一宮千桃のセンスアップ☆シネマレビューPART.192 「劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」

おっさんずラブ

パワーアップした人気ドラマの映画版!
不寛容をギャグとエンタメで吹き飛ばす快作!!

2018年の大ヒット、大話題のドラマの映画版がいよいよ登場!!

ドラマのファンでもあった私は楽しみに試写に行ったのだけど、格別の爆笑仕上がりになっていて、何度もふきだして笑ってしまった。
製作陣とキャストがこの作品を愛して大切にしているのが分かる。
力と愛が詰まった作品になっていて嬉しい限り。
幸せな気分で試写室を後にした。

さて、映画はドラマの一年後、春田が上海、香港転勤から東京に戻ってきたところから始まる。その前に香港での指輪を巡っての大アクションがあるのだが(これも笑える)。
ドラマを見てない人に簡単に説明すると、春田創一と上司の黒澤武蔵と同僚の牧凌太との三角関係の話で、結局春田と牧が結ばれるという展開で春田が牧にプロポーズしてドラマは終了。
しかし、今回春田と牧の仲はギクシャクする。
勤め先の天空不動産にも本社から新プロジェクトリーダーが乗り込んできて、そのメンバーに牧も入っていたのだ。
夢を叶えたいという牧と夢などない春田の気持ちはすれ違っていき……。
新メンバーも入っての怒涛の展開。
爆破シーンもあったりして映画的にスケールアップしている。

おっさんずラブ

 

吉田鋼太郎の乙女演技、ギャップ大でサイコー!
彼のシーンは爆笑必至だよん!!

男同士のラブ・ストーリーを平気で展開していることと、ギャグ満載なところが私はドラマでお気に入りだったのだが、その笑えるシーンのほとんどが吉田鋼太郎演じる黒澤武蔵のシーン。
で、映画版もやはり彼が抜群に笑かしてくれる。
見た目はおっさんなんだけど、心は純な乙女の武蔵。
そのギャップがたまらなく笑える!! 今回も春田との「ローマの休日」のシーンを妄想してて、そのカワイさに爆笑!! 笑えるわぁ~。
吉田鋼太郎サイコーである。
また、牧のツンデレぶり。
素直に春田に気持ちを表せない屈折した感じが今回は特徴的で、林遣都の美少年容姿と繊細な演技でヤキモキさせられる。
春田の前では素直になれないんだけど、ライバル武蔵の前ではやたら攻撃的なのだ(笑)。
サウナでの5角関係のバトルシーンは中でも牧と武蔵の言動が見ものだ。
イケメン5人が腰タオルだけでいがみ合う。
しかも、痴話げんか乗りで。
じゃれ合ってるように見えたのは私だけではないはず(笑)。

おっさんずラブ

 

笑って笑って、頭も身体も心もゆるませて
なんでも受け入れていこう!! が理想

さて、以前にこのドラマをゲイの知り合いに「面白いよーっ」と薦めたら、どうしても全部観てられないという。
理由を聞くと「あれ、春田が女だったらどうですか? 上司のセクハラ、パワハラですよ」と言うのだ。
なるほどと思いながら「頭固ったぁ~!」と言ったら「確かにそうなんですけど、ダメなんです」と言っていた。
春田は女じゃないし、そこが面白いんだし、ギャグとして楽しめばいいのに。
こういうドラマが深夜枠とは言え、民法で放送されるのはそれだけ時代が変化している証拠なのに(NHKはもっと以前から攻めてるけど)。
でも、そういうゲイの素直な意見は貴重であった。
でも、頭も身体も心も固いのは良くないのだ。
常にこの三つは柔らかくゆるませておかなくてはならない。意識して。
アメリカの一流会社のCEOの身体はゆるみまくりらしい。
それだから困難な判断や選択もできるのだ。
宮本武蔵やイチローなど、一流のアスリートの身体は必ずゆるんでいるそう。
でないと怪我するよね、固いままだと。
緊張すると身体固くなるし、リラックスしてこそいい状態になるのよね。笑うと身体ゆるむし。

というわけで、本作は既成の考えをぶち壊す秀作エンターテインメント作である。
どうぞ本作を観て、笑って、より頭も身体も心もゆるませて、日本が寛容な社会を実現できる一助となってくれたら、素敵だね。

 

監督 瑠東東一郎
脚本 徳尾浩司
出演 田中圭 林遣都 吉田鋼太郎 内田理央 金子大地 伊藤修子 児嶋一哉
沢村一樹 志尊淳 眞島秀和 大塚寧々

※114分

※88月23日(金)TOHOシネマズ梅田他全国ロードショー
©2019「劇場版おっさんずラブ」製作委員会
配給:東宝

 

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