年末の風物詩に参加して福をかき集めよう! 酉の市の由来とは?

酉の市の名物といえば「熊手」。「鳥なのに熊手?」と思うかも知れませんが、こちらは文字通りの「熊の手」ではなく、「鷲の爪を表現したもの」だといわれています。

【鳥なのに熊手?】

さて、そんな酉の市の名物といえば「熊手」。「鳥なのに熊手?」と思うかも知れませんが、こちらは文字通りの「熊の手」ではなく、「鷲の爪を表現したもの」だといわれています。「獲物をしっかりと捕らえて放さないように、福をしっかりとつかむ」という意味をもった縁起物ですが、その買い方にもある程度の作法があるとされています。

酉の市

【熊手を買う時の作法】

酉の市といえば、テレビなどでよく「手締め」と呼ばれる、威勢の良いかけ声と共に拍子木などを叩く様子が流れていますが、あれは熊手売りの人たちが「ご祝儀」を貰った時に行われるものです。このご祝儀というのも、ちょっと独特であり、「買う側と売る側が交渉して、値下げをして貰ったらその分をご祝儀として渡す」というルールがあります。結局は定価で買うわけですが、そのあたりが「粋」だとされていたわけです。

最近では、こういったルールを知っている人も少なくなっているために、普通に買うだけでも手締めをしてくれたりするところもあるようですが、せっかくですので、江戸時代の粋を楽しんでみるのもいいかもしれません。また、熊手の大きさについても、「最初から大きなものを買うのではなく、毎年少しずつ大きくすることで、どんどんと福を呼び込むことが出来るようになる」とも言われていますので、今年始めて酉の市にいってみようという方は、そのあたりも注意してみるといいかもしれません。

 

【今年は火事が多くなる?】

言い伝えといえば、今年は三の酉まであるのですが、三の酉まである年は「火事が多い」といわれています。特に根拠があるわけではないのですが、熊手の由来として、鷲の爪を模したというだけでなく、「日本武尊が燃えさかる火の手から逃れるために、武器として持っていた熊手を使った」というものもあり、「火難よけとしての効能もある」とされていますので、そのあたりとも関係があるのかもしれません。ですので、三の酉まであるときは、熊手に火難よけのお札が貼られるところもあるそうです。

ちなみに、火事が多いという理由にはちょっと変わった由来も存在しています。それは、酉の市が開かれている場所が、吉原の近くにあり、この日は吉原が解放されていたことから、「旦那がたびたび吉原に足を運んでしまうので、妻が怒る」からというもの。つまり、嫉妬の炎、怒りの炎に注意ということで、「火事が多い」としたわけです。

神社やお寺で行われていることから、神秘的な由来がありそうなイメージがありますが、比較的俗っぽい感じも多い酉の市。だからこそ、福を引き寄せる力は強いのかもしれません。師走を前に福を集めて、今年を力強く乗り切るためにも、お近くの神社やお寺に足を運んで熊手をゲットしてみませんか?

 

End-of-year tradition.
The secret of the “Cock Fair” and “rake”.