ネガティブな感情は、何故ダメなの?~精神と健康という、現実的側面から考える~

ネガティブ

スピリチュアルの世界では、ネガティブな感情を持つとそれが引き寄せとなり、さらにネガティブになる状況を寄せつける……と、いわれていますね。

それが本当かどうかは別として、ネガティブな感情を持つとどうなるのかということを、スピリチュアルとは別の観点から考えてみましょう。

最もわかりやすいのは、目に見えるものへの影響、すなわち健康状態にどのような影響を及ぼすのか……ということです。

ネガティブな感情には、怒り、不安、恐怖、悲しみ、恨みなどがあります。
そして人間の感情には、脳内物質というホルモンが強く影響しています。

 

ネガティブな感情はセロトニンを減少させる

幸福感を味わうと出てくるホルモンは、主にドーパミン、セロトニン、オキシトシンです。
ドーパミンは「わー、嬉しい!」という高揚感を促しますが、脳内に長く留まらないため、興奮するような喜びの感情は、長く続きません。

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それに比べるとセロトニン、オキシトシンは比較的長く留まります。
オキシトシンは幸せホルモンと呼ばれ、愛情深くなり魅力がアップする効果があります。
そしてセロトニンは、 精神の安定と幸福感だけではなく、消化や体温調節など、健康面でも様々な役割を持っています。

悲しみや落ち込み、怒りの感情を持つと、脳内のセロトニンが減少します。
セロトニンが不足している状態が長く続くと、うつ病や不安症、パニック障害に陥る可能性が高くなります。そして記憶力の低下など、認知力の衰えにもつながります。
慢性的な疲労感を生じることもあり、最近の研究では、消化にも影響を及ぼすことが分かってきているようです。

また、怒りの感情が健康を蝕むことも有名です。
怒るとアドレナリンというホルモンが脳内に分泌され、交感神経が興奮し、戦闘モードに入ります。
それが長く続くことにより、心臓病や脳卒中、高血圧、睡眠障害を引き起こしやすくなるのです。

このように、ネガティブな感情を持つことでセロトニンが減り、それによってますます不快な感情を持ちやすくなり、結果的に体調を崩すことにまで発展してしまうのです。

 

特に、早くネガティブな感情から離れた方がいい人とは

ときには「ネガティブな感情を持ってもいいんですよ!」と強調する人もいるようですが、それは、ネガティブな感情を抑え込まず、早く発散させるためだと思われます。

そうすることで、できるだけ早く自分の中から重い感情を消し去り、結局はネガティブな感情を持たないようにする……ということなのでしょう。
この言葉を、「いつまでもネガティブな気持ちでいても、いいんですよ」という、全面肯定として捉えてしまうと危険です。

例えば大切な人を失ってしまったなど、そう簡単に悲しみの世界から抜け出せない人もいるでしょう。それでも頭の片隅で、「ネガティブな感情は健康的にも好ましくない」ということがわかっているだけでも、違ってくると思います。

早めに改善を心がけたいのは、悲劇のヒロインやヒーローに、自ら浸ってしまっている場合です。

自分を悲劇の主人公に置くことで、気が楽になることもあるでしょう。
また、グチグチと現状を嘆くことで肩の力が抜けて、気が休まる場合もあると思います。私自身も、昔はそのような傾向がありました。

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それでも確実にセロトニンは減少し、自分自身の精神や健康を蝕んでいくのです。
ですから「このままでいい」と思わず、どこかで切り替えていくことが必要です。

 

幸福のホルモンを増やす生活を

もともと人間は、危険を察知して回避するという本能から、ネガティブな感情を持ちやすくなっています。ですから、「今すぐポジティブになりましょう」と言われても、できませんよね。

それでも精神や健康を害さないよう、まずはセロトニンオキシトシンを増やす生活を心がけてみてはいかがでしょうか。

脳内のセロトニンを増やす方法

● 1日15分間は日光を浴びるようにする。
●早寝早起きをして、朝食をゆっくりと噛んで食べる。
● 豆製品や乳製品など、セロトニンを生成しやすくする食品を摂取する。

脳内のオキシトシンを増やす方法

● 親しい人と握手やハグでスキンシップをして、感情を分かち合う。
● 好きな人や憧れの人のことを、見たり考えたりする。
●ゆっくりと入浴して、リラックスする。

セロトニンとオキシトシンは、森や林を歩くなど自然と触れ合っても、大量に分泌されるそうです。

 

少しずつでも気持ちを上向きにして

ネガティブな感情は、ネガティブな出来事を引き寄せる……というスピリチュアルの世界でいわれることは、決して気のせいではないと言えるのですね。

しかし、無理やりネガティブな感情を捨てようとしても、難しいことでしょう。
ですから、まずは脳の中に良いホルモンを増やして、少しずつポジティブな思考を育て上げていくことをお勧めします。

 

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