり高い人も多くいます。

例えば、ヒトラーなんかはその典型です。
身近な例で言えば、結婚詐欺師などもそうですね。
よく犯罪者が捕まると「まさかあの人が!」というのは、サイコパスの典型です。

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さらに、こういう特徴もあります。

・ 嘘をつくのが天才的に上手い(絶対嘘をつくようには見えない)
・ 涙を自由に操れる
・ 時間にルーズ
・ お金にルーズ
・ 異性関係にルーズ
・ 短絡的(損すると分かっていても欲望を抑え切れない)
・ 自信家
・ 暴力を伴わないケースも多くある
・ カリスマ性がある
・ 自分が悪いとは全く思わない(他罰主義)

とにかく、とても魅力的な特徴を持つ一方、良心が欠如しているのです。
原因は遺伝的なものと、その後の生育歴が大きく影響しています。
例えば、遺伝子的にサイコパス気質でも、良い環境で養育されればそのスイッチはオフになり、虐待などを受けて育てばスイッチはオンになります。

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今回は、英オックスフォード大学のケビン・ダットン教授が考案した「サイコパス度チェックテスト」をご紹介しましょう。

『全く当てはまらないが0 あてはまらない1 あてはまる2 強く当てはまるが4』で、下記質問に答えてみましょう。

① 事前に計画することはほとんどない。行き当たりばったりである
② ばれなければパートナー以外と浮気してもよい
③ もっと楽しい予定が入った場合、以前の予定をキャンセルしてもよい
④ 動物が傷ついていたり、痛がっていたりするのを見ても全く気にならない
⑤ 高速で車を運転したり、ジェットコースターに乗ったり、スカイダイビングすることに興味をひかれる
⑥ 自分の欲しい物を手にいれるためには、他人を踏み台にしてもよい
⑦ 私はとても説得力があり、他人に自分の望むことをさせる才能がある
⑧ 決断を下すのがとても早いので、危険な仕事に向いている
⑨ 他の人がプレッシャーでつぶされそうになっても、自分は落ち着いていられる
⑩ もし私が誰かをだまそうとしても、悪いのはだまされる側の問題だ。
⑪ 物事が間違った方向に行く場合の多くは、自分のせいでなく他人のせいである

このテストでは、23点が平均で、29点以上だと、割とサイコパス気質があるという事です。

実は、企業の重役や政治家、弁護士、外科医など社会的地位が高い人に、スコアが高い人が多くなっています。
サイコパスも「暴力的×高い知性」や「暴力的×低い知性」だと犯罪者などになりやすいのですが、「非暴力×知性」だと、成果を上げるビジネスマンに必要な資質にもなります。

ちなみに、他のサイコパシー診断テストで歴史上の人物のサイコパス度を見てみると、このようになります(数値が高いほどサイコパス度が高くなります)。

97-130 チャールズ・ダーウィン、フレディ・マーキュリー、リンカーン
131-140 サッチャー元首相、ニュートン、ジョージ・ワシントン
141-160 キリスト、ネロ、チャーチル元首相
169 アドルフ・ヒトラー
178 ヘンリー8世(妻や側近を殺した暴君として知られています)

キリストが暴君ネロと同じ!? と思いますよね。
実は、サイコパス度の高い職業には、投資家や弁護士に混ざって聖職者も入っているのだそうです。

サイコパスはまだ充分に研究されていない分野でもあります。
ただ脳の働き方に違いがあります。
普通の人が何か葛藤を覚える時には、原始的な感情の中枢である扁桃帯と他の神経回路が激しく互いにやりとりするのですが、(欲望と理性のせめぎ合いのような感じです)、サイコパスの場合はそのやりとりがありません。

また、サイコパス本人には、自分がサイコパスだという自覚は全くありません。これが治療を難しくする一番の理由です。 ですので、もし身近な人がサイコパスで「私が頑張ればこの人を救えるかも」と思って、手を差し伸べるのは危険です。

サイコパスに出会ってしまったら、なるべく早く関わりを断ちましょう。
特に配偶者にその気質がある場合は、別れた方が何倍も幸せな人生が待っていますよ。

参照:
『良心をもたない人たち』マーサ・スタウト 草思社

 

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