観終わってテンション揚がること請け合いの
贅沢でゴキゲンなミュージカルの快作!!
人気ミュージカルの映画化のPART1。「オズの魔法使い」の前日談ということで、最初にちらっとドロシーたちの姿が見られる楽しみも。私はミュージカルの内容はまったく知らなかったので新鮮だった。実は私「オズの魔法使い」も読んでもないし、映画も観てないのだ。それでちょっと善い魔女と悪い魔女ってのが、最初? だったけど、大丈夫。全然入り込めます。
そして、この超大金をつぎ込んだ豪華でゴキゲンで半端ないプロフェッショナルたちの仕事ぶりに大感動と感嘆の嵐!! 素晴らしい!! こんなリッチなもの、映画の料金で観られるなんて幸せである。どんだけお金使ってるんだろう? と唖然としたのも確かだけど……。でも、観終わってテンション揚がりまくりの、楽しい気分で劇場を後にできること間違いなしの快作である。
善い魔女と悪い魔女
実は大親友だった……その過去は?
さて、お話は「オズの魔法使い」に登場する悪い魔女エルファバと善い魔女グリンダの過去を描くもの。オープニングのオズの国の人々が歌い踊る演出がすでに大団円のような迫力でびっくりしながらもウキウキさせられる。そこへ善い魔女のグリンダが降臨する。そして皆に悪い魔女の死を宣言する。皆喜ぶが、少女がグリンダに質問する。「善い魔女は、悪い魔女と親しかったの?」と。「……ええ、友だちだったわ……」と遠い目をするグリンダ。そこからふたりの出会いが語られる。
ふたりは魔法を学ぶシズ大学でルームメイトだったのだ。緑の肌を持つエルファバは家族や周りから疎まれて成長してきた。対して美しくリッチで周りに愛されて自信家に育ったグリンダ。最初は互いに反目しあっていたが、ひょんなきっかけで大親友になり……。

アリアナ超カワイくてビッチなんだわ!!
いいなあ、こういう女の子ってサイコー!!!
私はこのアリアナ・グランデ演じるグリンダのキャラが大好きになった。グリンダは美しいお金持ちのお嬢さんで、すっごく単純で分かりやすい行動をとるのだ。見た目に問題あるエルファバには適当な態度をとり、教授には自分が魔法の才能のないのなんてなんのその。特別にご教授頼むと猛売り込み。イケメン御曹司が転校してくると猛アタックしてアプローチ。嘘泣きなんてお手のもの。すごいわ、グリンダ、なんて素敵なビッチなのかしら!!
私はグリンダの大ファンになったよ。世の中こう強欲に積極的に生きていかなくちゃっと共感しきりだ。演じるアリアナがまたキュートで、庶民的な容姿(八の字眉で、ちょっと前歯が出てるとこなんか)もあっておきゃんな魅力全開。身長154㎝という小柄で細身な身体なのに、オーラとパワー出まくりだ。華麗なダンスシーンや歌も素晴らしく、もうずっとアリアナだけ観ていたかったほど。

人は見かけではわからない
誰しも裏の顔や別の顔があるのだから
対してエルファバを演じるシンシア・エリヴォはウジウジしてて、うっとおしい。ま、そういう役なんだけど。なんか、顔が南海キャンディーズのしずちゃんにしか見えなかったのは私だけ? 身長はアリアナと同じ154㎝だけど……。PART2に期待か。でも、本作のテーマは人は見た目だけではわからない、というものなので主要登場人物皆が裏の顔や別の顔を持っているのだ。悪い魔女もそう。PART2に期待だ。
で、アリアナ以外にも図書室での皆でのダンスシーンはすごかった。セットも大掛かりでダンスも凄まじく大迫力で、夢中になって観て堪能いたしました。ああ、こういう夢夢しいファンタジーの世界の創作物、特に映像作は精神の憩いになるなあ、と改めて実感。しばし、日常の雑事や悩みを忘れる時間はほんと必要。この映画はその時間を華々しく提供してくれる稀有な作品ですぞ。
監督 ジョン・M・チュウ
脚本・原作 ウィニー・ホルツマン
出演 シンシア・エリヴォ アリアナ・グランデ ジョナサン・ベイリー イーサン・スレイター
マリッサ・ボーディ ボーウェン・ヤン ミシェル・ヨー ジェフ・ゴールドブラム
上映時間:2時間41分
© Universal Studios. All Rights Reserved.
配給:東宝東和
2025年3月7日(金) TOHOシネマズ梅田 他 全国ロードショー