■病気予防のコツ~その3~『もって生まれた気質を理解する:あなたはどの気質? アーユルヴェーダによる七つの体質<2>』〜インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』VOL.38

瞑想は、ヴァータに落ち着きをもたらしますが、絶え間なく座り続けるタイプの瞑想は、ヴァータの人にとっては実行が困難なので不向きです。

私たちひとりひとりの基本的な気質というものは、生まれるとき、一つの精子と卵子が結合する時に決定されるといわれ、この時の身体上の「空気」質の配列と組み合わせ、そして両親の体の「火」と「水」の質が、私たちの気質や体質に受け継がれるといわれています。

一般的には、「ヴァタ」「ピッタ」「カパ」「ヴァタ・ピッタ」「ピッタ・カパ」「ヴァタ・カパ」「ヴァタ・ピッタ・カパ」の七つのタイプの気質があります。

この気質は、梵語でプラクリティとよばれるもので、この言葉は「天性(特質)」「創造性(独創力)」または「最初の産物」を意味します。

この遺伝的に決定された基本的な気質は、生涯変わることがないとされますが、生涯を通じて、私たちの体の内部と外部からの環境の間には、絶え間ない相互作用があります。

このため、アーユルヴェーダにおける治癒の基本原理は、外部環境の変化に対して、その質を反転させる作用をもつ食事や習慣に改めることによって、その人に働く内部の力のバランスをとることと考えられています。

300400487

 

■『ヴァータ気質』:

ヴァータの人はとても創造的。
一番よいところは、頭の回転が速いことです。

機敏で理解力が早く、大胆ですが、「空気」要素の影響下にあるため、どうしても気分が落ち着かず、動き回ったり、貧乏ゆすりをしがち。忍耐力があまりなく、リラックスすることが難しいのが特徴です。

また、神経質で意志力が弱く、実際には存在しない問題にもときどき気をもみ、イライラをつのらせがちで、疑いが強く、自分自身について、病気が治るかどうかについて、はたまた病気が治るように人が自分を助けてくれるかどうかについても気をもみ、不安材料は留まるところを知りません。

また、アドバイスを受けることが大好きで、ドクターやセラピストの元を訪れ、治療がとても魅力的に見える最初のうちは興奮するものの、その興奮が長続きすることは残念ながら少なく、すぐに治療をやめたり、欲求不満に陥りがちに。(そして、アドバイスに忠実に従うことはめったにありません!)

自分自身への理解を深めることよりも、人からの同情心や注目を求めるのが好きで、過度に期待し、すぐに結果を欲しがる傾向があります。魔法のように癒してもらえることを期待しつつ、期待が外れるとがっかり気落ちし、他の別なセラピストを探して彷徨い続けることに……。

ヴァータの人たちの症状は、思考とともにときどき突然大きく変化することがあるのも特徴で、これは、軽はずみで気まぐれな行動や、簡単に注意散漫になることなどに現れ、常に不安定な状態であることが普通です。とにかく、心配やひっきりなしに揺れ動くマインドが特徴です。

この精神的な動揺状態は、やせ細り、歯軋り、不眠、便秘などのようなさまざまな身体的症状を引き起こします。

ストレス下のおいて、ヴァータがアンバランスの人は、狂乱状態になり、考えないで話し、不適切なコメントをしがちになります。

また、ヴィジョンを実際的な形にするまでに長く維持することがとても困難です。

……このタイプの人たちが健全であるためには、状況に対し、現実的になれるような努力が必要になります。

平和な心でゆっくりと安定した発展を目指すことが大事で、そのためには多大な時間と忍耐力がいりますが、頭で考えているだけよりも、行動を実際に起こし、そして、結果を見ることを急ぐことなく、日々、明確で一貫性のある日課を実行することが、とても役立ちます。

また、ヴァータがアンバランス状態の時は、冷たいものやサラダのような体を冷やす生のものはできるだけさけ、地に足を着かす効果のある温かくてなだめるような食べ物を食べることが、ヴァータ安定に繋がります。

ヴァータ緩和にいい、ジンジャーとシナモン

 

重たい、高品質の乳製品、米、ナッツ、温める効果のあるショウガやシナモン、そしてカルダモンなどのようなハーブには、ヴァータを落ち着かせる効果があります。

ポップコーンなどのように乾燥した軽い食べ物は、ヴァータドーシャを悪化させるといわれています。

また、運動を選ぶときにも考慮が必要です。ヴァータの人たちは大抵、マインドに行き詰りやすいため、内側を感じさせるような運動することが有効です。

一般的に、早いペースで行う運動やヨガのスタイルは、ヴァータを悪化させることがあり、一方、ゆったりとしたタイプのヨガやダンスは、ヴァータドーシャを落ち着かせ、ストレスを軽減させます。

瞑想は、ヴァータに落ち着きをもたらしますが、絶え間なく座り続けるタイプの瞑想は、ヴァータの人にとっては実行が困難なので不向きです。

瞑想中は、柔らかい音楽を流しながらすると効果的です。

また、緊張をなだめる効果のある温かいオイルでの全身マッサージや、寝る前のフットマッサージなどは、ヴァータのアンバランスを整える効果があります。

ポップコーンはヴァータを悪化させやすい

 

★★次回は、「ピッタ気質」についてお伝えしたいと思います。

 

《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
https://www.el-aura.com/writer/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3/?c=73188