■味の効用part.7~「甘い味」の効果 ~ インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.123

★インドで出会った、極端な味つけ

インドで口にするもののほとんどは、味がはっきりしています。
特に甘いものと辛いものは、極端です。

もともと、甘いものをほとんど欲しくならない体質だった私は、初めてインドのお菓子を食べたときは、あまりのトロトロの甘さに「インド人は味覚が壊れている……。一体どうしたらあんなに甘々なものを普通に(しかもおいしそうに!)食べれるんだろう……」と思ったものですが、「甘味」が私たちにもたらす効果を今思えば、それもうなずけます。

甘いものや辛いものというのは、味の中でも特に中毒性があることは、私たちもなんとなく、感覚的に知っているのではないでしょうか。
中毒性のあるものは、ある一定の量に慣れてしまうと、量を増やしていかないと効かなくなる(満足感が得られなくなる)、ある意味クスリと一緒のようなものといえるかもしれません。

さて今回からは、6つの味がもたらすそれぞれの効果を、より詳しくお伝えしていきたいと思います。
今回は「甘味」の効果です。

 

★「甘味」の効能

甘い味は私たちの食生活において、いまさら説明する必要もない、魅力的な味の要素です。
この味をもつ食べ物は、何も砂糖の風味(ブドウ糖、果糖、乳糖など)のあるものだけでなく、米や牛乳なども、この「主に甘味を持つ食べ物」になります。
このように甘味は多くの場合、私たちが想像しているもの以外の、微妙なものも含まれます。

 

《もたらされる効果》

*構成要素は「地」+「水」
*ヴァータとピッタのバランスをとる
*カファを悪化させる
*ヴィルヤ(温度) →冷却する
*ヴィパカ(消化後の効果) →甘味

*特質 →重い、冷たい、油っぽい、柔らかい、消化が比較的重い、
グランディング、構築する、滋養する

*関連するポジティブな感情 →愛、分かち合い、慈悲、楽しみ、喜び、
幸福感、至福、最もサットヴァ質(純粋性)

*過剰になったときの感情 →執着、貪欲、所有欲、

*舌の場所 →舌の先端

*器官への親和性 →甲状腺、肺の上部

*最も影響を受ける組織 →7つの組織すべて
(血漿、血液、筋肉、脂肪、骨、骨髄/神経、生殖組織)

*動きの方向 →下降、安定化

*その他の作用 →湿らす、下剤、利尿、粘滑、皮膚軟化、鎮痙、去痰、抗炎症

(甘いものに癒される)

 

★甘味を示す食材例

では、具体的に、どんな食品がこの味を持っているのでしょうか。

果物: バナナ、マスクメロン、デイツ、いちじく、マンゴー、メロン類、 プルーン

野菜: ビーツ(砂糖大根)、ニンジン(調理したもの)、きゅうり、オリーブ、さつまいも

穀物: とうもろこし、米、小麦

マメ科植物: ヒヨコマメ、レンズマメ(赤)、ムング豆、豆腐

ナッツ&シード: アーモンド、カシューナッツ、ココナッツ、かぼちゃの種

乳製品&卵: ギー、牛乳、卵

甘味料:    すべて

スパイス&ハーブ: バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、フェンネル、
ミント、ナツメグ、サフラン、タラゴン、ヴァニラ

 

★甘味から得られるメリット

甘味は、「強化する」「滋養する」「活力を与える」「強壮する」「心をなだめる」効果があり、口、肺、胃腸管、尿路、生殖器系など、体全体の粘膜に利益をもたらし、免疫系の完全性を高め、寿命を改善し、オージャスを増加させるといわれています。

実際、甘味は、精神的な領域において明瞭さと意識を高めるためによく用いられる味です。

また、喉の渇きや灼熱感を和らげ、体に持続的な冷却効果をもたらし、肌、髪、肌の傷を修復するのを早め、感覚を喜ばせ、声をメロディアスにするともいわれています。

 

★取りすぎると……

とても快適で楽しい味、甘味。一方、この味には、過剰に取りすぎてしまう誘惑がいつもあり、実際のところ中毒性です。(特に人生の中で辛い時期を過ごしている時など)。

この味を過剰に使い過ぎてしまうと、食欲が減り、粘液を増やすことに繋がり、その結果、エネルギー停滞、風邪、咳を促進し、毒素が生じるといわれています。

「過剰な場合の主な症状といわれるもの」:
発熱、呼吸系の問題、湿気、リンパ腺の腫れ、怠惰さ、過度の睡眠、寄生虫、真菌感染症、カンジダ、肥満、糖尿病など。

→過度の甘味はまた、不健全な渇望と欲求を引き起こすことがあるといわれています。

 

★例外の食べ物

(大麦はカファを増やさない穀物)

ムング豆、大麦、蜂蜜は主に甘味のある食べ物ですが、他の甘味食材のようにカファを増やす傾向がなく、実際に体内の過剰水分のバランスをとってくれる食べ物と考えられています。

***

甘味は、癒し効果がバツグンの味。
疲れたときの甘いもの、癒されますよね。
ただし、上にも示したように、中毒しやすい味でもあります。
インドで甘味に耽溺する人たちがとても多いのは、環境や社会背景が厳しいからということもあるかもしれません。
本来全く甘党ではなかった私も、インド時代には甘いものにたくさん助けられました……。

◎次回は「酸味」についてお伝えしたいと思います。

 

《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
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