こころと身体はもっと自由になる Vol.3 ~ 一瞬で呼吸が深くなる「鼻呼吸」のすすめ ~【舌】(その1)

あなたは「鼻呼吸」が出来ていますか?「口呼吸」では呼吸が浅く、病気になりやすいと言われています。誰も教えてくれなかった簡単な方法で、人間本来の自然な呼吸「鼻呼吸」を取り戻すことが出来ます。いびきや睡眠時無呼吸症の改善・予防にも効果てき面です。

私の開発・指導をしている呼吸法と身体連動メソッド「バルーンメソッド」のセミナーでは、毎回必ず初めに、参加者の皆さんと基本姿勢、自然体の「共通認識を合わせる」という作業に、時間をかなりかけています。

DVD「バルーンメソッドVol.1」の中でも、メインの呼吸法やトレーニングをする前にいくつか重要なポイントを確認していただいています。

今回はその中の一つを、詳しくご紹介しましょう。

基本の基本、ベースの部分に間違いやズレがあれば、どんな素晴らしいトレーニングであっても、どんな素晴らしい先生に習っても効果が見込めません。ベース部分が欠落している事に気が付かないままに、様々なトレーニングを始めて、一生懸命やっているのにもかかわらず思う様に上達しない、先生にセンス無いといわれる、ちょっとやっただけで、あちこち故障を起こす、等々残念な経験をしてしまう人は、少なくありません。

 

■あなたは「鼻呼吸」をしていますか?

見逃してしまいやすいそんな基本の基本の一つに、普段から「鼻呼吸」をしているか? と言う事があります。
何をするにも、まず「鼻呼吸」でいることは、すべての前提です。

なぜならそもそも人間は「鼻呼吸」で呼吸するようにできているからです。
「口呼吸」は、激しい運動をした時や高熱のあるときなど、通常の呼吸では酸素供給が間に合わないような、緊急時に使われる呼吸です。
確かに口でも呼吸は出来るのですが、あくまでも鼻呼吸の補助的なものと考えておくのが良いと思います。

ところが、私達現代人の多くは「口呼吸」になってしまっています。
混雑した駅で、歩いている人達の口元を観察しますと、7割くらいの人が口を半開きにして「口呼吸」して歩いています。
普段から「口呼吸」になってしまっている人は、人間の本来の「鼻呼吸」に比べ、かなり呼吸が浅くなっていると思ってください。

普段から「口呼吸」の人は、空気中の病原菌や有害な物質をダイレクトに吸い込んでしまいますので、病気になりやすいと言われています。
浅い呼吸が原因で、脳酸素不足が続き、質の悪い睡眠にもつながります。
メンタルにも影響が出るでしょう。

「鼻呼吸」は、鼻毛でばい菌やアレルギー物質をキャッチしてくれますし、吸い込んだ空気の温度や湿度を一定に保ちます。
自然の「空気清浄器」と「加湿器」の機能が備わっていると言えます。
そして「口呼吸」から「鼻呼吸」に変えるだけで、一瞬で呼吸が深くなっている事を体感で感じる事が出来るでしょう。

さあ、今からすぐ「鼻呼吸」に切り替えて下さい。
深い呼吸は、私たちが生きていく上で最も大切な、すべての基本です。

 

■正しい「鼻呼吸」のしかた

でも鼻呼吸って突然言われても、そもそも口呼吸しているか鼻呼吸しているかもわからない。
どうしたらいいかわからないと思う方も少なくないと思います。

とても簡単な方法があります。

「舌を上あごにつけておく」

たったこれだけです。

呼吸法のトレーニングや、仏教の座禅をする時に、「舌を上あごに付けるように」と言われる事はあるかもしれませんが、実際にどのように舌を付ければよいのかや、なぜ舌をそうしないといけないかまでは、誰も教えてもらっていないのではないでしょうか。
文献などを見ても、詳しい説明のあるものはほとんど無いように思われます。
もしかすると昔の人にとっては、当たり前過ぎる事なので、わざわざ言うまでもない事だったのかもしれませんね。

それでは、どのように舌を付ければ良いのでしょうか。
舌先をちょっと歯の裏に付けるのでは、間違いです。

●舌の縁側のかなり広い面積を、U字型にペタっと上あごに張り付けます。
(英語のLやTの発音の舌のような感じです。)
●中央部分から奥は、少し浮いていて空間があります。全部べったりつけてしまうと、
今度は首やのどが緊張してしまいます。
●奥歯は噛みしめないように、薄紙を一枚はさむように浮いた状態にします。
●上あごの歯茎の付け根に舌のフチが触れるような感じですが、舌で歯を押したり
しないようにしましょう。

これで勝手に誰でも「鼻呼吸」になっています。

最初、違和感があるかもしれませんが、一週間ほど意識し続ければ、慣れてそれが自然になって来ます。
すぐに夜寝ている間も、舌の位置をこのまま上あごに保っておけるようになりますので、寝ている間も自然に、深い「鼻呼吸」を保つことが出来るようになります。
舌が落ちて気道をふさいでしまうためにおこる、いびきや、睡眠時無呼吸症も、一銭もかけずに、何の道具も必要とせずに、予防・改善ができてしまうのです。

この「舌を上あごに付けておく」と言う事のメリットは、呼吸が深くなると言うことだけではありません。
私たちがスムーズに身体を使っていく上でもとても重要なポイントになっています。
この続きは、(その2)でお伝えしたいと思います。

誰も教えてくれなかった、呼吸の基本の基本。ぜひ今日から、試してみて下さい!!

【バルーンメソッド】HP
http://balloonmethod.konjiki.jp/

 

《荒井皆子(あらい みなこ) さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/araiminako/?c=159168