一宮千桃のセンスアップ☆シネマレビューPART.196 「マレフィセント2」

マレフィセント

ピュアな光が込められている
秀逸エンターテインメントおとぎ話!

王子のキスでは目が覚めず、血の繋がらない育ての親(マレフィセント)のキスで目覚めたオーロラ姫。
前作はディズニーならではの皮肉も哲学も込められた、目から鱗の現代版「眠れる森の美女」になっていた。

続編の今作では、まったく原作を逸脱したオリジナルの話になっている。
CGの多用、マレフィセントのルーツ、正体、マーベル並みの大アクションと、おとぎ話を大金かけて一瞬たりとも退屈させないエンターテインメント作として提供。
もはや、ディズニー作ははずれなし、とりあえずディズニー映画を観とけば満足させてくれるだろう、という域にまで達している。
それは、凄いことなのだ。
私は見終わって、ファンタジーは生きていくのに必要だな、と痛感した。
たとえ、マレフィセントがシン・ゴジラ化しようと、ここで描かれた世界は一時私を夢夢しい世界に浸らせてくれる。
その陶酔は少女の頃にうっとりした甘美な時間なのだ。
それは、私に元気をくれる。

マレフィセント

 

エル・ファニングの今が旬の美、輝き!
アンジーのカッコよさに夢中!!

眠りから覚めたオーロラ姫は今は妖精の国、ムーア国の女王となっている。
ゴッドマザーであるマレフィセントの命であるが、オーロラは妖精たちと日々楽しく暮らしている。
そんなある日オーロラはアルステッド国のフィリップ王子から求婚され、承諾。
しかし、フィリップ王子の母親のイングリス王妃は妖精の国を滅ぼし、自分たち人間が支配する世界を作ろうという野望を持っていて、オーロラを騙し、マレフィセントを亡き者にしようと画策する……。

オーロラ姫を演じる、エル・ファニングが輝くように美しい! 21歳の若さが映像からも弾けていて、彼女の登場シーンは彼女を観るのに夢中で字幕読んでませんでした(笑)。
また、彼女の着るドレスも素晴らしくて(特に登場シーンで着ているブルーのドレス!)、一体どういう素材でデザインは? とドレスを観るのに夢中で、ここも字幕読んでいませんでした。
もっとゆっくりドレスを観せて欲しかった……。
髪飾りも髪型もゆっくり観たかった……。
ってくらいキラっキラっ美しくて、もうここでうっとり。
フィリップ王子も長身のハンサムだし、イングリス王妃のアクセサリーも凄い豪華絢爛、これでもかって大量付けで見入ってしまった。

そして、マレフィセント。
演じるアンジーはやはり、ガリガリ無表情ながら、カッコいいのである。
存在がカッコいいのだ。
今回、出演シーンは少ないが、強烈なインパクトで君臨。
彼女の超越した雰囲気って貴重である。

マレフィセント

 

人間も植物も動物も虫も大地も妖精も
すべてが等価値であり、相互扶助している

さて、今回は妖精も人間も争わず協力して助け合って生きていこうよ、という世相を現わすようなメッセージが込められているが、妖精だけではない。
植物も動物も虫も大地も、鉱物も、石も、物も、風も、太陽も、星も……すべて。
宇宙に存在するすべて。すべてが等価値で大切なのだ。
すべてが影響しあって存在している。相互扶助の関係なのだ。
今「光の魂たち 植物編」(森井啓二著)という本を読んでいる影響もあるのだろう。
邪悪な王妃によって妖精たちが次々消されていくシーンで胸が痛くなった。
妖精も私たちを助けてくれている……。

ハリウッド風な味付けはされているものの、本作はピュアな光が込められている作品である。
必ず、観た人が明るくなる。

 

監督 ヨアヒム・ローリング
脚本 リンダ・ウールヴァートン ノア・ハープスター&マイカ・フィッツァーマン・ブルー
出演 アンジェリーナ・ジョリー エル・ファニング キウェテル・イジョフォー
サム・ライリー ハリス・ディキンソン エド・スクライン ミシェル・ファイファー
※119分

© 2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
※10月18日(金)全国公開

 

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