第124回★ブリティッシュ・サンドイッチ
イギリス人がランチやピクニックなどでカジュアルに楽しんでいる食べ物といえば「サンドイッチ」。日本でも愛されるパンに具を挟んだ手軽なサンドイッチは、イギリスの伯爵が発明したと言われています。
18世紀後半、イギリスのサンドイッチ伯爵のジョン・モンタギューはトランプ遊びに夢中になり、食事をする時もカードゲームが続けられないかと考えます。そこで食器を使わずにパンの間に具材を挟んだものを作らせ、サンドイッチが誕生したのだとか。今やイギリス人の食生活に根ざしたサンドイッチは、イギリスの家庭で作られているのはもちろん、スーパーマーケットやカフェのメニューにも必ず並んでいます。
そんなイギリスのサンドイッチは、パンの種類や中身の具材もバラエティ豊か。日本でもお馴染みのツナマヨ・サンドイッチ(Tuna mayo sandwich)や、ハム&チーズ・サンドイッチ(Ham & cheese sandwich)はじめ、卵とクレソン・サンドイッチ(Egg & watercress sandwich)、エビマヨ・サンドイッチ(Prawn mayo sandwich)、スモークサーモン&クリームチーズ・サンドイッチ(Smoked salmon & cream cheese sandwich) 、そしてチーズ、トマト、レタスなどを挟んだ農夫のサンドイッチの名を持つプラウマンズ・サンドイッチ(Ploughman’s Sandwich)などなど。
また英国王室ゆかりのサンドイッチ、その名もコロネーション・チキン・サンドイッチ(Coronation chicken sandwich)も人気。英語Coronationは戴冠式を意味しており、1953年に行われたエリザベス2世の戴冠式の記念に考案されました。冷製チキンをカレー風味のクリームソースで和えた具材を挟んでいただくサンドイッチは、誕生以来ずっと愛されている逸品です。
ちなみにイギリスではサンドイッチはパンの種類もバラエティ豊か。
白い食パンのホワイト・ブレッド(White bread)、全粒パンことホールミール・ブレッド(Wholemeal bread)、サワードウ・ブレッド(Sourdough bread)、 マルチグレイン・ブレッド(Multigrain bread)、バゲット、チャバッタ、ラップ(トルティーヤ)、ベーグル、ピタなど、さまざまな種類から選べます。
具もパンの種類も多彩で、価格もお手頃に楽しめるイギリス発祥のサンドイッチ。今や英国サンドイッチ協会やブリティッシュ・サンドイッチ・ウィークなども存在しています。
おしゃれなカフェで並んでいたクリーミーでこく深い味わいブリーチーズがたっぷり挟まれたサンドイッチ。ちなみにイギリス英語では「持ち帰り」は「Take away」。反対に店内で飲食する場合は「Eat in」と言います。