虐待とは何かを知る〜 繰り返されないために、できること

児童虐待のニュースが後を絶たず、
心を痛めている方も多いかと思います。

それと同時に、
自分が子供の頃に
親から受けた仕打ちを思い出して、
辛い思いをしている人もいるかも知れません。

私たち自身、
虐待について知っているようで、
知らないことも多いように思います。

虐待をする人の中には
自分が子供の頃、
虐待を受けていたというケースもあります。

本当なら、一番辛い思いをしてきたはずなのに、なぜ繰り返してしまうのか。
少し紐解いてみます。

 

虐待に当たる主な行為とは?

1.身体的暴力
2.言葉による暴力
3.無視する
4.家の外に一人で放り出される
5.夫婦間のDVを子供に見せる、聞かせる
6.無言の圧力、大きな物音など

1と2は殴る、蹴るなどの身体的暴力、言葉で子供の自尊心をひどく傷つける行為、大声を出して怖がらせる、脅す、など。

3.は子供の言うことを無視したり、
子供の存在自体を無視するような行為。

子供が何かしてもスルーし続けたり、子供にとって『まるで自分がいないように扱われる』など。

4.幼い子供を家の外に追い出すのも虐待に相当します。
子供は一人で生きていけません。
その子供が家の外に一人で放り出されると言うことは、子供にとって『生きていけない恐怖』にも結びつきます。

5.実際にはDVを受けているのが母親(父親)であっても、子供はその親が怯えている姿を見ることで心に恐怖を植えつけられ、自分が暴力を受けているのと同じように感じます。

6.子供は色々なものから情報をキャッチしています。
親が物に当たり散らして大きな音を立てたりするのも、小さな子供にとっては怖いもの。

大きな音そのものが怖くなったり、親を怒らせないよう、子供の口数が減り、静かになったりします。

また、怒りを込めた大きなため息をつく、冷たく睨んで無言の圧力を与えるなど、言葉にしなくとも、親の行為、声のトーン、目つきや表情そのものがトラウマとなって子供の心に残ることもあります。

 

虐待される側から、する側への心理

幼少期に虐待を受けていたことが、大人になっても自分の中で癒えていない場合、普段はそれが隠れていても、何かしら原因となる事柄がきっかけとなって、自分の中の恐怖や怒りが蘇ることがあります。

そしてそれらを感じないために
暴力を振るう、虐待するなどが起こり得ます。

中には本人ですら、その『本当の原因』に気づきにくいことも多々あります。

例えば、ある女性が小さい頃、なかなかおねしょが治らず、お母さんが激怒します。そのうちお母さんは黙って冷たい視線で女の子を睨むように。するとますます緊張して、おねしょをしてしまう。最後は暗い物置に閉じ込められ、ひどく怖くて泣いてしまう。そんなことが何度も起こりました。

女の子は成長するうちに、そのこともすっかり忘れ、結婚して子供が生まれます。

すると今度は自分の子供のおねしょが治らない。何度も何度もやってしまう。その姿を見ているうちに、無意識下にある自分の記憶、当時感じていた恐怖が刺激され、女性は子供に激昂して、手を上げてしまう。

でも女性は自分のおねしょのことを覚えてないので、自分がどうしてこんなに子供にイライラするのかわからない。

そのような『何かしらのきっかけ』が発動した場合、子供の時の非力な自分を感じたくない、思い出したくないという恐れが生じます。

自分がその恐れを感じずに済むために、やられる前にやれ! という心理が働くほか、暴力を振るったり、子供を威圧することで自分のパワーを感じられるという報酬(メリット)があると、それを繰り返しやすくなります。

また、妻や子供の怯える姿に、子供の頃DVをされていた母親と自分の姿が重なり、今は自分が虐待してるにも関わらず、思い出したくない過去を目の前で見せられ、より一層逆上して暴力がエスカレートしてしまう人もいます。

虐待している本人は自分の中で何が起きているか、気づいていないことが大半です。

 

自分の親がロールモデル

幼少期に虐待を受けていたが、自分は絶対に繰り返さないと強く心に思う人がいる一方、特に思い当たる原因がなくても、ついつい子供にキツく当たったり、叩いてしまい、罪悪感を感じる親御さんもいます。

とあるお母さんが、子供に対して反射的に手を上げてしまうことに気づいた際、自分の母親に「私の子供の頃はどうだった?」と聞いたら、小さい時はしょっちゅう叩いてたわよと言われ、自分が無意識のうちに親と同じことをしていると気づいた、という話もあります。

家事も子育ても頑張っていた『立派な母親』を持つ女性の場合、お母さんと同じようにできない自分を責めてしまうことがあります。

その自責の念から子供にキツく当たってしまうこともあるので、この場合は『完璧な母親』を目指さないことが、自分を緩めるカギとなります。

私たちは無意識のうちに自分の親をロールモデル(見本、お手本)としているので、子供の時、親は自分にどう接していたか、自分の親がどういうしつけを自分にしていたのかを思い出すと、何か気づくことがありそうです。

 

お母さんの心のケアが必須

ここに書いたことは
あくまでも一部。
一言で虐待といっても、
その原因は様々かと思います。

いずれにせよ、
幼い子供にとって一番影響が大きいのがお母さんです。

だからこそ
お母さんの心の状態、
精神的なケアが
本当に大切になります。

虐待は知識だけでは解決しません。
でも、私たち自身が何かしら知識や情報を持つことで「もしかしたら」と、気づくきっかけになるかもしれません。

最近では書籍のほか、インターネット上のブログ記事など、以前よりも情報に手が届きやすくなりました。

何かしら心のケアが必要と感じる場合、お母さんが自分のインナーチャイルドを癒すなども役に立ちます。

その際、本やCD 音声でのワークもいいのですが、できればカウンセラーやセラピストなど専門家の助けを借りることをお勧めします。

話を聞いてもらうことでストレス解放に繋がったり、新しい情報や考え方を得られたり、
自分では気付けなかった深い部分に気づいたり。

普段、頑張りすぎている方や一人で抱え込んでしまう方には特にオススメです。

dahlia

ブログ”spiritual treasure hunter”
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