怒りを引きずらない「マインドフル」な思考とは?
「過去にあったムカつく出来事をふと思い出す」という、「思い出し怒り」に苦労している方は、実はとても多くいます。
これは怒りの特性である「持続性」に問題がある方で、この持続性を改善するためにアンガーマネジメントでも色々なテクニックをご紹介しています。
そのなかで最も有効なテクニックの1つが、「マインドフルネス」を日々実践する事です。
マインドフルネスは禅思想で、「今・ここ」に意識を集中させるアクティビティーです。
例えば歩きながらマインドフルネスを実践するには、少しゆっくり目のスピードで歩きながら、一歩ずつ息を「吸って吸って、吐いて吐いて吐いて」というリズムで繰り返します。
また食事中でしたら、一口に30回ずつ噛んで料理を味わい、一度ずつ箸を置いて恵みに感謝するようにします。
私たちは毎日膨大な情報に翻弄され、同時にいくつものタスクに追われています。しかし、禅のマスターの言葉を借りれば、「前に進むには、立ち止まる必要がある」のです。
そこで呼吸を取り入れたメディテーションによって、何が起こっているのか、何をすべきなのかを冷静に判断できるようになります。
禅の思想は治療にも効果あり?!
カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校(UCLA)には、マインドフルネセスセンターもあり、最近では欧米の研究機関でその治癒効果などが科学的に実証されています。
例えば、乾癬(かんせん=皮膚の病気の一種)の患者を2つのグループに分け、光治療を行う際に一方は通常通り、もう一方のグループにはメディテーションのCDをかけながら同じ治療を行いました。
するとCDを聴きながら治療したグループは、皮膚の改善のスピードが3倍も早かったそうです。過去や未来に意識を飛ばして怒りやストレスを感じると、ストレスが増えて免疫力が下がってしまうからでしょう。
また、瞑想すると意思決定や感情コントロールの司令塔である、脳の前頭前野の血流量が増えるので情緒の安定に非常に有効です。そして、年を取ると、誰でも脳が尖減(せんげん)するのですが、瞑想を習慣化している人は尖減が押さえられ、脳のアンチエイジングにも効果的です。
過去現在未来と3時制で物事を考えるのはとても疲れますよね。
一日のうち少し時間を取って、ぜひマインドフルネスを実践してみましょう。
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