果物はそれ自体で、健康のバランスのとれた食事になってしまうほど、ビタミン、ミネラル他の栄養素がたっぷりと含まれ、バランスのとれた食べ物であることは、前回でもお伝えしましたが、
現代における食生活の特徴ともいえる「糖分過剰摂取」は、今や世界中で、糖尿病患者を増やしてしまっている原因になっているといわれています。
さて、そんな栄養満点な果物。
アーユルヴェーダでは、それらの果物をどのように食べれば、その栄養分を効率的に消化吸収し、私たちの健康維持に役立てることできるのでしょうか。
今回 part.3 では、アーユルヴェーダが提案する「果物を食べる時のルール」について、お伝えしてみたいと思います。
★《果物を食べる時のルール》:
アーユルヴェーダによれば、果物は単体で食べられるべきで、他の食品と組み合わせると脂肪蓄積のリスクが生じることになることは、前回でもお伝えしました。
新鮮な果物は一般的に、他の食品と比べて比較的消化が軽いものと考えられています。
消化スピードが異なる、より消化が重たい食べ物(穀物類はもちろん、肉類、乳製品類などもしかり)と一緒に食べると、
本来ならすぐに胃を通過するはずの果物が、重い食べ物が消化されるためにかかる時間中、一緒にそのまま胃の中に留まることになり、その結果、発酵がはじまってしまいます。
この発酵は胃の中に混沌状態を生じさせ、消化管の中で不適切に消化されたことで食物毒素(アーユルヴェーダではこれを「アマ」と呼んでいます)が出来上がります。
このアマは、酸性の毒素廃棄物となり、私たちの消化管の壁にネットリとくっつき、放っておけばどんどん蓄積していきます。
そして最後には、私たちが食べるものの栄養素の吸収を妨げ、食品への感受性を過剰に敏感にしたり、消化管の炎症を起こしてしまう原因になるといわれています。
さらにその状態を放っておけば、毒素はさらにどんどん溜まり、ついには私たちの身体組織へと溢れ出し、さまざまな病気の兆候を引き起こす可能性に繋がると考えられています。
そんな風になる前に、アーユルヴェーダの智慧を拝借し、予防策をうっておきましょう。
☆ルールその1
『果物を食べる時間帯』
果物という栄養バランスがとれた最高の食べ物を、適切な時間帯に適切に食べることができれば、私たちの体はすべてのビタミン、繊維、健康な炭水化物を完全に吸収することができ、日々の暮らしを健康的な体で営むことができるようになります。
アーユルヴェーダでは、朝起きた後の、胃が空っぽの状態の時に果物を食べること、あるいは朝食と昼食の間(食事をとる約1時間前、または食後2時間経過後が理想的です)のちょっとした軽食として、果物を単体で食べることを薦めています。
また、寝る前の果物は厳禁です。
これは、糖分が体のエネルギーレベルを上げ、私たちの目を覚まさせ、なかなか眠りにつけないようにしてしまうからです。
☆ルールその2
『甘ければ甘いほど、他のものと組み合わせないようにする』
果物には、甘いもの、それほど甘くない味が淡白なもの、酸味が強いものなど、さまざまな種類があります。
そして、その果物が甘ければ甘いほど、当然ながら糖分も多く含まれていることになり、他の食べ物と一緒に消化することがより難しくなります。
ベリー類、苦いリンゴ、甘くない果物類は一般的に、他の食品と組み合わせても、顕著な消化器系の問題を引き起こすことはないといわれています(このため、もしショートケーキにイチゴを使うなら、完熟イチゴよりも酸っぱいイチゴの方が合っているといえるでしょう)。
ただし、繰り返しますが、基本的には単体で食べるのがベストです。
☆ルールその3
『過度に果物を食べない』
果物には、結構なカロリーがあります。甘い果物(例えば完熟マンゴー、バナナなど)の食べすぎは健康を損ないかねないので、あくまでもほどほどに!
余談ですが、インド生活時代に、毎日バナナを20本食べるという、卵も食べないベジタリアンの農夫のおじさんがいました。
彼はある時、農場でケガをしてから血が止まらなくなり、医者に見てもらったところ、糖尿病が発覚しました。……
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・タイで知った「びっくりデザート」
私が現在住んでいるタイには、インドとはまた違った暑い国独特のエキゾなスイーツやデザートがたくさんあるのですが、
そんな中でも最初見たときにギョッとしたのが、もち米にドリアン、あるいは完熟マンゴーをのせて、さらにココナッツシロップをかけて食べるタイ伝統のデザート。
これを見た時、「なんでこの組み合わせにしたんだろう……」と謎に思ったものでした。
(これをもし頻繁に食べていたら、間違いなく激太り保証です)
……果物は賢く食べて、ヘルシーでスリムなライフを!
《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
https://www.el-aura.com/writer/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3/?c=73188
(トップ画像/スイカ、メロン類は特に、単品厳守なフルーツ)