仮の関係だけど、感情は本物
心温まり、活力をもらえる絶品作の登場!!!
見終わって、試写室のほぼ皆が笑顔になって、少し涙ぐんでて、温かい気持ちになって家路をルンルン帰れる・・・。そんな映画はなかなかない。本作がそれだ。
久々にすべてラストまで丸く収めてくれて、気持ちの良いラストへと導いてくれて、ほんとに嬉しい娯楽映画を見せてもらった。
全編日本が舞台のハリウッド映画だ。監督は大阪出身の女性監督HIKARI。素晴らしい監督に出会えた。
お話を少し。東京で俳優として暮らすアメリカ人フィリップ。彼はかつて日本のCMで人気になったが、以後7年たつも、オーディションに落ち続け、目立った仕事もなく毎日ため息の日々。そんなある日、レンタル・ファミリー社の社長に声をかけられる。様々な事情がある人の依頼を受け、その役を演じる仕事。嘘をついてだますことに罪悪感を感じ気が進まない。
しかし、ある依頼によって彼は役柄を超えて人間として深くかかわってしまう。それは、娘の父親役と、大物老俳優への取材という記者の役だ。
売れない俳優が関わった老俳優と娘
役者の演技がどれもリアルで素晴らしい!!
東京の描写がリアル。ここでは、外国人でなくても疲れてしまうと思わせる。
オーディションに落ち、コンビニ弁当とビールを買って誰もいないアパートに帰り、ベッドに座り前のアパートの住人たちを見つめるフィリップ。彼には生きる希望が今ない状態だ。
娘との関わりと、老俳優との関わり、そしてレンタル・ファミリー社で働く女性スタッフとのエピソード、またフィリップと父親との関係が交錯して語られる。
娘役の子役(ゴーマン シャノン眞陽)が巧い。大人びて、でも寂しさもかもし出し、賢さもあり、彼女の演技に和んだ。
そして、フィリップ役のブレンダン・フレイザー。「ハムナプトラ」シリーズで有名だが、近年「ザ・ホエール」(22年)でアカデミー賞を受賞している。あまりに整った容姿と低すぎる声が苦手だったのだが、この役はずっぱまりである。お腹もいい具合に出て、こんなアメリカ人いるよ、とリアル。彼の温かい人柄が滲む役柄だ。大物老俳優役の柄本明は言わずもがなである。

寂しいのはあなただけじゃない
皆孤独を抱えてて、人と関わりたいのだ
飽きずことなく展開に夢中にさせる作劇術が素晴らしい。
中でも私が感動して落涙したのは、フィリップが確執のあった父親の葬儀に行かなかったことを告白するシーンである。彼の裏のトラウマが垣間見える。彼が鬱屈していた要因が少し分かる。それを彼が理解し、受け入れることができたのはレンタル・ファミリー社の仕事のおかげである。彼はまた、日本で生きていく・・・。
レンタル・ファミリー社の社長や女性社員も人間味がある。彼らは彼らなりに悩みがあり、精一杯生きているのである。孤独を抱え。皆そうだ。それを見せてくれて、私たちも「自分だけじゃない」と慰められ、活力をもらえる。笑顔になれる。
文句なしの秀作である。

ちなみに、日本でレンタル・ファミリー社は300社あるそうである。レンタルなんもしない人、レンタルおじさん、は有名だ。それって、日本だけ?
だとしたら、日本人は・・・。
レンタル業、やるのもいいかもしれない、と思ってしまった(笑)。
監督・脚本 HIKARI
脚本 スティーブン・ブレイハット
出演 ブレンダン・フレイザー 平岳大 山本真理 柄本明 ゴーマン シャノン眞陽
安藤玉恵 森田望智 木村文 板谷由夏 真飛聖
※110分
※2026年2月27日(金)全国劇場公開
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