愛情ホルモン「オキシトシン」の効力。part.3 ~オキシトシンと浮気度の関係~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol. 149

アーユルヴェーダ

このところ、肌の上にオイルをぬり、美肌バクテリア(いつも美しい肌を保つための必須バクテリア)を保つことで得られるオキシトシンの効果をテーマにご紹介していますが、

今回はオキシトシンにまつわる面白い研究をご紹介したいと思います。

 

★オキシトシンがたっぷりあると、浮気しなくなる?

「ドイツのボン大学で実施された、美女による誘惑実験」

アメリカの科学雑誌「ジャーナルオブニューロサイエンス」で発表された、ドイツの大学で行われた「誘惑テストによるオキシトシンの測定研究」では、

婚約者や配偶者といった特定の女性のパートナー(お互いに信頼しあっている関係)がいる男性グループと、パートナーがいないシングルの男性グループを対象に、とても魅力的な女性が近づいて誘惑する、という実験が行われました。

この実験では、それぞれの男性が、その女性とどこまで距離を縮めたかが測定されました。

男性たちはまず、オキシトシンの経鼻スプレーを吸入させられ、そしてその45分後に、どこからともなく「とても美しい女性」が近づいてきます。

この女性はどんどん近づくという設定のもと、男性側はその女性との距離間に対して「理想的」と感じられた地点と、「少し不快」と感じられた地点についてそれぞれ尋ねられました。

アーユルヴェーダ

(三つのグナ(サットヴァ、ラジャス、タマス)を表したイラスト)

・実験結果

シングルの男性たちは女性をどこまでも近づけさせ、実際に女性の方へ動きはじめました。

一方、信頼しあうパートナーがいる男性たちは、どんどん近づいてくる女性に対して、一定の距離を保ち、快適さを感じなかったということです。

この研究でわかったことは、信頼関係が結ばれているとき、新しい美しい女性からのアプローチに対し、オキシトシンはその結合をさらに強化すること(女性が近づいてきたことに対する不快感がでたことから判明)がわかりました。

一方、シングルの男性たちは、美しい女性が近づいてくる前まで、絆が存在しなかったために、近づいてくる女性に対して快適に感じることがわかりました……。

このことから、オキシトシンは家族や友人、愛する人の間の信頼感を高める効果があり、健康的な一夫一妻の関係をサポートする効果があるのでは、ということです。

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私たちが普段、チョコレートやコーヒーから、あるいはちょっとした買い物などから得られる、瞬時のドーパミンによる喜びをもたらすものの残念な点は、

一定の喜びを得つづけるために、さらなる高いレベルの刺激が必要になってくることです。

この類の喜びは、ラジャス質のマインド(活動、情熱)から得られるものなので、最終的には物質の世界からの満足と喜びを見つけ続けるのがどんどん難しくなってしまうのです。

一方、オキシトシンは、信頼したとき、ハグしたとき、与えたとき、感謝したとき、触れたとき、そして他人との絆を深めれば深めるほど、たくさん産出される類のホルモンで、サットヴァ質のマインド(与えること、思いやること、愛すること。純粋性)から得られる喜びのため、長持ち度がバツグンです。

アーユルヴェーダ

(インドのごちそうターリー〈ややラジャス寄りな食べ物〉)

 

■自分で簡単にできる!

オキシトシンを増やすための「きまぐれ親切」のやり方

オキシトシンを自分で簡単に増やすためには、以下のような「きまぐれに親切にすること」が薦められています。

これは、オキシトシンを増やすために他者を「いい意味」で利用し、自分が幸せになりつつ、他者も幸せにできる方法でもあります。

できそうなものを、是非やってみてください。

*仕事仲間に対し、自分なりのやり方でちょっとだけ手助けする
*パートナーにフットマッサージをする
*テキストメッセージで、「あなたを気にかけてますよ(例:今度会うのを楽しみにしています etc)」コールを軽く送る
*1日1回、誰かをハグする(これは医者を遠ざけるほどの効力があるといわれています!)

受け取るよりも与えることの方に喜びを見出せる人は、自然にオキシトシン生産も高め安定です。
そんな人はきっと、この世で一番幸せな人に違いありません……。

ただ、私たちの住む世界は物質世界なので、ラジャス質マインドからの喜びと、サットヴァ質からの喜びのバランスが鍵なのでは、と思います。

 

《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
https://www.el-aura.com/writer/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3/?c=73188

 

(トップ画像/ハグはオキシトシンを増やす)