マインドフルと瞑想/瞑想は心と身体を癒してくれます〜Mindfulness and meditation/Mediation is healing for the mind and the body

『マインドフル・コンパッション』という本の中で、著者ポール・ギルバートとチョーデンはマインドフルとは

「心・思考の動きを意図的に、一方的判断することなく観察する意図のこと。一歩離れたところから心・思考に生じてくるものに気づき、反応せずにいること」

と定義しています。

ティク・ナット・ハンは、私達の気づきを体内に戻し、いまここに存在させてくれる一種のエネルギーがマインドフルネスだと描写しています。
マインドフルネスによって私達はこのいまという瞬間に存在し、自分の感情・感覚に寄り添いながら自分の世界観をより明晰に理解し、人生の真の神秘を経験することができます。

 

誰でもマインドフルになることはできます。
いまここに注意を向ける力をただ養えばよいのです。

私達は外的世界や他人との間の出来事に無意識に反応し、大量のエネルギーを無駄に費やしています。
そしてその過程や、そんな反応をすることでどのような影響を受けているかには気づいていません。
自動運転モードで生きているのです。
マインドフルネスを実践してゆけば、どう反応するかを自分で選べるようになります。
結果にもっと気を配れるようになり、慌てて行動したり怒りや焦燥感から行動することもなくなってゆきます。

幸せでいたい、苦しみたくないと思うのは人間の性です。
心がなぜこれほどの苦しみを生み出すのか、その理由と仕組みを知ってこそ私達は初めて幸せに生きるための賢い選択ができるようになります。
私達は身体や車や家などにたいそうな時間をかけて手入れをしますが、自分の幸せはいまどれくらいのレベルか、自分の幸せを育んでゆくためにどのような事をすればよいかといったことをあまりじっくりと考えたりはしません。

どんな人も過去に経験した恐れ、将来についての不安に溺れるような日々を数えきれないほど過ごしてきたことでしょう。
誰でも不安・恐れ・嫉妬などの感情で精神的に打撃を受けたまま何日も過ごしたくはありません。
マインドフルを行えばネガティブな思考を制御しどこかで止められるようになります。
そしネガティブな思考に気分やエネルギーが左右されずに済むようになります。

自己分析を始めてゆくと、誰でも自分にはネガティブな面があり強欲・恐れ・怒り・嫉妬・残酷性といった感情が見えてきます。
ですがこれをただ欠点として見て自分を裁いてはいけません。
これを克服したいという気持・自分としても人のためにも成長したいという気持で見る必要があります。
ヒーリングやミディアムシップなどスピリチュアルなワークをする時も、完璧でいる必要はありません。
時にネガティブな思考や感情を持つのは、普通のことです。
実際に、人間らしく自分に欠点もあるからこそ人のことを理解し、共感力・理解力・思いやりを養うことができるのです。
一度も怒ったことがなければ、他人の怒りを理解する手助けができるでしょうか?
できませんね。

いわゆるネガティブな感情は、私達がバランスを崩していると知らせてくれる要注意サインです。
ですから正しい意欲をもって努力すれば、自分の嫌なところは自分を変えてゆくための鍵を握っていると考えられるようになります。

人は自分を過小評価し、生き方を変えることなどできないと思いがちです。
誰でも、心の平和を見出す力があります。
どんな人にも心があり、この心は耕すことができるからです。
そうすればやがておのずと、より豊かな幸福感が得られるのです。

マインドフルになるためには、その前に心を落ち着かせる必要があります。
そのためには瞑想が役立ちます。

私は長年瞑想を行い、記録を残してきたのですが、私のマインドは常に思考からまた別の思考へと動き続け、過去と未来を行ったり来たりしていまこの瞬間から逃げ回っていることに気づきました。

ロブ・ネアーンは著書『ダイヤモンドの心:瞑想の心理学』の中でこういった心の動きを雄弁にも「蝶々の心」と呼んでいます。
いたずらな猿がじっと座るのを嫌がって、あちこちを飛び回っている様子を想像してみてください。
私達は自分の思考にいつも感情的に反応しているため、心はいつも不安定な状態です。
感情は思考への反応ですから、思考をもっとコントロールできればもっとポジティブな感情を育むこともでき、ひいてはポジティブなエネルギーが生じ、幸せな状態に繋がります。

心はいまこの瞬間に安住することを極めて困難に感じ、ありとあらゆる思考に四六時中没頭しています。
心に何かすることを与えるというのは、理にかなっているのです。
ただ座り、呼吸の音を聞いていればすべての思考は消え去り、心は落ち着き、バランスが戻ってきます。