化学物質過敏症・電磁波過敏症から考える心の力と呪い

国民病ともいえる「花粉症」に代表される「アレルギー症状」。その中でも、諸説があり未だにはっきりとした病気として認めていいのかが議論されている「過敏症」とは何なのでしょう?

【過敏症について知っていますか?】

「過敏症」とは普通は反応を示さないぐらいの「弱い刺激」でも、鋭敏に反応してなんらかの症状を呈することを示しています。この中にはすでに国民病ともいえる「花粉症」のような「アレルギー」も含まれます。

他にも「特異体質やアナフィラキシー」なども入るので、その症状は多種多様であり、共通するのは普通では気にならないようなことが、肉体に影響を与えるという点でしょう。

 

【化学物質過敏症とは?】

その中でも、諸説があり未だにはっきりとした病気として認めていいのかが議論されているものが、「化学物質過敏症」と「電磁波過敏症」です。化学物質過敏症は「1950年代にアメリカの医師によって提唱されたもの」です。簡単にいってしまうと、微量の化学物質や薬物で健康被害がおこるというものです。

こちらは、2009年から日本でも「化学物質過敏症」という名前が正式に認められていますが、厳密にいうと、微量の化学物質だけに反応しているという研究の結果はほとんど出ていません。しかしながら、1980年代に「多種化学物質過敏状態」というものが提唱されました。

これは、慢性的に大量の化学物質にさらされたことによって、その後、微量の化学物質にも反応してしまうというものです。この概念を「北里研究所病院」が導入したことで、こちらが化学物質過敏症として定義されたようです。

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【電磁波過敏症とは?】

一方、電磁波過敏症はさらに新しく、「1980年代」に報告されたのが最初だといわれています。こちらは名前の通り、電磁波に反応して身体的な症状がでるというものであり、携帯電話をはじめとして、空間に多量の電磁波が飛び交う現代らしい症状といえます。

こちらに関しては、まだ「医学的にははっきりと認められていません」。ある程度種類の特定がしやすい化学物質に比べて、電磁波過敏症の患者が訴える電磁波が、あまりにも幅広いことや、「二重盲検法によるテストに成功した例がほとんどない」というのが要因です。

電磁波過敏症の患者は、送電線や電磁調理器、携帯電話などの影響を受けると訴えるケースが多いのですが、これらは、大きくまとめると確かに電磁波を発生しているわけですが、周波数はまったく違い、その作用も違うものです。また、二重盲検法をクリア出来ないことからもわかるように、ほとんどの電磁波過敏症の患者は、「自分の見えないところで操作された電磁波を感知する事ができない」こともわかっています。

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このことから、「世界保健機関(WHO)」は電磁波過敏症について、「医学的診断基準はなく、その症状が電磁界曝露と関連するような科学的根拠はない」としている一方で、電磁波の影響だと信じてなんらかの肉体的影響を受けている人たちがいることを認めています。