一宮千桃のセンスアップ☆シネマレビューPART.302「教場 Requiem」

教場

警察学校の鬼教官、
風間公親のストイックな色気に痺れるエンタメ作!!

木村拓哉は50代に入って渋さが加わり、凄く良い役者になってきたと思う。
本シリーズの鬼教官、風間公親役は彼のハマリ役だろう。
たぶん風間は木村自身とリンクする性格なんだろう。
プライドが高く、凄腕優秀で、観察眼が鋭く、厳しいが情にも厚く、なんでもお見通しで、自身のルールがある。木村そのものではないか。

それだけに、この役の木村は大層魅力的で、かつ色気がある。
日本の役者で色気のある人ってほとんどいないのだけど(韓国はたくさんいるけどね)、木村のこの風間役は色気が漂う。そして、この教官についていきたい、この人に任しとけば大丈夫、と思わせてくれる。それほど、キャラが立っているのだ。

これは人気シリーズになりますわな。
私もドラマのシリーズは全部見ているわけではないのだけど、たまたま見たのが面白くて目が離せず、本作の前話となる「Reunion」も見て、映画を楽しみにしていた。
2時間29分という長尺ながら一切退屈することなく、ラストまで「おおっ!」と驚かされっぱなしだった。もっとこのシリーズを見ていたい、という気持ちはそのままで、映画版でも素晴らしいエンタメを見せてくれた。

 

生徒たちの問題を次々推理の醍醐味
しかし、生徒たちを受け入れる風間!!

警察学校で教える隻眼の鬼教官、風間公親。かつて十崎という凶悪犯によって教え子を殺され、自身も片眼を千枚通しで刺され失った、という過去を持つ。
今は警察学校で教えている。その第205期生。生徒たちはそれぞれ問題を抱えていて、
その問題や仲間との人間関係のエピソードと、警察学校の授業。そして、今は刑事となった教え子たちが追う十崎の行方・・・という物語が交錯して語られる。

生徒たちのエピソードが面白い。それぞれ謎があるので詳しく書けないが、どれも警察官としての知識に裏打ちされたもので、興味深い。つまり、どれもあまり知らない情報が隠されているのだ。
そこを推理していく風間はもはや探偵である。この風間の見立て、推理部分は本作の大きな魅力だろう。警察の捜査について知れるのも楽しい。
また、風間は非情なだけではなく、生徒のことを心の底では全部受け入れている、というのも本作の泣かせるところである。

風間のルックスも特筆だ。ロマンスグレーの整えられた髪形。薄いブルーのサングラス。低い声。決して笑わない厳しい表情。時にサングラスをはずし目を押さえるしぐさ。警察官の制服。抑圧された色気がある。制服ってもともとどれも色気が出るもんだけど。
カッコいい!! んである。

 

卒業式のシーンは何度も見ても涙!!
生徒たちの成長と旅立ちに胸熱!!

ラストは、その風間の整えられた髪がびしょ濡れに。それもまた水もしたたる・・・でたまらなく色っぽかったのである。ほんと、どこまでも木村拓哉はカッコいいよね。
最後まですべてお見通しなのである。こんなスーパーヒーロー、夢中になるはずだ。
205期生の卒業式ではまたまた少し泣いてしまった。やっぱり卒業式は胸熱になるよね。
私は風間公親のファンになりました(笑)。教えては欲しくないけど。
しかしひとつ忘れてはいけないのは、警察学校を好意的に描いているが今の警察組織は問題がいっぱいってことだ。そのイメージをクリーンにするためにテレビ局は進んで刑事ものや医療ものを取り上げる。裏の力が働いていると言うことも忘れてはいけない。
でも、ま、面白いんだけどね。

映画 「教場 Requiem」2月20日(金)から全国劇場上映中
監督 中江功
原作 長岡弘樹
脚本 君塚良一
出演 木村拓哉 綱啓永 齋藤京子 金子大地 倉悠貴 井桁弘恵 大友花恋 大原優乃
猪狩蒼弥 中山翔貴 小日向文世 高橋ひとみ 中村蒼 森山未来 趣里 
※149分
©フジテレビジョン ©長岡弘樹/小学館