病気になるかならないかは、自分次第?〜インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』Vol.32 

病気というものは、現れるまでに長い時間がかかり、ある朝起きてみたら突然がんになっていたり、糖尿になっていた。といったことは、ありえません。

病気の6つのステージ
~第一段階・ドーシャの蓄積~

ある朝、起きてみたらなんだか体調がすぐれない……。
数日経てば自然に治るだろう、と思い、いつものように生活します。
すると、数日経っても体調はすぐれないどころか、なんだか酷くなっているような気さえする……。

そんな時、私たちは病院へ行き、医者に不調を訴えますが、「あなたの体は正常です。どこも悪いところはないですよ。」と言われたことがある人は、一体どれだけいるでしょうか。おそらくかなりの数なのではないでしょうか。

もし私たちが、体から発せられる警告のサインに気づくことを学ぶことができるなら、アーユルヴェーダでは、西洋医学では見つけ出せない微妙な部分に対する答えを、授けてくれることがあります。

病気というものは、現れるまでに長い時間がかかり、ある朝起きてみたら突然がんになっていたり、糖尿になっていた。といったことは、ありえません。

もし病院で診察を受けて、病名を言われた時は、それは長い期間、場合によっては、数十年にわたって進行したものと考えられます。
そして、病気が体を損ない始める前に、病気の進行を反転させるためのチャンスをより多く得ることができます。

アーユルヴェーダでは、病気は6つの段階を経て起こり、ドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カファ)が体の中のある特定の組織に毒素となって蓄積されたときにはじまると考えられています。

身体組織は、

血漿(リンパ漿)、
血液、
筋肉、
脂肪、
骨、
神経系、
生殖組織

の7つがあり、この7つのうち、遺伝的に弱い部分や、何らかのトラウマによって損傷をうけ弱っている部分に、あるドーシャが毒素となって入り込む時、その部分に影響を与えて病気がはじまります。

今回は、この病気プロセスの第一段階にあたる、「蓄積」についてお伝えしたいと思います。

季節の変化も蓄積要因

 

●第一段階:「蓄積」

病気プロセスのはじまりです。季節や天候、食事、感情を含めた、さまざまな原因によって、ドーシャは消化管内にあるそれぞれの居場所(ヴァータは結腸、ピッタは小腸、カファは胃)に集まり始めます。

この段階はどちらかといえば、たいしたことがなく、まだかなり健康です。

ドーシャが形成されだすと、私たちの体に備わる知性は、その原因要素に対し反感を抱き、バランスを回復させるために反対の質のものへの切望を私たちに生じさせます。

例えば、三日間アイスクリームを食べ続け、胃にカファが形成されはじめたとなれば、アイスクリームをもっと食べたいという欲が自然になくなり、体は次に、カファを燃やして中和するような、唐辛子や他のスパイシーな食べ物を切望するようになります。このように体の知性は、不調の原因になっている要素が取り除かれるまで、私たちに直感としてメッセージを送り続けます。

このため、この直感に耳を傾けることができれば、それ以上の悪化は食い止められ、自然に元に戻どすことができます。

この段階を示すサインは、主に次のようなものとされています。

■ヴァータの蓄積サイン:
便秘、胃腸内のガス、腹部膨張、肌の乾燥、不安、疲れやすさ、不眠、温かいものが欲しくなる。

■ピッタの蓄積サイン:
腹部の痛みや強烈な空腹感、ヘソ周辺部分の熱、白目部分が黄色がかって変色している、濃い黄色の尿が出る、口の中が苦い、怒りを感じやすい、キャンディーや砂糖への渇望。

■カファ蓄積のサイン:
胃が重たくなる、食欲減退、重たい気分、虚脱感や無気力感、だるさ、倦怠感、顔や肌の青白さ。

 

アイスクリームはカファの素

 

さて、サインはありましたか?
このようなサインが現れていたとしても、体はまだまだ健康な状態といわれています。
サインに気づいたら、いつもよりも注意深く、直感(体の知性の声)に耳を傾けましょう。

★次回は、病気プロセスの第二段階といわれる「悪化」について、お伝えしたいと思います。

 

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