■病気予防のコツ~その5~『もって生まれた気質を理解する:あなたはどの気質? アーユルヴェーダによる七つの体質<5>』〜インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』VOL.41

強気であったかと思えばガラスのハートのようなもろさも兼ね揃えているこのヴァータ/ピッタタイプの人たちは、常に自分自身をいたわれるようなライフスタイルを保つことがとても役立ちます。

さて今回から、二つのドーシャが組み合わされた二重タイプについてお伝えしていきたいと思いますが、実はこれまでご紹介してきたドーシャの純粋な単体タイプというのはかなりまれで、圧倒的に多いのがこの二重のタイプといわれています。

今回はそのひとつめ、ヴァータとピッタの二重タイプです。

 

■ヴァータ/ピッタの二重タイプ

(ヴァータとピッタドーシャの質が組み合わされたタイプ):

このタイプは、ヴァータの「空気」要素とピッタの「火」要素が組み合わされた体質のタイプです。

バランスがとれているときのマインドの状態は、ヴァータとピッタそれぞれ両方のいい面が引き出され、オリジナリティ溢れる独特の発想をもちながらも同時に、ピッタの論理的思考をも持ち合わせています。

また、純粋なピッタタイプよりも社交的で軽やかさがあり、純粋なヴァータタイプよりも実践的で辛抱強く、実践的です。このため、創造性を実際に形に出来る力があります。

この軽やかでありながら強烈でもある気質が、適切な方向に向かえば、集中的な自己開発が見られるのがこのタイプの特徴とされています。

健康面では、純粋なヴァータタイプよりも病気に強さがありますが、純粋なピッタタイプよりは病気への抵抗力はありません。
また、強い消化力があったかと思えば、消化不良による腸内ガスや栄養の吸収不良、または下痢になりがちな傾向があり、食べることは大好きですが、大きな食事を消化できないことがあります。

バランスをくずしている時は、ヴァータとピッタの両方の病気の餌食になりやすく、突然予期不可能な変化が表れる特徴があるのがこのタイプ。

精神面では、恐れと怒りが予測しがたい方法で混ざり合あい、そのストレスへの反応として、恐れとなって表れない場合は怒りとなって表れます。野心的になったかと思えば急に守りに入ったり、自己正当化したかと思えば、他人を批判し始めたりするなど、急に変化します。また、疑いをもち始めると守りに入る傾向があり、人を信頼することがなかなか難しいタイプの人たちともいわれています。

アボカドはヴァータピッタタイプにとても有効

 

■このタイプの人たちが健全であるために:

強気であったかと思えばガラスのハートのようなもろさも兼ね揃えているこのヴァータ/ピッタタイプの人たちは、常に自分自身をいたわれるようなライフスタイルを保つことがとても役立ちます。

また、気質的にとても活動的で、不安定にもなりやすいので、生活の中に地に足をつかせるようなカファの要素(例:穏やかさを保ちつつ、毎日同じ日課を続ける)を取り入れると効果的です。

この気質にありがちな、何事も極端にやりすぎる事の無いようにバランスをとりましょう。

リンシードには胃腸浄化効果も

 

★カファを増やす食べ物で安定感を保つ

・「リンシード」

アーユルヴェーダでは、オメガ3脂肪酸が豊富なリンシード(フラックスシード、アマニ)は、『超過のヴァータを減らしてなだめ、消化の炎を減らすことなくピッタを落ち着かせ、カファを増やす』食べ物といわれ、このタイプの人たちにとても有効な食べ物のひとつです。煎ったものをご飯やパン、スープなどににふりかけて食べましょう。

・「穀物類」

米や小麦類は、カファを増やす効果があります。(ただ、体重が増えやすくなるので、ダイエット中の方はほどほどに……)

・「アボカド」

甘味があり、健康的な脂質がたっぷりと含まれ、冷却効果のあるアボカドは、ピッタの火をなだめ、ヴァータの乾燥を潤すカファ質の食べ物です。

「水分のたっぷり含まれたジューシーな果物全般」

甘味のある果物は、一般的にカファを増やして安定させる効果があります。

☆☆☆次回は、ピッタとカファの質が組み合わされた二重タイプについてお伝えしたいと思います。

 

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