令和5年6月メッセージ — 希望なき未来への恐怖と対峙する魂たちは、それでも雨の向こう側に待つ“運命の愛”へと駆け出す

6月

度重なる地震に洪水と自然災害に翻弄される只中で — 四緑木星6月は、遠方との新たな“ご縁繋ぎ”に未来への希望を見出す時

6月を迎えました。最近は急に暑くなり、夏の到来を感じた矢先に再び冬のような寒さに襲われたりと、目まぐるしい寒暖の差に翻弄されておられる方も多いのではないでしょうか。私も先月の下旬は、体調を少々崩し、仕事を休みました。今月も、気候の大きな変動が懸念されています。皆様が健康で、元気に過ごされる月となるよう、願ってやみません。芒種を迎える6月6日、月運が五黄土星から四緑木星に移ります。

四緑木星は、“風”を表す星です。
往来、遠方、交通、取引、盛況といった象意があります。
人に例えれば、旅人、迷い人、商人といった、距離感を持って“動き”を表すもの、また信用、縁、調うといったキーワードが浮かび上がります。

先月の五黄土星は“帝王”という、政治指導者を表す象意でしたが、日本では先進国首脳会議(G7サミット)が広島で開催されました。会議は成功と見做され内閣支持率も上昇しましたが、この追い風を受けて岸田首相は今月の国会会期末に衆議院を解散する可能性が出てきています。与党は18歳までに月1万円の児童手当支給を提案するなど、年内の総選挙を念頭に実体経済の浮揚について手を打ち始めていますが、この6月に関しては、これまでの経済の停滞を急いで取り戻すかのように、市井では活発な商取引が展開される雰囲気です。四緑木星の“遠方”“往来”の暗示がある通り、遠方への旅行などによる都会⇔地方間の人間の往来が増えたり、またネットを通して知り合った遠方の人とリアルで会う機会ができたりと、新しい商機や交流、恋愛のきっかけがありそうです。

景気の上昇に期待したいところですが、5類格下げを機に再び上昇傾向にあるという、コロナウイルス感染者の増加には、注意が必要と言えるでしょう。また、日本では先月、石川、東京で震度5クラスの地震が起き、海外に目を遣るとイタリア、イエメンでは大洪水が発生し犠牲者が出ました。トカラ列島近海も不安な情勢です。今月も火山の噴火や台風、洪水等、“火”や“水”にまつわる自然災害には、十分に警戒して備えておきましょう。

6月の月運の干支は、“戊午(つちのえうま)”。盛夏を迎えた、雄大な山のイメージのような月です。今月は、誰もが時代を切り開く先駆者の気概で、自らの意思で未来を切り開こうとヤル気が漲る月となりそうです。仕事面や仲間内では、まさにどっしりとした山の如く、周囲の人に頼られ、リーダー的役割を担う立場となるかもしれません。性格面では、少し頑固になりそうです。また“午”には謀反、反対勢力に抵抗する、といった意味があります。今月は裏切りや諍いといった場面も、多くなりそうです。そういった場面に身を投ずると運が下がってゆくので、なるべく離れて平和な波動を保つように心がけましょう。

二十八宿は“星宿”。今月は、かねてより興味、関心のあった分野の勉強、研究に本格的に取り組んだり、習い事や免許・資格の取得に適した月です。また、忙しさから体調を崩したり病を得てしまった人にとっては、入院をするなど、本格的に療養して健康を取り戻すことが必要とされる月とも言えるでしょう。プライドが高くなる傾向があるので、他人に対して知らず知らずのうちに傲岸不遜な態度を取らないよう、注意しましょう。

重要な契約や勝負事に関しては、大安の2日、8日、14日、18日、24日、30日、一粒万倍日の2日、3日、16日、17日、28日、29日に設定すると良いでしょう。デートや告白、プロポーズを考えている方も、上記の日を選びましょう。なお、今月の暗剣殺は東南ですが、4日から19日までは、天一天上となります。自宅の部屋の掃除さえしっかりしておけば、この期間は方位に障りはありません。帰省や旅行先などで、思いがけない運命の出逢いや再会が、待っているかもしれません。積極的に動いて、“運”を呼び込みましょう。

誰もが不平不満を抱え、価値観が激突する混乱と不安の最中で — 運命を共にする“魂の友”と支え励まし合い、統合へと向かう初夏に

西洋占星術の観点で言えば、今月は火星が獅子座に滞在しています(~7/10)。この時期は、誰もが自信を漲らせ、仕事や年来の夢の実現に向け、闘志を燃やす時です。素晴らしい芸術作品が世に出たり、誰もが恋愛に積極的になるなど華やかな雰囲気を世間が纏う一方、エネルギーが誤った方向に向かうと、敵対する国家や組織が一歩も引かない戦争状態となったり、また性犯罪が増大する危険性も孕んでいます。先月25日には、長野で警官2人を散弾銃で射殺した立てこもり事件が発生しました。誰もが貧困や不遇を理由に、不平不満を溜め込んでいます。女性は、レイプ被害や予期せぬ妊娠に遭わぬよう、単独ではなく信頼する男性と一緒に行動した方が良いかもしれません。

4日12時42分には、射手座で満月を迎えます(ストロベリームーン)。この時期は、理想への最短ルート、夢を実現するアクセス方法を検証するタイミングと言えます。これまで行き詰まっていた課題が、協力者の登場で解決に向かったり、また海外とのご縁で思わぬ道が切り開ける暗示もあります。意中の人とも絆が深まるなど、喜びごとにも恵まれそうです。5日には、金星が獅子座入り(~10/8)。ここから秋口まで、誰もが注目されたい、愛したい、口説きたいと積極的に他者との統合を願う本能が強まります。特に今年の夏は、世間では華やかな恋愛模様が繰り広げられるでしょう。そして11日には、冥王星が山羊座に再び戻ります。

2024年11月19日に水瓶座に落ち着くまで冥王星は行ったり来たりを繰り返しますが、この時期は旧世代と新世代の価値観の相違をめぐる最後の対立、闘争の時期です。先般のLGBT法案をめぐる自民党内の保守とリベラルのせめぎ合いのように、これまでの共同体の“常識”を維持するか転換するかで、大小の組織に波乱が起きるでしょう。18日は2時過ぎに土星が魚座で逆行を開始(~11/4)。秋口まで、計画の頓挫や停滞感を感じ、メンタルヘルスに影響が出る方が増えるかもしれません。精神的に辛いときは専門家のカウンセリングを受けたり、信頼できる友人の支えに頼りましょう。

そして同日18日13時37分に迎える双子座の新月では、フットワークを軽く、また過去に関心のあった勉強をし直すことで、新たな人、モノと出逢う暗示が出ています。日帰り旅行で思いがけない出逢いに恵まれたり、大学の教養講座や学者の講演会などに足を運ぶと、これからの時代に即した新しい視点が獲得できるかもしれません。不特定多数とのコミュニケーションを円滑にするためにも、大切なことは言葉に出して、直接伝えることを心がけましょう。

その後27日の朝、水星は蟹座に入ります。気の置けない仲間、旧友とのご縁を大切に、この不穏な状況を乗り切ってゆきましょう。元気のない友人に愛と励ましを与えると、幸運に恵まれる夏が、やって来そうです。今年も、梅雨の季節が再び、巡ってきました。今月は、この時期になると思い返す、歌人・俵万智(1962~)さんの作品から、初夏の一首を引きましょう。

思い切り

愛されたくて 駆けてゆく

六月、サンダル、あじさいの花

鉛色の空から落ちてくる豊かな雨が、毎日のようにコンクリートを濡らす6月。街を彩るあじさいの花を背に、サンダルを履いた女性が駆けて向かった先にいるのは、これから始まろうとしている、新しい恋愛の、お相手の姿でしょうか。遠方とのご縁が深まる四緑木星、そして金星が獅子座に入っている今月は、誰もが3年間に及んだコロナ禍で稀薄となった他者との交流、統合を渇望し、心を共振し合うような相手を求め、動き出す月です。

社会ではあらゆる場面で価値観がぶつかり、その混乱と対立の中で多くの事件、トラブルも避けられない厳しい状況ですが、だからこそ、人々は慣れ親しんだ“孤独”を卒業し、他者との統合に、勇気を出して足を踏み出そうとしているのです。決して外側の喧騒に左右されない、自分にとって“居心地の良い”場所を、自らの手で掴み、創ってゆく夏にしましょう。TRINITY読者の皆様におかれては、降りしきる雨の向こう側に、人生に架かる虹を見つけることができる6月となりますよう、祈念しております。




 

(了)

 

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