人の目を気にするのは良くないの?~適応能力と人生の質(QOL)~

人の目を意識するということは媚びるということではありません。 お互いが気持よくコミュニケーションできる配慮なのです。

3.暴言

このおじさんの致命傷になったのは、何と言っても暴言です。
言葉は使い方次第で毒にも薬にもなります。
昔から言霊という言葉があるように、言葉の影響力は計り知れないのです。
怒っている時に言葉が乱暴になってしまうのは理解できますが、怒っている時こそ本当は注意が必要なのです。
相手を怖がらせるのが目的なのか、自分の悲しさを伝えるのが目的なのか、目的によって話し方を変えないと誤解につながってしまうのです。

伝えたいことがあるから言葉があるのですが、だからこそ言葉には慎重にならなくてはなりません。
選ぶ単語、イントネーション、リズム、スピード、音量によって、同じ内容でも伝わり方は大きく変わってしまうのです。

時々相談を受けるのですが、男性が苦手な女性に話を聞いてみると「男性の話し方が怖い」という場合が少なくありません。
でも、男性に話を聞いてみると別に怒っているわけでも何でもなく、普通に話しているということも多いのです。
慣れて来ると怒っているわけでも感情が無いわけでもないことが段々わかってくると思うのですが、異性とあまり話をしたことが無い人はビックリしてしまうこともあるみたいです。
もっとも、最近では男性店員も女性みたいな話し方をする人が増えてしまって、それはそれで複雑な心境ですが……。

余談ですが、耳の悪い人は特に注意が必要です。
自分の耳が悪いと自覚している人は大丈夫ですが、自覚が無い人は声がものすごく大きいです。
場合によっては「なんでこの人はいつも怒っているの?」と思われたり「なんで興奮してるの? うるさいわね!」と思われたりしてしまいます。

さらに余談ですが、方言も場合によっては気をつけた方が良いです。
方言は決して悪いものではありませんし大切なモノです。
ただし、地元以外で方言を使う時はある程度は気をつけた方が良いかもしれません。
これは方言と言えるかわかりませんが、地域によっては人を呼びとめる時に「おい!」と言うとします。
それを他の地域で言ったら、因縁をつけていると思われます。
悪い人ではなかったとしても怖い人と思われてしまうのです。

 

人の目を気にする

人の目を気にし過ぎるのはよくありません。
でも、人の目はある程度は気にした方が良いと私は思っています。

もし普段から周囲の人たちに良いイメージを与えていれば、絶対とは言い切れませんが、何らかのトラブルで疑われたりするリスクは大幅に減らせると思うのです。
むしろ、庇って貰えたり、助けて貰えたりするかもしれません。

ただし、それは空気を読む能力も重要になって来ます。
たとえば海水浴にスーツで行ったら変な人だと思われます。

目上の人にタメ口で話したら無礼と思われます。
海水浴に行く時は濡れても良い服装が良いですし、目上の人と話をする時は堅苦しくなり過ぎる必要はありませんが、敬語の方が無難です。

一人で仕事をしている時は貧乏ゆすりをしても良いかもしれませんが、デート中や会議中二貧乏ゆすりをしていると失礼な人だと思われます。
電車の中で大股開きで座っていたり、足を組んで座っていたりするとマナー違反です。

「ありのままの私」も良いのですが、他人に対する敬意や配慮は生きて行く上では必須なのです。

実は私も、自分の立ち振る舞いや言葉を意識しないで損をしていた一人です。
自分が損をしていたことに気がついていない内は良かったのですが、実はそのせいで「チンピラみたい」と思われていたと知った時は流石にショックでした。

どちらかと言えば自分を礼儀正しい方だと思っていたからです。
育ちが悪いと思われていたとしたら本当に親に申し訳ないです。

自分らしさを大事にする一方で、相手の目も意識するようになってからは、周囲の人たちの私に対する接し方もだいぶ変わった気がします。

人の目を意識するということは媚びるということではありません。
お互いが気持よくコミュニケーションできる配慮なのです。

この手の問題は子供のうちは誰かが教えてくれますが、大人になると誰も教えてくれなくなります。
日頃の立ち振る舞いや所作を見て、どういう人間なのかを判断されます。

良いことをしているつもりでも、悪いことはしていないつもりでも、イメージが悪いと損をします。

「そんこと当たり前じゃないか!」と思うかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れません。
「知らない方が悪い」と思うのではなく「知ったら活かした方が良い」という認識でいた方が良いです。

これも言葉の与える影響力の差がでます。

私もまだまだ未熟ですが改善の余地があればその都度、改善して行きたいと思っています。
気付いた時が、変える時です。

何を……。
人生ですよ。

 

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