愛情ホルモン「オキシトシン」の効力。part.1 ~肌の表面の微生物が増えると、社会生活やコミュニケーション力が向上?~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol. 147

アーユルヴェーダ

・インド暮らしの中で身についた習慣

インド生活を送る上で、自然に身についていった習慣というものがいくつかあるのですが、そのひとつが、「自分でオイルマッサージをすること」でした。

そもそも、美肌をキープしたいとか、そういった美容目的の動機ではなく、「インドではへたに医者にかかると怖いので、できるだけ医者に行かなくても済むように、日々体をまめにケアしといたほうが何かといいかも」という、ややネガティブな必要性からでした。(そんなこともあり、友人知人からの紹介以外の医者には、一切かかりませんでした)

そんな環境に長い間身を置いていたせいもあり、いつのまにか「自分の体のケアをひとまかせにはできない」という考えが自然に根付き、

インドはまた、さすがにアーユルヴェーダ発祥の国ということもあって、さまざまなハーブ入りのマッサージオイルが豊富に手に入り、見た目的にも香り的にもバラエティに富んだオイルを前に、使ってみるのは楽しいものでした。

こうして、美容目的もかねつつ、全身にオイルをたっぷりと塗って体を定期的にケアする習慣が定着したのですが、実はオイルを使ったマッサージというのは、あまり知られていない、さまざまなメリットがあるのです……。

そのあたりを、今回から数回にわけてご紹介していきたいと思います。

アーユルヴェーダ

(インドの有名な製薬会社、Dabur社のセサミオイル)

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体が疲れてるとき、頭が動いてないとき、メンタルのバランス崩してる時など、どこかに不調があるときはいつでも、それにつられて思考も鈍くなり、何かとあせってしまったり、間違った選択をしてしまいがちです。

そんな時はまずとにかく、たっぷりのセサミオイルで、足の裏から頭のてっぺんまでオイルだくにして全身マッサージをし、その後は熱めのシャワーやお湯をザブザブ浴びて、オイルをしっかりと体に浸透させた後、

ベサン(ヒヨコ豆の粉)でオイルをすっきり落とし、マッサージ後は30分~1時間程横になってゆっくり休む。
これがとにかくおすすめです。

これをすると、混乱も自然に落ち着きをとりもどし、いい考えや解決策が浮かびやすくなったりするときがあります。

また、これを夜(バスタイム)にやった場合、翌朝にはむくみがちだった体や顔も全体的にすっきりするのが感じられると思います。

明らかに毒が抜けて体の気の流れがよくなってることが一目瞭然です。
(人間は基本、メンタルと体が直結していますが、精神状態と体の状態がみごとに連結しているタイプの人は特に、これがすごくわかりやすいかもしれません。)

ところでセサミオイルは、5000年という長い間に渡って、世界中で伝統的に使われてきた治癒オイル。
アーユルヴェーダのマッサージでは、体を解毒し、生命維持に重要な器官の適切な機能を高めるセサミオイルは、アーユルヴェーダにおいてハーブオイル(薬)のベースとして、最も多く使われています。

アーユルヴェーダ

(オイルマッサージ後はベサン〈ヒヨコ豆〉ペーストでボディパックが定番)

 

★オイルを肌にぬると、どんなメリットがあるの?

「神経系を鎮め、美肌づくりにもかかせないオイルマッサージ」

私たちの皮膚は、一平方センチごとに、少なくとも1000の感覚神経があるのだそうです。
そして、腕をオイルでマッサージするだけで、100万以上もの感覚神経を落ち着かせることができるといわれています。

肌は日々、空気汚染や天候、ストレス、旅行、服の素材などといった外部からの要因から、皮膚の表面にある二千万もの感覚神経がその影響にさらされていることになります。
肌にオイルを塗ってケアすることで、こういった環境からの刺激に疲れている感覚神経を、とても簡単になだめることができるのです。

また、私たちの肌の上には、各平方センチごとに、平均10億以上の微生物たちが日々、忙しく活動しているといわれ、この微生物たちは、脂肪酸(油)を食べて生き、肌の乾燥を防ぐ役割を果たしています。

肌が乾燥した部分は、この微生物が少ない場所でもあるので、外部環境からの皮脂バリアが薄くなり、感染症になりやすくなってしまう部分でもあります。
こういった理由で、肌に定期的にオイル(微生物の食べ物)を塗ることは、肌を守ってくれる微生物を餌付けし元気づけるだけでなく、実際に皮脂が厚くなって自然の抗菌層ができあがり、肌に有害な微生物が入らないようなバリアとして働きます。

そしてもうひとつ。
実はこの肌の微生物が増えると、社会生活がスムーズになる効果があるとさえいわれています。

一見、肌のマッサージとはなんの関係もないように見えますが、一体どういうことなのでしょうか?

それは、前回でもちょっと触れた、オキシトシンと呼ばれる、別名「愛情ホルモン/絆のホルモン」と呼ばれるものにありました……。

◎次回パート2では、このことについて、もう少し掘り下げてお伝えしたいと思います。

 

《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
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(トップ画像/アーユルヴェーダではオイルをたっぷりと使う)