こんにちは。マユリです。
東京オリンピック、もめにもめていますよね。
政治的なお話はその筋の方々にお任せするとして、「そもそも古代ギリシアにおいて、オリンピックとは何だったのか?」お話いたしましょう。
オリンピックは本来、宗教儀式だった!
「古代ギリシアでは、都市国家同士がしょっちゅう戦争していたけど、オリンピック期間は休戦だったんです。だから平和の祭典なんですよ。」
いやいや、それはきわめて現代的な解釈で、古代におけるオリンピックは宗教儀式です。運動競技はゼウスをはじめとするオリンポスの神々に捧げられたのです。
そう、オリンピックは平和のために開かれたのではなく、重要な宗教行事だったので、結果としてその期間休戦となったのです。岸和田市民(関西人ならこの例え分かる!)が、だんじりの間、あらゆる職務を放棄して祭りにいそしむようなものでしょうか(笑)
実際、オリンピックの前には、延々と宗教行事が続き、運動競技が始まるのはその後でした。
古代オリンピックは、怨霊の祟りを鎮める儀式
古代オリンピックの起源には諸説あります。
1:トロイア戦争で死んだ パトロクロス の死を悼むため
2:アウゲイアス王を攻めた ヘラクレス が、勝利後、ゼウス神殿を建て、4年に1度競技会を行った。
3:ギリシアの王ペロプスが、戦車競走で細工をして先王を殺し、その娘・ヒッポダメイアと結婚し王になり、陰謀に協力した御者のミュルティロスが邪魔になったので殺し(おいおい……)その後、願いがかなったことを感謝するためにゼウス神殿を建てて競技会を開いた。
分かりやすく日本語解説すると
1 パトロクロスは、敵にひどい殺され方をした戦士、それは鎮魂してあげないと……
2 アウゲイアス王は、滅ぼした敵の王。日本でいうと、大和朝廷に滅ぼされた大国主のような存在です。祟りにビビった大和朝廷は、出雲大社を立てました。自分が滅した敵将に祟れないか心配なのは洋の東西を問わないようです。祟られないように鎮魂しないと……
3 オリンピックが開かれれるペロポネソス半島の語源にもなった古代ギリシアの王ペロプスは、卑怯な方法で前王を殺し、王女と結婚して国を乗っ取った人物です。(なんだか旧約聖書のダビデの伝説みたいですね) つまり、古代人の感覚では祟られて当然のお方!
「どうすれば祟られずに無事やり過ごせるのか?」お祓いに加持祈祷、あらゆる手段を駆使して祟りから免れようとしたに違いないレベルの人物です。
そうなんです! 古代においてオリンピックとは、死者に対する鎮魂の儀式、もっというならば、非業の死を遂げた死者の祟りを鎮める、怨霊封じの宗教儀式だったのです。
日本で言うと、菅原道真の怨霊を封じるために建てた北野天満宮のようなもの、ただ神殿を建てて祀るだけでなく、派手にお祭りをして鎮魂するのです。
日本の場合は、踊ったり(盆踊りは死者への鎮魂です)、和歌管弦で霊を慰めます。古代ギリシアでも、詩歌も読めば音楽も演奏したんです。 競技に先立って、数日間オリンポスの神々に捧げる宗教儀式もありました。
日本の国技相撲だって、神様にささげる競技ですよね。
オリンピックの運動競技は、死者への鎮魂であり、怨念が深ければ深いほど、より盛大な祭典で死者の怒りを鎮めなければならなかったのです。
〈第二話〉に続く
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