人を支配してしまうほうどの強烈なエネルギー、クンダリーニが封印されているのには理由がある~白山大地の「毎日がスピリチュアル」第一回

今年(2018年)7月、麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚他幹部らの刑執行が行われました。これでオウム真理教事件は、また一つ大きな節目を迎えたといえるでしょう。

この事件は、カルト教団が起こした特殊な事件として終わろうとしていますが、スピリチュアルの世界に生きる私たちにとっては、多くのことを学ぶ機会でもあったのです。

オウム真理教の特異な点の一つに、物理学者や医師などの理系の人間が、多くいたことが挙げられます。
実は、それがサリン製造にもつながっていくのですが、なぜ高度な科学を学んできた彼らが、このような団体に所属し続けていたのでしょうか。

 

その理由は簡単に推測できます。

それは、彼らが修行と称する活動のなかで、科学では説明のつかない、超常現象を体験したからです。
科学では解けない未知の体験にはまり、もっとそれを追求したいと思ったのです。
科学者として有能であるほどそう思うでしょう。

事件後も一部の信者は残り、名前を変えて教団が存続しているのもここに理由があると思われます。
週刊誌に掲載された彼らの手記を読むと、彼らは、クンダリーニを挙げてしまったようです。
クンダリーニとは、尾てい骨の第一チャクラのところに封印されているという、とぐろを巻いた蛇(インドでは、シャクティ女神ともいわれている)のことです。
生命エネルギーの源だという人もいます。

このクンダリーニが覚醒し、鎌首を持ち上げ、頭頂にある第一チャクラまで上がっていくと、すべてのチャクラが開くといいます。
チャクラが開けばいわゆる超能力が発揮できるのです。
もっともチャクラは誰もが多少は開いていて、それゆえに生きていられるそうですが。

彼らがどこまで上げたのかはわかりませんが、麻原元死刑囚は足を組んだまま数十センチほど飛び上がることができました。
雑誌にその時の写真が掲載されています。
きっと他の弟子たちも同じなのでしょう。
もちろん、それがどうしたという意見もあるに違いありません。
足を元に戻せばだれでも飛び上がることができますから。

 

ところが、理系の人間は違います。

身体に感じる変化と物理的な空中浮揚は、これまでの科学では説明できない出来事として、衝撃を与えたはずです。

クンダリーニは、どうして封印されたままになっているのでしょうか。
それは、蛇のエネルギーは強烈で、人はそれに支配されてしまうからです。

人は、誰にでも欲望、保身の気持ちがあります。
これを律するだけの強い精神力を養っていればいいのですが、そうでなければ、己の醜い欲望を解放してしまうのです。
クンダリーニはもろ刃の刃なのです。

きっと彼らは慢心し、自分たちは特別な人間だと勘違いしてしまった。
その結果が、一連の事件を生んだといえるでしょう。

クンダリーニは、日常生活においてきちんと修練を積むことができたら、時が来たときに、神が挙げてくださいます。
特別なヨガポーズや瞑想などは必要ありません。
鏡に向かってお化粧をしているとき、のんびりと湯船につかっている時間、それらが瞑想タイムです。

もちろん、健康を目的としたヨガは大いにお薦めします。
そもそもこの地球でヒトとして生きていくこと自体が修行だといえるでしょう。
肉体という制約を受け、自分の思い通りにはいかないのが人生だからです。
幸せに暮らし、日々、安寧に生きていくことができれば、立派な修験者です。

イライラする自分を見つめ、怒りを収めることが修行の一つです。
日常生活から離れ、単に超能力を求める危うさを、オウム真理教事件が教えてくれているのです。