■春のアーユルヴェーダガイド ~part.2~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol. 142

アーユルヴェーダ

パート2の今回は、この時期に役立つ日課と食事の工夫についての一般的なアドバイスです。
ちょっとしたシンプルなことが、病気を寄せつけない予防薬のように働くと同時に、この春ライフを最大限に楽しいものにしてくれることうけあいです。

 

☆この時期に役立つ、日課と食事

・朝の日課に「早起き」と「ネティポット」

この時期は、カファが増大する時期ということは前回でも少し触れましたが、
その影響でいつもよりも眠気が増しがち。うっかり寝坊してしまったり、昼寝でウトウトしてるうちにいつのまにかそのまま熟睡……。
なんてこともありがちな季節です。

このため、朝は日の出とともにバッチリ目を覚まし、一日のはじまりはネティポット(ヨガでよく用いられる鼻洗浄ポット。片方の鼻の穴からもう一方の鼻の穴へ水を流すテクニック)でスタートすることが薦められています。

また、横隔膜をしっかりと下げ、胸(カファの居場所)を広げることができる腹式呼吸も、この時期は特におすすめです。

朝にこういったちょっとした日課をプラスすることで、リンパ系がリフレッシュされ、気道が清潔かつオープンに保たれ、ボーっとなりがちなこの時期の心の散漫を注意深くなる方向へもっていき、さらには消化力の火力を程よく炊きつけ、調節する効果が得られます。

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(ヨガで使われる……)

・程よく日焼けする

気候が暖かくなり、花見シーズンなどでイベントも盛りだくさんなこの時期。
日焼けは美容的にあまり歓迎されない風潮がありますが、ちょっとだけ日焼けをし、体にとって有益なビタミンDを太陽光線からナチュラルに補給しましょう。

・動くこと

この季節は、日が長くなります。
そのため、ちょっとしたエクササイズのような、軽い運動を毎日15分程度なら苦にならずに続けやすいのではないでしょうか。

体の血液循環を良好な状態に保ち、組織や器官が効率的に機能するのを助ける、ちょっとした運動を、毎日やりましょう。
特に肺(カファの居場所)を開き、肝臓をねじって刺激する、後屈の運動を組み込むと効果的です。

ちょっとした散歩、ハイキング、サイクリングなどはすべて、新鮮な春の空気を体にとり込むためにとてもよい方法です。

・アビヤンガ(オイルマッサージ)や肌のブラッシング(乾布摩擦)

4月は、ちょうと土の中深くにもぐっている植物の種が、湿気で膨張するように、私たちの体も自然にそうなる時期です。
このため、普段はめている指輪がちょっときつく感じたり、靴がきゅうくつに感じられることもあるかもしれません。

そんな時は、アビヤンガといった全身マッサージや、肌の表面をブラッシング、あるいは乾布摩擦のように乾いた布で穏やかにこすると、血行が促進され、むくみを和らげることができます。

また1日を通じて、利尿効果がありむくみを減らすクミン、コリアンダー、フェンネルなどのスパイスをハーブティーにして飲んだり、これらのスパイス類がたっぷり入ったインドカレー料理などもおすすめ。

シナモン、唐辛子系、生姜、黒胡椒などの香辛料も、血行を促進させるため、この時期はたっぷりと使用できます。

・お風呂のアロマ

この時期は、発汗を促すことが健康維持のポイントにもなります。
毎日、入浴時に、芳香性の発汗剤として使える、ミント系、ローズマリー、バジルなどの精油をお風呂に数滴たらして、バスタイムを楽しんでみてください。
こういった発汗による循環の改善は、この時期になりがちなカファ過剰状態による一般的な低迷に対抗することができます。

 

☆4月は、冬に体に蓄えた脂肪分をいっきに落とす自然な時期

秋や冬といった寒い時期の間、私たちは体を寒さから守り、燃料を蓄えるために、こってり重たい食べ物を食べるのに適した時期でした。

そして今、そんな季節が終わり、今度は体に溜まった脂肪分を手放すために、甘いお菓子類を最小限に減らし、タンポポやはこべ、ルッコラのような苦味の緑色葉野菜をとるのに適した時期がやってきています。

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(この時期のスイーツは、最小限が◎。〈残念〉)

春に山で新芽を出すふきのとうやわらび、ぜんまいなどの山菜は、この苦味の宝庫。
春が旬のこういった新鮮な野菜類や、生のアロエヴェラの葉肉ジェルなどは、血液から熱をとり、発熱、熱による頭痛、のどの痛み、手足の腫れ、肝臓のうっ血や怠けた循環から私たちを救ってくれる、まさに自然界が私たちに提供してくれる自然薬です。たっぷりと食べておきましょう。

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また、この時期は一般的に、カファの悪化を誘発する食品類(小麦、乳製品、砂糖、塩、揚げ物などのような肝臓に重い脂肪分が入ったもの、糖分がたっぷり含まれた甘い果物など)は、最小限にしておくのが無難です。

苦味のものをたっぷり食べ、体をいつも軽やかな状態にキープしておきましょう。

 

《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
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(トップ画像/スパイスがたっぷりのインド料理はこの時期おすすめ)