五黄土星壬寅・令和4年のスタートにあたって —— それぞれが人生の激流に挑む中で、心の内に悠々たる希望の“大河”を持とう

年頭

五黄土星中宮は混乱/戦乱の暗示 — 世代交代の波、価値観の相違に拍車がかかり大きな変革が迫られる一年に

新年明けましておめでとうございます。
昨年も一年間、この『TRINITY』紙上で私の文章を読んでいただき、誠にありがとうございました。
皆様、穏やかな令和4年のお正月を迎えられましたでしょうか。

今年の干支は壬寅(みづのえとら)、五黄土星の年です。
恵方(歳徳)は壬の方・北北西で、歳破は申(南西)の方となります。

五黄土星は、“帝王”を表す星です。
九星で最も運が強く、周囲に多大な影響を与える星です。
人に例えれば支配者、王、首相といった世の中心人物、また一方で犯罪組織の首領、盗人、浮浪者といった象意もあります。
また戦争、崩壊、破産、自然災害(地震、台風、暴風雨)といった暗示が強調されます。

壬寅の“壬”は海を表し、また“妊娠”の“妊”と同じ生命の誕生を意味します。“寅”は季節でいえば初春。草花が伸びようとする状態を表します。また“虎”にも通ずるので、勇猛果敢で、問題がハッキリするといった象意もあります。また、“寅”の字は本来「螾」と書き、万物の発生や春の胎動を意味します。ここ2年間の世相は、猛威を振るうコロナウイルス禍に人類が翻弄された年となりましたが、今年は様々な意味でリセット、再スタートという一年となりそうです。

戦後日本のスタンダードであった新卒→会社への終身雇用といった概念が溶解の一途を辿り、昨年に続きSNSを基点として繋がった、趣味趣向を共通点とする人々が集まって共同事業を本格化させる一方で、外国人労働者の受け入れによる多文化共生の潮流、事実婚や夫婦別姓など新しい家族の在り方を求める運動が力を増すなど、更なる価値観の多様化とそれに付随する混乱、社会の対立が深まる暗示です。壬寅の“リセット、再スタート”の象意の通り、今年は社会も個人も、体制や組織のリニューアル、人間関係の大幅な入れ替わりなど、大きな変革を迫られる年となるでしょう。

年頭

 

2022年を表す漢字一文字は“噴” — 国内外での政治的対立、衝突、自然災害で不穏な状況が起こり得る可能性

今年の納音(なっちん)は、金箔金(きんぱくきん)。
自分自身が金の如く、実力を養う年となりそうです。また、美的感覚に優れ、ロマンに生きる。一途に愛情を表現する、社交性に富み、相手を引き立てる、といった暗示があります。無用な虚栄心には、注意したいところです。

二十八宿は、参宿(しんしゅく)。
“何事も好奇心を持ってポジティブに進む、成果を得て希望が出てくる”、という意味を持つ星です。
遡ること420年前、壬寅と参宿が重なった西暦1602(慶長7)年は、江戸幕府開府を翌年に控え、豊臣家→徳川家への政権移行が進んだ年でした。
前回の参宿であった28年前の1994(平成6)年は、細川護熙(日本新党)→羽田孜(新生党)→村山富市(日本社会党)と、1年間で3人も総理大臣が交代し、日本の政治がまさに混乱を極めた年として記録されています。
過去の“壬”の年を振り返ると、1972(昭和47/壬子)年は佐藤栄作→田中角栄、1982(昭和57/壬戌)年は鈴木善幸→中曽根康弘、2012(平成24/壬辰)年は野田佳彦→安倍晋三と、やはり総理大臣の交代が数多く行われています。昨年の“辛”も政変の年でしたが、前述の“参宿”の影響もあり、10年ぶりの“壬”となる今年も、総理大臣の交代の可能性が高いと言えます。岸田文雄現首相が何らかの理由で退陣する場合は、茂木敏充自民党幹事長(昭和30年10月7日生/沙中金乙未九紫火星=光華運)と、林芳正外務大臣(昭和36年1月19日生/壁上土庚子四緑木星=結実運)のいずれかの首相就任が最有力と言えるでしょう。
また、“寅”に目を転ずると、過去には 1914(大正3/甲寅)年→第一次世界大戦、1926(大正15/甲寅)年→大正天皇崩御、1938(昭和13/戊寅)年→国家総動員法公布、1950(昭和25/庚寅)年→朝鮮戦争、1974(昭和49/甲寅)年→ウォーターゲート事件と、世界や日本社会を動揺、震撼させる出来事が起きています。今年も、世間を驚愕させるなんらかの出来事が、国内外で発生する可能性があると言えるでしょう。

最初に触れたように、五黄土星に中宮が位置する年は、政治的混乱、戦争、自然災害の象意があります。過去の五黄土星の年を振り返ると、2004(平成16)年→新潟県中越地震、1995(平成7)年→阪神・淡路大震災、1986(昭和61) 年→三原山噴火、1977(昭和52)年→有珠山噴火、11923(大正11)年→関東大震災と、やはり日本に大きな被害をもたらした自然災害が起こっています。海王星が逆行する6月28日以降は、特に警戒を要します。被災対策としては引き続き、自宅に水、レトルト食品、簡易トイレの常備をお勧めします。また、手元にすぐ使える紙幣など、お金も置いておいた方が得策です。

上記を挙げた上で、姓名学者として、令和4年/2022年を象徴する漢字一字を挙げるなら、“噴”としたいと思います。

噴火、噴出、噴飯と“噴”を使った言葉は幾つもありますが、今年は様々な問題、対立が表面化し、また多くの人が不満を爆発させたりと、日々の様々な場面で“噴”の字を使う機会が増える気配です。決して穏やかとは言えない一年となりそうですが、どのような状況に身を置いても、取り乱さずに冷静な判断、行動を心掛けたいものです。

年頭

 

本格的に“風の時代”の特徴が顕現化する2022年 — ようやく出逢えた“魂の友”の支えの中で、厳しい時代を泳ぎ切る覚悟を

西洋占星術の観点で言えば、昨年は社会構造や権力に大きな影響を及ぼす土星と木星が水瓶座に入宮したことで、600年ぶりの本格的な “風の時代”がスタートしました。“風”は、感染病も意味します。前回の風の時代にあたる14世紀には、黒死病として恐れられたペストが海外で猛威を振るい、中国やヨーロッパにかけて1億人が犠牲となりました。昨年末、木星は魚座へと移動しましたが、5月までは、拡大中のオミクロン株を皮切りに再びの感染拡大が危惧されます。一方で、この“目に見えないものへの不安”は、世の人々に心の支えや愛情を求める心を促し、恋愛や結婚の成就など、個人面では一気に幸運が加速する状況が訪れそうな気配です。双子座のドラゴンヘッドは、この正月に牡牛座へと移行します。より“自分らしさの実現のため”に、協力をしてくれる良縁との繋がりが強化されてゆくでしょう。また、金星は山羊座に3月まで滞在しています。今年は早い段階で、地に足の着いた、落ち着いた恋愛や結婚生活を得られる人が、多くなりそうです。

昨年からの繰り返しになりますが、このコロナ以降の世界は、対面営業や終身雇用ではなく、リモートをベースにした在宅事業や個人を基本とした緩やかな Federation、 いわゆる“独立する連帯”ともいうべき生活様式が主流となってゆきます。インターネットを通して繋がり、運命的な再会を果たしたソウルファミリーが助け合い、それぞれの得意分野、特性を持ち寄って生活費を稼いでゆく、自由なライフスタイルが徐々に定着してゆくでしょう。社会情勢は今年も大規模な自然災害の可能性を含め、厳しい状況に陥る可能性がありますが、対照的に、個人のプライベートに関しては、(少なくともこのTRINITYの記事を読んで下さっている皆様は)更なる良いご縁結びが起き、その支えの中で、喜ばしい出来事に浴することができそうな、一年となりそうです。

今年は年頭に当たり、私が若かりし頃に読み、感銘したシュルレアリスム詩人・飯島耕一(1930~2013)の代表作とも言える詩集『バルセロナ』所収の、「川と河」という詩の一節を引きましょう。

 

きみのみじめさは

内部に 大河をもっていない

ということに

尽きる。

 

自分の内面には、常に悠々たる“大河”が、流れている。

そんな人間で、在りたいものだ —

簡潔で平易な言葉ながら、心の深層を抉(えぐ)るような、鋭い問い掛けをしてくる一節です。

自分の人生に起きる喜びも悲しみも、それは自分が生まれる前に、全て魂の修行と課して、必然の如く起こるものです。

引き続きのコロナとの闘いに加え、今年は多くの対立、混乱が噴出し、国内外共に社会は極めて厳しい環境に置かれる様相です。

そのような、壬寅の激流の中に在っても、自分の心の内には、悠々と流れる大河の如き気持ちを忘れずに、生きてゆきたいものです。

2022年、皆様の魂が希望への潤いで満たされる日々となりますことを、心より祈念しております。

 

(了)

 

姓名学者・八田運命総合鑑定所主宰/八田靖彦

 

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