— 究極のリアリティ —
イギリスの小説家 オルダス・ハクスリーをご存知の方は多いと思いますが、最初に少しだけ紹介します。
オルダス・ハクスリーは博士、医師、学者の家系に生まれ、最初は医学を目指すがオックスフォード大学では英文学と言語学を専攻した。
1953年、医師のもと、幻覚剤によって人はどうなっていくのか、判断力はどう変化するのか、なにが変わってゆくのかを確かめるために自分で服用し、その一部始終を録音して報告をまとめた。
その意識の変容について書いた著書「知覚の扉」は現代も評価が高い。
その2年後に続編として書かれた「天国と地獄」
これらの著書や1945年の著書「永遠の哲学」究極のリアリティの中で、預言者や神秘主義者たちの認識形態と幻覚現象が同じである事を指摘している。
— スピリチュアルなものとのつき合い方 —
今日にあるさまざまな精神修練や睡眠、宗教としてのヨガ、ストロボ・スコープ(光の刺激)、炭酸ガス吸引法など、このようなことでも人体に科学的変化を引き起こすことができるとハクスリーと医者、科学者たちはいう。
脳機能を低下させることが可能であると。
書かれている文章はところによって難解だったりしますが、以下のようなことが表現されています。
こういうサイケデリック体験が思わぬ弊害をもたらしていることを知ることは大切。
それが自分を深く精神病に引きずりこませず、誰かに支配されずに生きられることになる。
強くなろうとせず、なにかになろうとせずに生きること。
「弱い自分」を否定せずにそれと共にいること。
なにかにすがってしまわないこと。
スピリチュアルなことは一時の癒しにはなっても、それで全てを解決しようとしないこと。
神秘的なことと関わるのなら、客観的な自分でいること。
それが自我機能低下による人格の崩壊現象に繋がらない方法。
幼児虐待、いじめ、家庭内暴力、猟奇的な異常犯罪、アルコール依存症や薬物依存、拒食症や過食症、不眠症、種々の心身症といったのものを起こさないためにも。
— 自分を見失わずにいること —
精神疾患は近年大幅に増加してる。
そして、その治療はほぼ投薬になる。
その影響で宗教や神秘的なことにはまってしまう人も中にはいる。
そして、そこから抜け出せなくなる人も……
こんな矛盾したことって?
と、この本を読んで思う。
「自分を見失わない」という当たり前のことが、シンプルゆえに現代人にはかえって難しいのかもしれない。
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