「中年の危機」という意味を持つ言葉に、「ミッドライフクライシス」があります。50代を過ぎると定年退職が訪れたり、成長した子供達が巣立っていったりと、長年エネルギーを注ぎ続けたことがなくなります。それまでとは生活環境が大きく変わることにより、精神的な葛藤や無気力が生じるというものです。
中年以降の男性と女性の違いとは
年齢を重ねて中年を迎え、子育てが終了しても、多くの女性には家事で生活を支え続ける……という役割があります。しかし男性は、仕事一辺倒であった人ほど、退職をすると何もすることがなくなるようです。当然のように家事にも疎く、昔の友人知人とも疎遠になっていて、毎日うちでネットやテレビを観るなど、ダラダラ過ごす……という生活パターンに陥りがちです。
年齢を重ねるごとに頭が固くなり、特に男性はプライドが高くなります。そのため中年男性は、バイトやボランティア、習い事に対して、「若い者に頭を下げて、教わりたくない」などという理由から、新しく何かを始めることにも消極的です。結果的に、まともに会話を交わせるのは、奥様しかいなくなる……という、「濡れ落ち葉」の状態に陥りやすいのです。
多くの中年女性は、夫がうちにいることを嫌がる
私の周りには、50代以上の既婚女性が多くいます。彼女達の話を聞くと、ほぼ全員が、旦那様がうちにいるのを嫌がっています。
旦那様が仕事をして長時間うちを空けているときは、自由にのびのびと過ごせる時間がたくさんありました。それが定年退職してずっとうちにいる……ということになると、常に気を遣わなければならず、昼食を作る手間も増えて、羽根を伸ばせる時間がまったくなくなります。なかには精神を病み入院した女性がいた、という話も耳にします。
基本的に男性より女性の方が社交的ですから、旦那様が働いている時期に趣味や遊びを楽しみ、友人知人を多くつくっている場合が多いでしょう。旦那様が定年退職後は、友人知人と出かける機会をさらに増やし、できるだけうちにいる時間を減らす……という苦肉の策を取る人もいるようです。
若い頃は体力もあり、肌艶も綺麗で見た目も爽やかですが、誰もが年齢を重ねるごとに体力が落ちて肌艶も薄れ、老化してきたことを感じます。新婚の頃は若い相手を見てときめいても、中年以上になると、そうした気持ちもほとんどなくなります。
そのため、うちでゴロゴロしている年老いた旦那様の世話を焼きつつ、何故一緒にいるのか分からない……と、疎ましく思う女性も多いでしょう。奥様から「なるべく外に行って欲しい」と言われているのか、図書館や施設のベンチ、長居できる安いカフェでは、毎日多くの中高年男性が独りでポツンと過ごしています。色々な事情があるのでしょうが、せっかく元気に生きているのに無駄に時間つぶしをするしかない状況を見ると、残念に思います。
奥様から疎まれない中高年男性になるために
中高年になっても疎まれない男性になるには、何を心がければいいでしょうか。以下に、その案をピックアップしてみます。
1. 習い事やボランティアなど、定期的に出かける場をつくる。
2. 積極的に友人知人をつくり、外で会って話す時間を増やす。
3. アウトドアでもインドアでも、熱中できる趣味を見つける。
4. ジムに通ったりウォーキングをしたりと、毎日軽い運動をする。
5. 読書や映画鑑賞、ライブ鑑賞などで、感性を磨く。
外で社交的に過ごしていたり、何か好きなことに熱中していたりする人は、いくつになっても魅力的です。奥様にベッタリするだけではしんどく思われますから、できるだけ奥様とは別世界を持つ方がいいのです。
これらは定年後にいきなりやろうと思っても、簡単にできることではありません。できるだけ若いうちから、仕事一辺倒ではなく、好奇心を持ち視野を広げて過ごすことが大切だと考えます。いくつになっても魅力的な人物でいることを、目指していきましょう!
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