年末の風物詩に参加して福をかき集めよう! 酉の市の由来とは?

酉の市の名物といえば「熊手」。「鳥なのに熊手?」と思うかも知れませんが、こちらは文字通りの「熊の手」ではなく、「鷲の爪を表現したもの」だといわれています。

【開催が迫ってきた年末の風物詩】

年末の風物詩のひとつとしてあげられる「酉の市」。関東地方で盛んな行事ですが、最近では関西で行われるところも増えてきたようです。この行事は「酉の日」に行われることから、その名前がついていますが、現在の太陽暦ではなく、旧暦で行われるために、年によって開催日が変わってきます。ちなみに、今年の酉の市は「11月5日(木)、17日(火)、29日(日)」の3回となります。

 

【酉の市の元祖は?】

酉の市がはじまった理由には諸説ありますが、そもそもは秋の実りに感謝する「収穫祭」だったのではないかといわれています。江戸時代に「花又村」というところにあった「鷲大明神」の収穫祭で「鶏を奉納した」のだそうです。この神社は現在は東京都足立区にある「大鷲神社」であり、こちらが元祖だといわれています。

その賑わいが各地に伝わり、同じご祭神を持つ各地の「大鳥神社」「鷲神社」でも酉の市が行われるようになりました。そういったこともあり、ご祭神である「日本武尊」が戦勝祈願を行った日が酉の日だった、または、日本武尊が亡くなったのが酉の日であるなどという由来も加わっていったようです。

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【神社に続いてお寺もブームにのる】

さらには、本来は関係なかったはずのお寺も酉の市に参加するために、由来を考え出します。それは「11月の酉の日に日蓮上人が国家平穏を祈ったところ、鷲妙見大菩薩が現れた」というもの。こちらは、北斗七星の中でも破軍星の化身とされる神様であり、鷲に乗った姿で現れることから、酉の市と結びつけやすかったのでしょう。

元々、感謝祭だったものが、そのお祭り自体が有名になり、さまざまな勢力が参加してくるというのは、なんだか現代のハロウィンを見ているようですが、神社やお寺は昔は人々が集まる場でもあったので、こういったイベントを積極的に取り込むのは当然だったのです。