しかし、私が発見した方法は、こんなまどろっこしいめんどくさい方法ではありません。ただギューッとある部位をつまむだけ。まるでネコの首をつかんで持ち上げる。そんな実に簡単な操作で苦しかったシャックリは一発にして一瞬で止まります。
ただし一瞬と言っても、ギューッと押している時間は必要です。だいたい5秒と言ったところでしょうか。でも、その5秒のあいだにその指に込められるある種の気が実はもっとも重要な要素かもしれません。
この指先に気を込めることが恐らくは素人さんにはできませんから、同じ方法でやって誰でもシャックリを一発で止めることができるかどうかは、まだわかりません。
いつか、このシャックリを一発で一瞬で止める方法を一般に公開する日が来れば、誰でもできるかどうかのその答えがわかるでしょう。
エッ、そのシャックリを止める秘法のヒントだけでもどうしても教えて欲しいって?
はい、私はバカがつくほどの大のお人好しですから、いつでも大判振る舞いで何でも教えてしまいます(笑)
でも、ヒントだけですよ。はい、首の付近を押します。
シャックリは横隔膜のケイレンという通常医学の常識から導いた迷走神経へのアクセスということです。
「養生法とは生体宇宙というカオスからコスモスを引き出すこと」
わたしはこれまで24年間の鍼灸指圧業を通して3万人以上の凝りを触ってきました。
命の誕生の周辺では、不妊症を治し、陣痛促進の灸に成功しました。
病気治療の現場では末期癌の患者さんを何人も触っています。
看取りの鍼灸では実の祖母を98歳で大往生に導くことができました。
生老病死というヒトの生のすべての営みに治療師としてタッチしてきた24年間でした。
そんななかで醸成された私独自の生命観はひとことに凝縮すれば、
「命とは摩訶不思議なカオスにしてコスモスなフラジャイルな存在」
と表現できます。
通常医学の進歩は目覚ましく、かつて治療できなかった患者の多くが現代医学の進歩で救われる時代です。
しかし、そんな医学の進歩をもってしても、私は生体宇宙というカオスはまだまだ未知なるフロンティアだ、
との認識を強くしております。
こうしたらこうなる、という論理を【線形的】と言います。
数学で言えば「1+1=2」が線形的な世界と言えます。
この線形的モデルが生体には適用できません。
生体は常に非線形的であり、とても、もろくこわれやすいフラジャイルな存在なのです。
だから、ある栄養素を摂ったからといっても、その反応は百人百様、千差万別の様相を呈します。
決してすべてのひとに同じような答えは出ません。
治療ともなればもうまったくお手上げです。
このツボを使ってこの術をほどこせば治るはず、はあくまで希望的推測であり、
結果は神のみぞ知る、いや患者さんの身体のみが知る不確定な世界です。
しかし、そんな不確定で混沌とした生体システムにも、同一の原理が厳然とあります。
この生体システムという混沌から同一の原理という秩序、決まり、ルール、
コスモスを導き、引きだし、発見し、使いこなすことを【養生法】というのです。
わたしは生体システムというカオスからたったひとつですが、
シャックリを一発で一瞬で止めるコスモスを発見し、使いこなすことに成功しました。
実践に役立つクリエイティブな養生法を本シリーズでは公開していきます。
どうぞ鍼灸指圧師ハリィーが展開する新シリーズにご期待くださいませ。
《今村 光臣 さんの記事一覧はコチラ》
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