「暑熱順化」を獲得して、暑さに強くなる！～元気に夏を乗り切れる自分に変わっていこう～

地球温暖化の影響で、年々確実に気温は上昇し続けています。
特にここ数年は、気温上昇に加速がついているように感じられます。

残念ながら、これから先も確実に、気温は上昇し続けていくでしょう。

そうした中で、猛暑の期間はエアコンの使用が欠かせなくなりました。
冬の寒さであれば、エアコンがなくてもストーブを焚いたりたくさん着込んだりと、対処の方法はいくつもありますね。
もともと人類は長い年月、暑さよりも寒さの方に苦しめられてきたのです。

しかし、ここ最近の異常な猛暑に関しては、エアコンのみが命綱のようになっている……という、大変嘆かわしい状況になっています。
もし停電にでもなってしまったら、本当に大変なことになりますね。

すっかりエアコンに頼り切り、過剰に使っている人も多いように感じられます。
冷房でキンキンに冷やした部屋で熱い物を食べたり、厚い布団をかぶって寝たりすることは、エネルギーの無駄であると言わざるを得ません。
たくさんの人がそのように過剰に電気を使えば、温暖化のスピードはさらに加速する……という悪循環に陥るのです。

本来は、夏は暑い中で過ごすことが当たり前なのです。
私が子供の頃は、真夏の最高気温は30度程度で、一般家庭に冷房は普及していませんでした。扇風機だけを使い、汗をかきながら家族でかき氷やスイカを食べた思い出があります。

適度に鍛えることで、暑さに強い体になれる

今は危険な暑さなのですから、もちろん熱中症には十分に注意しなければなりません。
しかし、まだ高齢ではなく元気なのであれば、人間の体は予想以上に鍛えることができます。
筋力を鍛えるだけではなく、暑さに慣れて、暑さに強い体作りができるのです。

人間の体が暑さに慣れ、暑さに強くなることを、「暑熱順化」と呼びます。

暑くなってから一週間程度が過ぎると、人間の体は次第に暑さに慣れてきます。
まず、汗腺が鍛えられて、汗をかきやすくなります。それほど高温ではなくても、すぐに汗が出るようになるのです。
そのため、素早く体温の上昇を防ぐことができて、心拍数も上がりにくくなります。
それと同時に、ミネラルを体外に出にくくなるようです。
少しくらい暑くても、熱中症にかかりにくい体質が出来上がってくるのです。

冷房で強く冷やした部屋の中にこもってばかりいたら、ほんの少し外に出ただけでも、熱中症にかかるリスクが高くなります。
体が暑さに慣れていないため、体がすぐに暑さに対応できず、思うように体温調整ができなくなるためです。
流れる汗の量も少ないため、その分汗の臭いが強くなり、それが体臭になる心配もあります。
逆にたくさん汗をかく人は、汗がサラサラしているため、意外と汗臭くならないのです。

テレビでは、やたらと大げさに「熱中症に注意！」「どんどん冷房を使いましょう！」などと報道し続けています。
それを見た人たちが、ますます冷えた部屋の中にこもるようになり、熱中症にかかりやすい体質になる……という、悪循環に陥っているようです。

もちろん、体力のない人や高齢者は決して無理をせずに、十分に暑さ対策を行う必要があります。
しかしまだ若く、ある程度元気でしたら、できるだけ普段から汗をかくように心がけましょう。