こんにちは! Kimiです。
今回は「血圧と身体の関係 その1」の続き、血圧がなぜ異常値なのか理由も分からないまま、薬で無理やり、人間が決めた正常値の範囲に押し込んでしまって大丈夫? というシリーズです。
今回は、意外な方法であっという間に血圧が下がった実際の例を紹介します。
お酒が好きでイビキがうるさく高血圧のWさん(男性)の場合
Wさんは年齢60代後半、高血圧の診断を受け降圧剤を飲んでいました。
ご家族にお話しを聞くと、毎晩必ず2時間程度飲酒をして、その後は激しいイビキをかいて寝ている……とのこと。
実は、飲酒とイビキは身体が酸素不足になる2大要因です。
Wさんの身体も酸素不足で、心臓にかなり負担がかかっている様子でした。
通常なら、不整脈、狭心症の症状が出ていてもおかしくない状態ですが、Wさんは心臓が相当強い体質のようで、本人は特に身体の異常は感じないけど、血圧が高いのだけが気になるとのことでした。
飲酒で無意識に血圧を下げていたWさん
Wさんの場合、お酒を飲む→ 血管拡張によって血圧が下がる → 身体が楽になる → だからお酒を飲む……という悪循環が出来上がっていました。
普段血圧が高い故に、お酒を飲むと血圧が下がり体感が楽に感じる。
それを脳が覚えてしまって、脳と体の両方がお酒を求めてしまっているのです。
このような循環が出来てしまったとき、怖いのは飲酒後一気に血圧が上がる事……。
お酒は飲む量よりも、時間をかける方が身体に負担が掛かるので、1時間以内で〇〇分と時間を決めて飲酒をすることをおすすめしました。
健康寿命を縮めるいびき
Wさんのように飲酒とセットでなくても、イビキは体内酸素不足の大きな原因です。
酸素不足は心臓に大きな負担を掛けるだけでなく脳の老化も進んでしまいますので、健康年齢が一気に短くなってしまいます。
Wさんもかなり深刻なイビキでしたので、一晩眠って検査を受けられる耳鼻科でしっかり検査をされる事をおすすめしました。
検査を受けるほどではないけどイビキはたまにかきます……という方には、必ず横向きでしか眠れないような睡眠環境を作るアドバイスをさせて頂いています。
単純に、横向きで寝ると人間はイビキをかきにくいからです。
「ダラダラと長い時間お酒を飲まない」「横向きで寝る」の対策後、数ヶ月であっという間に血圧が下がったWさん。
降圧剤の悪影響を最低限に抑える事が出来たでしょう。
イビキは治療で治せる疾患です
イビキや睡眠時無呼吸が酷く、更に血圧が高い方や長い時間お酒を飲む方。
昼間眠気に襲われる方で、降圧剤を飲んでも血圧が下がらないような場合は、そのまま放置しておくと、脳梗塞や心筋症、高血圧などを合併する頻度が極めて高く、交通事故や労災事故にも繋がり兼ねません。
日本ではいびきは軽く見られる傾向になりますが、身体にはとても大きな負担がかかり、心身の疲労と心血管系疾患につながるものなのです。
治療の後、イビキが改善しQOLが大きくUPしました! と嬉しい報告を下さった相談者さんは沢山いらっしゃいます。
頻繁な激しいイビキは病気と位置づけられ、適切な治療が必要です。
イビキなんて……と軽く見ず、一度検査を受けてみてください。
次回は、高めの中性脂肪と激しい眠気、そして低血圧の密接な関係についてお伝えします!