わたし、霊能者になりました③~霊視ってなんだ?~霊能生活カミングアウト

【未解決事件をサイキックで解決! への憧憬】

思えば小さな頃から、サイキックな外国の人が日本の未解決事件の捜査に協力する系の番組が好きな私であった。

サイキッカーがなにやら物思いにふけり、おもむろに紙とペンを手に取り絵を描いたりしちゃって。

で、それを頼りに捜査を進めていっちゃったりして。

で、「絵に描いた場所が本当にあった!!!」とか、「図に示された条件にあった場所から人骨が出てきた!!!」とか、「絵に酷似した人物が見つかった!!!」とか言っちゃって。

で、皆が驚き称賛のまなざしをそのサイキッカーに向ける。

あこがれすぎる……。

親からしたら、ちょっとうちの子大丈夫かしら、と、矯正したくなるような子どもだったことだろう。

西洋占星術が好き。
くじ引きとか好き。
ギリシア神話が好き。
日本の神話も好き。

アルブレヒト=デューラーの版画が挿絵となっている聖書物語を小学生の頃から読みふけり、心霊写真は怖くて見られないくせに見たがる。
魔法陣とかおまじないとかに興味津々。
そして、刑事事件に捜査協力するサイキッカーの番組を食い入るように見る我が子。

想像してみましょう。
その子が長じて、こうして霊能者になっちゃったりする姿を(笑)

 

【それはまるで偶然の出来事のようだった、が】

エネルギーやオーラが視えるようになってきてしばらくしてからのこと。

先輩霊能者りえちゃんが、女子高生の恋愛相談に乗っていた時のことだった。

好きな人がいる。
告白したい。

そんな話を聞きながら、「とりあえずその彼の写真とかないの?」と、スマホを探ろうとする40代霊能者ふたり。
写真はない、と聞いて心底がっかりしたのだが、その時ふと、彼のイメージが浮かんだ。

「あ、あたし、描けるかも。描いてみる」

小学生の頃好きだったテレビ番組「お笑いオンステージ」のコーナー「満点パパ(のちの「減点ファミリー」)」の三波伸介氏気取りの私。
違うのは、聞き取りをして描くのではなく、「こんな感じ?」とこちらのイメージを女子高生の彼女に確認しながら、彼の似顔絵を仕上げているところ。

霊視だからね。

「似てる……と、思います」

まあまあの出来だったらしい。

気をよくした私はその後、霊視画「陰陽師見習いまりなの未来の彼氏」と「先輩霊能者りえの真実のパートナー像」を仕上げ、セッションルームのホワイトボードに堂々貼り付け、一日を終えた。

その後まさか、あんなことがおこるとは想像だにせずに……。

 

【酷似の事実に一同驚愕、というか本人一番驚く】

「みぽ大変! この写真見て!」

数日後、りえちゃんからLINEが来た。

女子高生が彼に告白をしたら両想いだったことがわかり、お付き合いが始まったこと。
その二人がりえちゃんのもとを訪ねて来たこと。
そして、その時の写真数点が送られてきた。

わぁあ~、しあわせそう! よかったね♡という気持ちが湧いてきたが、それと同時に私の目は彼氏の顔にくぎづけとなった。

「あれ?」

写真を保存し、拡大して見てみる。
酷似している。
あの日描いたあの絵に。

「みぽ! まじですごいよ!!! おんなじ顔だよ!!!」
「ほんとだ! 私、すごいね! わははははははは」

新しく知った自分の能力に、なんだか笑いが止まらなかった。

 

【あたし、CIAからオファー来たらどうしよう!?】

それからほどなくして、陰陽師ますじとりえちゃんのところには、けっこう大きな浄霊案件が持ち上がっていた。
事の経緯をりえちゃんから聞いているうちに、なんだか半覚醒状態のようになってしまった私。

その時だ。
目の前に人の顔が浮かんだ。

「話の途中で悪いけど、なんか、人の顔が浮かんだ。絵にしてみるね」

さらさらさらっといつものようにA4コピー用紙にサインペンで顔のパーツを描く。
写メを撮って、りえちゃんの携帯に送った。

「ぎゃー、みぽ! やばいこれ!!! クライアントの長男さんの顔だよ」

「長男さん」の写真が、りえちゃんから送られてきた。笑うほど似ている。
「あたし、CIAからオファー来たらどうしよう?!」
「みぽ、それを言うならFBIじゃないの?」
「そっかー、でもあたし、国際的に活躍したい」
「あー、なら、CIAなのかな」
「あ、あれは? インターポールってなに? 銭形警部のやつ」

なんて会話に花を咲かせまくった私たち。
幼き頃のあこがれが今、現実になろうとしている。

 

【心の成熟があったればこその霊能力】

「ますじ、私もっともっとちゃんと視られるようになりたい!」と、サイキック能力のさらなる向上を目指してそう陰陽師にお願いしたのは今年の初夏の頃だったかな。

未だに自分のこととなると「私ごときにこんな大それた出来事がおこるはずがない」という偽の謙虚さや、霊視やリーディングが間違っていたらやだなーというエゴのせいで、自分の視たものをいまひとつ正直に話せないという場面があったりするのですが、そこはもう、心の方の鍛錬を積むしかないわけです。

と同時に、なんでもかんでも視たものを表現していいわけではないのがこの世界のルール。
それはなぜか、というのはまたゆっくり、別の機会にお話いたしますね!

 

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