第68回★英国発祥の伝統的な焼き菓子
だんだんと寒くなり紅葉が彩りをみせはじめる今月は、温かい紅茶にぴったりな英国発祥の伝統的な焼き菓子をチェックしてみたいと思います。
まずは華やかなピンクと黄色のチェック模様が特徴的な「バッテンバーグケーキ(Battenberg Cake)」。
アプリコットジャムが挟まれたチェック模様はアーモンド風味のスポンジケーキになっていて、ケーキ全体をアーモンドペーストのマジパンが包んでいます。
このケーキは1884年にヴィクトリア王女と、ドイツのルイス・アレグザンダー・バッテンバーグ(のちに姓をマウントバッテンに変更)とのウエディングを祝う際に作られたことで、正式にバッテンバーグ・ケーキと名付けられたと言われています。
お次は、ぽってりと丸い手のひらサイズのケーキ「エクルズケーキ(Eccles cake)」。
イギリス北西部ランカシャーの小さな町エクルズが発祥と言われ、スパイスが香るレーズンをパイ生地で包んだケーキです。
サクッとしたパイ生地と、しっとりしたレーズンの相性が絶妙で、温かい紅茶やコーヒーにぴったりな焼き菓子です。
最後はウェールズの伝統的なケーキ「ウェルッシュケーキ(Welsh cake)」。
頰張ると素朴な甘さが口いっぱいに広がるこのケーキは、小麦粉、バター、卵、砂糖、シナモン、ナツメグ、レーズンなどから作られていて、ウェールズ語ではピカーラマイン(picau ar y maen)、 ピケ・バッホ(pice bach)、カーケン・グリ(cacen gri)、テイシェン・ラデス(teisen radell)とも呼ばれているそうです。
どれも温かい紅茶とぴったりな英国発祥の伝統的な美味しい焼き菓子ばかり。
寒さが増すこれからの季節でも、思わずほっこりハッピー笑顔になってしまう美味しさなので、機会があれば是非お試しください。
ランカシャー・エクルズケーキ社のエクルズ・ケーキ。シンプルなデザインのパッケージには4個のエクルズケーキが入っていました。
バッテンバーグ・ケーキはその昔ドミノケーキ、ナポリタンロールとも呼ばれていたそうです。
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