感動を呼んだ東京オリンピックの公式記録映画
知られざる裏の物語に涙!!
昨年の東京オリンピックは感動的だった。
延期され、反対されて、いろいろ問題もあったけど、開催すれば金の数も多く、人々の胸に迫るエピソードも満載だったのではないだろうか。
本作はそんな東京オリンピックを撮った公式記録映画だ。
監督は河瀬直美。今いろいろバッシングされている渦中の監督だ。
彼女のことは彼女がビジュアル・アーツ専門学校の講師をしていた頃から知っていて、「萌の朱雀」のロケ取材にも伺ったことがある。
前からも最近もいろいろ映画関係者から話は聞いていた。
彼女は人格的には問題はあるかもしれないけど、映画を撮る才能は歴然だし、本作も素晴らしい出来だと思う。
まあ、取り扱う題材がオリンピックなので感動的なのは当然かもしれんが、泣けた。
出場をあきらめた選手、あきらめない選手
アスリートの悲喜こもごもを追う!
私はあまり、今回のオリンピックは見てなかったので、こんな選手いたんだ、とどの映像も興味深く見れた。
延期になっての街の、人々の様子、開会式の様子など。
SIDE:Aはアスリートを中心としたオリンピック関係者たちを描いているので、そのアスリートたちの事情や表情、葛藤、苦悩、活躍など、見ごたえがある。
延期になったため、出場をあきらめ出産した日本のバスケット選手、それとは対照的に産んだばかりの赤ん坊と夫の来日をSNSで訴え勝ち取ったカナダのバスケット選手。
戦争のために何度も国を変えての出場を勝ち取った柔道選手。
日本柔道界、悲願の東京での金獲得。
人種差別に屈せず出場するアメリカの砲丸投げ選手。
日本の女子バスケットチーム、ソフトボールチーム……などなど、公式映画なので日本の選手ばかりではないのだが、この選択はどうやったんだろう? とは思った。
河瀬監督が学生時代バスケットボールをやっていて、今バスケットボール女子日本リーグ会長ということもあるので、バスケットボールに割く時間が多いのかもしれない。
全体的に女性選手を取り上げたのが多いように感じた。
あと、インタビューの際のアップが物凄くて、接写しすぎだろっとは思った。
まさに肉薄! それから少し説明不足で、取り上げたチームが金を取ったのかどうか、また、この選手誰? というのがテロップが入ってなかったりして解りにくかったのが残念。
公式映画なので、解りやすい配慮は必要だろう。
喜友名諒もっと見たかった!
藤井風の歌声にやられます
本作中、私がうるっときたのは、空手の形の演技で金を取った喜友名諒のシーンだ。
沖縄は空手発祥の地(知らなかった)。
沖縄の人々の彼への称賛の言葉、喜友名諒のうるんだ瞳に泣けた。
今年は沖縄の日本復帰50年だ。
それもあって感動的なシーンだった。
オープニングのお堀に散る桜に重なる藤井風の歌声と、ラストに流れる歌声。
河瀬節全開の演出である。
少しあざとさも感じつつ……。
6月4日公開のSIDE:Bも楽しみである。
総監督 河瀨直美
※120分
©2022-International Olympic Committee- All Rights Reserved.
※6月3日(金)から全国ロードショー
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