マウントシャスタのプルートケイブで生まれる体験を〜ネイティブアメリカンの聖地にて

マウントシャスタのプルートケイブで生まれる体験を

日本からも多くの人が訪れるスピリチュアルスポットとして有名な、北カリフォルニアに位置するマウントシャスタ。
しかし、マウントシャスタにはこれまで何度も訪れていながら、どうしてもプルートケイブには行く気がなかった私。

しかし、天候事情でシャスタ山に登ることができなかった為、別プランでプルートケイブに行くことに。

正直、「うわ〜……行くのかあ……嫌だなあ」と思いつつ、家族は洞窟探検だ〜! と乗り気。多数決でプルートケイブ行きが決定。

プルートケイブは19万年前のシャスタ山の噴火により溶岩が固まってできた洞窟。
そしてネイティブアメリカンの聖地とされ、ここで儀式や出産などが行われていたそう。

マウントシャスタ

 

プルートケイブは駐車場から歩いて10分〜15分ほど。

大人だけならもっと早く到着できるかもしれません。
そして、洞窟の穴を発見。
上から見下ろすと左右2カ所あります。
しかしここで気をつけたいのが、インターネット上に出ている洞窟の天井穴からの光が差し込む写真が撮れるのは上から見下ろした時に右側にある洞窟です。

まず、左側の洞窟へ。
さほど奥まっておらず、すぐに探検終了。
しかし、右側の方にある洞窟が、真っ暗。
天気が良い日中なら奥まで日が差し込むのでしょうが、あいにく曇り空のため、奥が全く見えない。
洞窟周りには誰もいないし、洞窟に入るところも、木々が枯れていてまるで幽霊屋敷への入り口のようにもの寂しい。
真っ暗な穴に吸い込まれていくような怖さ。

洞窟の入り口には落書きもあって、なんだかすごく私は嫌な気分になった。
仮にもネイティブアメリカンの聖地だというのに、なにやってんだ、リスペクトしてよ! って心の中で叫んだ。

日本では、神社の御神体が木や岩、山だったりするので、神様が祀られているその場所を汚すようなことしない。
自然を敬うってこと知らないの? と、とにかく気が乗らないから何かにつけ理由を並べて奥に進んで行かないことの正当化を自分の中でしていた。

家族はヘッドライトをつけ、ずんずん入っていく。
え? 怖くないの? 怖くないどころか、未知なる探検気分だったらしい。
私は途中から足が進まなかったが、待ってるわけにいかず。
ずっと向こうの暗闇から人の声が聞こえる。
誰かいる! ってことはまだこの岩山の中進めるんだ! よくインターネット上で見かける洞窟から空が見える写真はどこ? 見たらさっさと帰りたい! と意を決して家族の後ろをついていく。
少しずつだけど、暗闇の中で目が慣れていく。

先に洞窟にいた人たちとすれ違ってさらに奥へ。
やっと見つけたー! 周りには誰もいない。私たち家族だけ。
しんと静まりかえり漆黒の暗闇と、その先の光になんとも言えない神秘的な感覚。
誰も言葉を発せず、ただその場所の空気の中に佇む。

しばらくこの場所から空を眺め、しばし瞑想。
そして洞窟の入り口に戻ることに。

マウントシャスタ

なぜか帰りは洞窟の中は真っ暗なのに、その向こうに見える光に言い表せないような期待感というのか、高揚とした気分に。

プルートケイブは地球の子宮とも呼ばれ、ここから出る時に生まれる体験、生まれ変わるような感覚を持つとも言われているが、ゴツゴツした岩をよいしょよいしょと超えながら、なんだか生まれるための過程の一つのように感じられ、洞窟に着いた時の入りたくない、怖いという気持ちがいつの間にか消え去り、もう少し、もう少しと光に向かっていく自分がいました。

これが私の生まれる擬似体験だとするなら、生まれることへの恐怖心がまず先立っていたのに、暗闇にずんずん入っていく家族は出産へのワクワク感勝っていたのかもしれない。
出産時の赤ちゃんはどんなことを思ってこの世界へ出てくるのだろう。
真っ暗な母親の子宮から光の世界へ。
徐々に入り口の光が大きくなってきて、そんな時、ふと自身の出産体験を思い出した。
我が子は光を目指して少しずつ進んできたのかなあ……なんて。

外は曇り空なのに、光が眩しい。
プルートケイブには19万年の歴史があり、この場所には様々なエネルギーや感情が残っているところ。

一体どれだけの人間がここを行き交ったのでしょう。
そんな古に想いを馳せながらプルートケイブを後にしました。

 

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