七夕の起源とされる棚機津女……タナバタと言うだけで七夕の起源とされた?
スピリチュアルカウンセラーでライターのあるぢこと有地正敬です。
七夕についていろいろ調べてみると面白い伝説を見つけました。
それは棚機津女(タナバタツメ)です。
七夕の時期になるとネットであちこち散見される謎の霊力高き姫です。ホントに姫かどうかはわかりませんが……。
日本の七夕は奈良時代に中国から伝わった乞巧奠(キッコウデン)と織姫と彦星のお話が合わさったものが起源とされています。
乞巧奠とは織女(ハタオリメ:機織りする女性)達が機織り技術の向上を祈願したお祭りで、それが転じて針仕事や手芸の技の向上を願うお祭りとして当時の日本で広まりました。
現在でも、七夕に学問や習い事そして仕事の向上を願うのは乞巧奠から由来しているのかもしれません。
織姫も機織りの女性です。同業の織女さん達も織姫と彦星の話に心トキメクのも自然な流れで、七夕には仕事の向上だけではなく恋愛成就も祈願するのは乙女心と言えましょう。
そして織姫は天女です。天女の羽衣伝説と融合して牛飼いのオラオラ系のダメンズと恋に落ちて胸が詰まるような恋物語を作ったのが前回紹介しました天人女房のお話です。
自分を天女に置き換えて恋愛の疑似体験をしたいのは現代も同じです。
ところが、棚機津女は織姫や織女とは様相が異なります。
いろいろ調べてみると七夕と関係している記述が見られないようです。
古事記や万葉集に織女の記載がありますが、これらが棚機津女と断定できるほどの記述ではありません。
七夕と棚機がどちらもタナバタと読むので奈良時代以前の七夕の伝承とされてしまっているようです。
棚機津女とは何者? 神と交わって神の力を身ごもり自身も神となるスーパー霊力を持つ!
棚機津女とは何者なのでしょう。
棚機津女と織姫は全く別の存在ですが日本で習合したようです。
棚機津女は棚機姫とも表記されます。起源は5世紀頃、大和に大陸から機織り機と織女そして織姫彦星の伝説に乞巧奠が伝来しました。
それらを祀る神社が今も奈良県葛城市にあり棚機神社として日本の七夕を密かにお祀りしています。
棚機津女はこのとき大陸から伝来した織女のことです。
もちろん、職業的技術者の織女もやってきましたが、その中に神的な力を持った織女の巫女がメインとして大和に来たようです。
この巫女は水の神を迎える神聖な布を機織り機で織ります。それを使って水の神を降臨させ、水の神と交わり神の力を身ごもり自身も神になります。
水の神とは海、川、湖、池など水を司る神です。
そんな特別な神的力を持った織女の巫女が棚機津女です。
もちろん、棚機津女の選定や育成のノウハウも伝来したようです。
では、棚機(タナバタ)の意味をお伝えします。
棚機を棚と機に分けます。機はこの場合、特別な霊力を持った織女の巫女専用の神聖な機織り機を意味します。
棚とは水辺の近くに作られた巫女専用の機織り機を置くための台または社のようなものです。恐らく神が宿るような大木を板などに加工し、それらを使って作られたのでしょう。
棚と機は1セットでないと神と交わる儀式ができないので棚機と言ったのでしょう。
水害が多い現代だからこそ、棚機津女の再来を七夕に願う!
ネットでは7月6日の夜に棚機津女が神を呼ぶための神聖な布の機織りを始め、その晩遅くに神が降臨し巫女と交わり、7日の朝に神の力を身ごもり神になると書かれています。
ですが、必ずしも7月7日にこだわってこのような儀式を行っていたわけではなさそうです。神の力が必要になるのが年に1度では足りないように思います。
アジアや日本において水を制するものは天下を制すると言われたぐらいです。
棚機津女は巫女の中でも随一の神的な力を持ち特別な巫女として崇められていたのではと考えられます。
当時の日本の産業は稲作がメインです。
棚機津女が活躍するのは、田植えの時期、梅雨や秋の長雨の時期、雨乞いのための真夏など年に4回は水の神を迎えて神と交わるぐらいがいいかもしれません。
水害が多い現代の日本で、棚機津女の再来を期待する声が七夕の時期にネットで話題になるのでしょう。
神聖な布を機で織り、それを神の依り代として水の神を迎え、神と交わり、神の力を身ごもり、自らも神となるスーパー霊力をもった巫女の再来を無意識のうちに七夕に願っているのでしょう。
棚機津女はホントに姫だけだったのか? 神を生んだとはされていない!
ネットでは棚機津女になるにはケガレなき少女と書かれています。
古代より日本も含むアジア地域では巫女は必ずしも少女とは限りません。
男も巫女になるケースは多くあり日本でもつい最近まで南九州や沖縄で残っていました。
古代は現代とは違って性の区別は緩やかだったようです。
なので、性自認を女性とする男性が巫女の役割を担っていたかもしれません。
または、強烈な霊力をもった思春期前の男の子を巫女として集落で育てていたかもしれません。
異正装をするだけで神がかり的な力を得られることは世の東西、男女問わず、いざ決戦の時にはこれを行って勝利した逸話は数多あります。
つまり、棚機津女は男性だったケースもあったのではないかと筆者は期待しているのです。
棚機津女が男性なら、神の力を身ごもることに強い興味を惹かれるのです。
どんな霊力を使えば神の力を身ごもることができるのか? 神と交わる時に肉体が霊的に女性化するのかなど……棚機津女には謎が多くあるばかりです。
筆者紹介:あるぢ(有地 正敬)
ライターの他、電話やZoomを使って魂の目的、魂の名前、魂の色、前世などスピチュアルな鑑定をしています!
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