精霊を見送る不思議な時間・京都の送り火2018年 〜 五山送り火のお話

こんにちは、ひじりいちかです。
先週土曜11日から19日までお盆休みの長い人もいらしゃるのではないでしょうか。

 

お盆の本来の期間、正式には13日から16日です。

京都では7月、1ヶ月に渡り祇園祭りが開催されるため8月に七夕祭りが行われます。
それと同時に、お盆にしかできない行事がたくさんあります。

お盆は精霊があの世からこの世に戻ってくる期間と言われています。
精霊にはあなたの先祖や先に旅立った大切な知人、友人、今世、会ったこともない
天災や人災、事故で亡くなった方も見送れます。

今日、お盆の最終日16日は各地で灯篭流しも行われ、お盆のフィナーレとも言うべき、五山送り火が行われます。
五山送り火は基本、地元の保存会が人力を尽くし、何百年と継続しています。

話は私ごとになりますが数十年前に偶然にも五山送り火の最後の鳥居が灯される嵯峨嵐山鳥居町の近くに住ることになりました。

同じ京都市内から引越したのですが、最初に物件の内覧をしたときは五山送り火の鳥居がリビングから全て見えることを知りませんでした。
季節は桜の散った4月半ばだったと思います。
住んでいるうちに、日毎、季節が代わり、まるで日めくりを変わるように窓を開けるだけで日本の四季を感じています

そんな中、最初に驚いたのが目の前に鳥居山が五山送り火の日、16日に向けて山がどんどん変わっていったのです。
普段の山が綺麗に雑草が刈り取られ、鳥居の形が浮き出ます。
はじめてその景色を見たときは火がついてなくても感動したものです。

他の五山は年中、文字が見れるのですが鳥居だけは1年1度だけ姿を見せてくれます。
人が山に登っていく姿、草を刈り取る作業をこの酷暑のなかでされています。
何日もかけて出来上がる鳥居の姿を私は毎日、魅せられれ感謝しました。
どんなことも誰かの力を借りないとできないことがほとんどです。
ましてや大きなお祭りも行事も同じです。
今日は何事も感謝の上にあることが多いことを改めて感じる1日にして下さい。

 

五山送り火のお話に戻りますが

「大文字送り火」京都市左京区浄土寺、東山三十六峰に属する如意ヶ獄の支峰・大文字にあります。
一番に灯されます。
点火時間は20時です。
「妙・法」この二文字は一対と考えられています。
京都市左京区松ヶ崎、西側に「妙」は万灯篭山、東側の「法」は大黒天山からなります。

 

点火時間20時5分
「舟形」別名、舟形万燈籠送り火。
京都市北区西賀茂舟山の明見山にあります。
西方寺で鳴らす金を合図に点火されます。
点火時間20時10分

「左大文字」麓に金閣寺や平野神社があります。
左大文字は一斉ではなく筆順に点火されて行くのも左大文字だけの特徴で太くて男型とも呼ばれています。
点火時間20時15分

最後に点火される「鳥居形」は嵯峨鳥居本本曼荼羅山にあります。
点火時間は20時20分
鳥居形だけ大きな薪を持って人力のみで山を登り、灯されます。

そして、同時に16日には嵯峨嵐山渡月橋では灯篭流しが行われ
両方見れるととても幻想的な風景になります。

今日、無事に五山送り火が京都を灯、彩鮮やかに精霊を見送ることを祈るとともに戦後73年を見送り、戦争ではなく防げない平和を願うと共に阪神大震災や東日本大震災、熊本地震、西日本大雨による未曾有の天災で亡くなられた方や被害を受けられた方、日本の平和、世界の平和、未来の平和を祈ります。

ひじり いちか

 

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