長寿と健康の秘訣は地中海食!アンチエイジング専門医・川田浩志先生インタビューPART.4

“地中海風”に取り入れたい小麦
アレルギーの人はどうすればいい?

――野菜や果物に加えて、全粒粉の穀類、小麦などについても、川田先生はもっと摂取したほうが良いと仰っています。小麦アレルギーの方は、どのように考えれば良いでしょうか。

川田先生:
「すでにアレルギーのある方は食べてはいけません。小麦アレルギーの方は、ほかの穀類を食べるようにするとよいと思います。ただ、アレルギーが増えてきている根底には、もしかしたら食生活の乱れがあるのかもしれませんので、今一度、食生活を見直してみる機会を持つと良いと思います。

あと、生活習慣も大事です。最近の研究データを見ると、睡眠時間が短い人や長すぎる人は、体内で炎症が起きやすいことが推測されています。たとえば大腸がんなどは、ずっと炎症が続いている結果としてがんになったりするわけです。動脈硬化もそう。同様に、体内時計の乱れにより、炎症の一種であるアレルギーが引き起こされる可能性も示されています。

もう一つ、腸内の変化によってアレルギーを生じる可能性があります。とくに、免疫に大きく関与していると考えられている腸内細菌のバランスは、食生活や生活習慣によって変化します。乱れた食生活や生活リズムなどによって変化した腸内細菌バランスがアレルギーの引き金になることもあるようです。

ですから、この点でも最初のほうでおすすめしたヨーグルトは、腸内細菌バランスを改善してくれて、とてもいいと思います。もしかすると、ヨーグルトを上手に食事に取り入れていると、アレルギーの症状を軽減できたりするのかもしれませんね。ちなみに我が家は私だけでなく、家族全員でヨーグルトを食べています。そういえば最近、花粉症の症状が出なくなったように感じています。風邪を引きにくくなったのも、もしかしたらヨーグルトのおかげではないかと思い始めているところです」

~PART.5につづく~

 

<プロフィール>

川田浩志先生
東海大学医学部血液内科准教授。医学博士。著書に『見た目が若いと長生きする』(筑摩書房)他
ブログ:http://ameblo.jp/antiagingworld/

Photo: Miho Urushido