■体に備わる自己治癒力を高める〈5〉 ~さまざまな断食で、脂肪燃焼力をリセット&解毒 part.2~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.108

・圧力鍋の使い方を極めた、インド生活時代

インド生活の中で学んだことは本当にたくさんありましたが、その中には一体どうやって使ったらいいのか想像もつかないような調理器具が何個もありました。

そのひとつが圧力鍋です。

日本で暮らしていた頃は、圧力鍋といえば高価な調理器具で、シチューや手の込んだ料理を作るグルメな人しかもっていない、使いこなすのが難しいもの。というイメージがあり、

鍋の中に強い圧力がかかることから、使い方を間違うとすごいケガを負ってしまいそうな、ちょっと料理好きといった程度の素人にはなかなか手が出せないような代物でした。

ところがインドでは、至る家庭に普通に圧力鍋があるどころか、圧力鍋がなければまず話にならないといったレベルで、お米を炊くことから始まり、豆系のカレーはほとんど圧力鍋で作られているのが普通でした。

そしてはじめて、ムングダルの豆カレーを見よう見まねで作った時には、「圧力鍋を使うとこんなにおいしいカレーが簡単に作れるんだ……」と感動したものです。

(ムング豆(左:皮付き、中:二つ割、右:ムングダル))

圧力鍋が1個あれば、本当になんでも作れました。
そんなレシピのひとつが、アーユルヴェーダの伝統解毒ご飯の「ケチャリ」です。

インドではケチャリは、特に解毒目的のためだけでなく、赤ちゃん、高齢者、病人、健康な人、ヨガ行者、どんな人でも日常的に食べている、いわばインドのコンフォートフードのようなものです。

そんなケチャリを使った、解毒浄化方法についてお伝えしていきたいと思います。

 

■体に負担をかけずに断食並みの効果が得られる「ケチャリ」

一般的にケチャリという言葉は、米と豆を混ぜて作られた料理をさします。

浄化のための伝統的なケチャリは、ムングダル(緑豆を半分に割って外皮を剥いたもの)とバスマティライス(長い粒の白米)、そしてインドのスパイス類で作られます。

《白米》
一般的には、白米よりも玄米の方が栄養があり、体にいいイメージがありますが、ケチャリには主に白米が使われます。
この理由は、栄養面でいえば玄米の方が栄養はあるものの、浄化期間中は代謝が遅くなり、消化力も弱まるため、この期間に食べるものはより消化がいいものが好まれるためです。

玄米には糠がついているため、白米に比べると消化はぐっと重くなり、人によっては腸壁が刺激され、消化ガスや腹痛が起こるケースがあるといわれています。

また、粒が長いバスマティライスのような米は、粒が短い(あるいは丸っこい)米よりも栄養価が高く、また血糖指数も低いことから、解毒ご飯にはとても適しているため、伝統的に使われてきました。
(私自身、日本で暮らしていた頃は、日本の米を食べると決まって胃が重たくなるので、たまにしか食べず、どちらかというとかなり麺類寄りだったのですが、インドでバスマティライスに出会ってからは、食べると妙に体が喜び、胃もたれなくスルスル食べれるので、日本にいた時よりもずっとお米をよく食べるようになりました。)

(炊きたてバスマティライス〈シナモン風味〉)

《ムングダル/緑豆を半分に割って外皮を剥いたもの》
アーユルヴェーダによればムングダルは、「ヴァータのバランスをとる」唯一のマメ科植物。
他の豆類のほとんどは、消化がやや重く、腸にガス(ヴァータ)ができあがりやすい傾向があるので、消化がより簡単で吸収同化されやすいムングダルはある意味、特殊な豆ともいえます。
このため、解毒目的のケチャリにはムングダルが伝統的に使われています。

★次回では、「米と豆を組み合わせるのは、ちゃんと意味があった!~植物性の完璧なタンパク質~」と「断食が失敗に思ってしまう主な理由」についてお伝えしたいと思います。

 

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(トップ画像/インド料理は圧力鍋がないと始まらない)