私たちのふだんの思考や行動は「潜在意識」と密接にかかわる

ここでは、あなたの人生を変える重要なポイントである「潜在意識」についてお話しします。

潜在意識とは、人間が認知している精神活動（＝顕在意識）の内奥にある存在です。
意識全体を氷山に例えれば、海面に出ているわずかな部分が顕在意識で、海中にあって約90％という大半を占める部分が潜在意識に相当します。

私たちのふだんの思考や行動は、顕在意識が働くことによって生み出されますが、実は、潜在意識の力が強く影響を与えています。
潜在意識は、感情や直感、想像力などのひらめきの源泉であり、何気ない思考や行動のすべてに作用し、それらをコントロールしています。

この潜在意識を活用すれば、どんな願望も実現可能です。
私自身、いくつもの願いを実現してきました。

周りから絶対に無理だと言われたニューヨーク大学への留学が実現し、生命の危機さえあった大事故から家族そろって奇跡的に生還したのも、潜在意識の力です。

私はかつての著書で、古今東西を問わず、世界の叡智と言える名言を繰り返し目にしたり、言葉にしたり、録音されたものを聴いたりすることを勧めてきました。

●ポジティブな名言の例

（ナポレオン・ヒル）

「チャンスをつかめなかったのではなく、チャンスをつかむ勇気がなかっただけです。」（成功哲学の父とされるナポレオン・ヒルの言葉）

（ジョセフ・マーフィ）

「世の中には幸福も不幸もありません。あるのは思いの違いだけです。」（潜在意識の法則を提唱したジョセフ・マーフィの言葉）

このような、極めてポジティブな言葉を潜在意識に入れていくことにより、実際にアウトプットされる言動やエネルギーは、以前と比べものにならないほどポジティブで高次元のものへと変貌を遂げます。その結果、人生は好転するのです。

こう言うと、「私にも潜在意識はあるはずなのに、願望が実現したことがない」というかたもいるでしょう。
それはおそらく、これまでの潜在意識の活用法が間違っていたからです。そこについて話を進めていきましょう。

明確な目的を持つと潜在意識が覚醒する

潜在意識にポジティブな情報を入れていくためには、大きく3つの注意点があります。

1つ目は、潜在意識は「理解していないもの」「腑に落ちていないもの」を受け入れてくれないということ。

珠玉の言葉を繰り返し読み、口にし、聴き、内容について理解を深めるようにすれば、世界的権威が残した成功哲学が、潜在意識に存分に吸収されます。
たとえ実感がなくても、繰り返すうちに、良質な成功哲学が潜在意識にしっかりと浸透していきます。

2つ目は、達成したい「目標」に、明確な「目的」が伴ってこそ、潜在意識の巨大な力が結果をもたらすということ。
言い換えると、目的のない目標については、潜在意識が働くことはあっても、なかなか結果が出づらいということになります。

目標と目的を同一視するかたもいるようですが、私はまったくの別物ととらえています。

目標とは、期限のない希望、数値的な指標であり、例えば「やせたい」とか「1000万円貯金したい」というのは目標です。

それに対して目的は、何が何でも達成したい物事の価値を含みます。
ですから、「血液をサラサラにして病気にならないためにやせたい」「若いときから構想を練ってきた会社を立ち上げるために1000万円貯めたい」というふうに、漠然とした希望を明確で具体的な目的を伴った目標に置き換えると、潜在意識の力が正しい方向へ使われるようになります。

3つ目は、自分の力を信じることです。
潜在意識は、「できる」「できない」という判断をしません。善悪の判断もしません。
送り込まれた願望をただ事実として受け止め、あなたが眠っているときも休みなく働き続けて実現に向かわせます。

すなわち、あなたが「到底無理だ」という思いを潜在意識に入れれば、潜在意識はそのまま受け止めますし、「必ず実現できる」という思いを入れれば、そのまま受け止め、実現へと動き出します。

自分を信じて進めば、潜在意識は必ず味方します。

プロセスを明確にすると成功がクリアに見えてくる

加えるなら、明確なプロセスも見定められれば、鬼に金棒です。
例えば、高い山を登るときも「3分の1ずつの地点でキャンプを張る」というふうに、プロセスを明確にしておくことで、成功をクリアにイメージでき、自信を強固にできます。

また、私たちは成功者について考えるとき、そのスタート地点とゴール地点ばかりに注目しがちですが、大事なのは成功のプロセスを分解して見ること。
すると、すべきことをした人が結果を手にしていること、明確な目標と目的が潜在意識と連動していることがわかるはずです。

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