あの世をイマジネーション爆発で
描ききった荒唐無稽感動作登場!!
韓国で大ヒット(韓国歴代2位の観客動員数1440万人)したウェブコミック原作の本作。
トリニティWEBにぴったりの題材、あの世の話である。
しかし、あの世の話といっても、この上なく大胆にアレンジしてエンターテインメント化したびっくり仰天の展開となっている。
かなり色物? なとこもあるけど、そこは韓国映画。
泣かせる感動的なエピソード満載で感動作へと持って行ってる手腕はさすがの力技だ。
ここまで荒唐無稽な展開は日本映画じゃなかなか作れない。
やはりラテン気質の韓国ならでは、と思ったりもして(笑)。
さて、お話は少女を助けようとして死んだ消防士ジャホンが、3人の冥界からの使者に迎えられるところから始まる。
使者はジャホンが死んだことを伝え「人は死ぬと49日間の間に7つの地獄で裁判を受けなくてはならない」と冥界の掟を教える。
その裁判全てを無罪でクリアしたものだけが現世に生まれ変われるのだ。
ジャホンは3人と共に殺人、怠惰、嘘、不義、裏切り、暴力、天倫という7つの地獄を巡ることになるのだが、そこでジャホンの隠された過去と真意が明らかになっていく……。
本作は6月28日㈮から公開される「第二章:因と縁」という続きがあり、そこでの伏線がいくつか本作で提示される。
第二章は前世の話がメインになっていくが、伏線がミステリアスで第二章も気になる展開だ。
第二章も巧妙な脚本にはほとほと感心する(あざとさ満載かも)が、私としては第一章の本作の方が面白く、単純に楽しめた。
アートな地獄巡りにかっ飛びアクション!
役者の色気にクラクラ 男を感じるわぁ!
トリニティ読者は、死んだらどうなるか、あの世のことは熟知してると思うので「え~!」と思う設定に笑ってしまうかもしれない。
しかし、これはあの世をエンタメしてる話なのでなんでもありと思おう!(笑)。
そのイマジネーションのかっ飛びぶりには唖然、平伏だ。
地獄の裁判長たちの大仰メイクや衣装、キャラはもうマンガの世界そのもの。
閻魔大王(凄い美形でメイク凄くてチョン・ジヒョンかと思ったらイ・ジョンジェだった!)も出てくるのだ。
地獄のセットが半端ないアートしてて、楽しめる。
大金をかけたらしい。
また、地獄の化け物たちに凄まじいアクションで挑んでいく使者のリーダー、カンニム役のハ・ジョンウと警護ヘウォンメク役のチュ・ジフンのかっこいいこと。
長い裾の衣装を翻し、これまた長い剣で、CGで作られた化け物たちをばっさばっさと退治していく。
私はジフンニのファンなので「ほぉ~」と見入っておりましたが、ハ・ジョンウの色気にもクラクラ。
日本人には絶対いない色気にむずむずしました。
しかし、なんでこういう色気のある役者が韓国には何人もいるのか?
考えたところ、やはり、韓国にはまだ「男」がいるのでしょうね。
「男気」がまだ残っているというか……。
日本には本当の「男」はもはや女の中にしかいないような……。
韓国映画の真骨頂! 泣かせ部分も秀逸
あの世は実はこうかも? 新鮮な発見あり?
で、凄いアクション映画でもあるのだけど、やはり韓国映画の真骨頂! 泣かせのドラマ部分が巧緻なんですねー。
実は……という展開満載で、ジャホンの家族の悲劇もそうなのかぁ~。と泣かせます。
私は泣きませんでしたが。泣かせる箇所です。
まあ、これがあるから荒唐無稽B級ノリも気にならないんでしょうね。
結論として、韓国映画は人を楽しませることにかけてはやっぱ「凄い!」。
あの世をイマジネーション爆発で描ききった。
文句なく面白い。ハハハっと笑っちゃうしかない。
その捨て身の志しにはひれ伏す。
でも、あの世はもしかしたら、こんなマンガみたいなとこかもしれないね。
すみれちゃんの本を読んだら神様はダイエットしてるらしいから(笑)。
あの世をジェットコースターで楽しむつもりで観に行くと、新鮮な発見があるかも?
監督・脚本 キム・ヨンファ
原作 チュ・ホミン
出演 ハ・ジョンウ チャ・テヒョン チュ・ジフン キム・ヒャンギ イ・ジョンジェ ド・ギョンス キム・ドンウク
※140分
配給:ツイン
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大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ
MOVIX京都、MOVIXあまがさき、MOVIX堺 他
5月24日㈮~全国ロードショー 公開中!
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