運命のパワーストーンは自分で採掘!『自分を待っている石を探しに』PART.1

アメリカに引っ越してから、実は時折出かけている「石堀りの旅」。自分は無類の石好きですが、自分で掘った石はそんな中でも格別です。よく「パワーストーンは持ち主を選ぶ」とか、「石との出会いは絶対に必然」とか、そんなことをおっしゃる方がいます。「買う気はなかったのにお店でみつけた石がどうしても気になって購入した」「自分が手にするのを、まるで待っているかのうように存在していた」…。そんな経験がみなさんにもあるかもしれません。

何にでも「出会い」があるように、「石との出会い」も絶対あると思います。お店での出会いももちろんよいのですが、どんなに小さくても、キレイに加工したものでなくても、地球にまだ埋まっている状態の石を自分が自分の手で掘るというのは、本当に特別な感じがします。

アメリカには「石ハンター」のクラブも実はあるのですが、これが非常に面白いんです。メンバーになるとみんなでバンをかりて山へ行き、石をホリホリするんですが、石の絆で結ばれた人々は、移動中も石の話しかしません(笑) 自分も一度参加したんですが、本当にマニアックな集まり、そして地味な集団です。みんなで遊びにいくというと、大抵ワイワイ楽しく…となるでしょうが、道中の会話は石のことばかり。現場についたら、みんな口を閉じて黙々と地球の対話が始まる感じ。無言で数時間掘り続け、その後とれた石をみんなで自慢しあうというのが常です。

また、自分も何冊も購入しましたが、石ハンターのための専門ガイドブックもあるんですよ(驚) 中でもGarret Romaineという方が書いた“Gem Trail”シリーズは州ごといパワーストーンが出土する場所が説明してあって、とてもお気に入り。実はご本人にもお会いしたことがあるのですが、うっかり色々質問したら、2時間もずっとクリスタルを掘った武勇伝を聞かされて、正直クタクタになってしまいました。ご自身が掘った石は、どこで何年に掘ったものか全部記憶があるとおっしゃっていました。恐るべし、アメリカの石マニア!

私が住んでいるシアトル近郊にも、メノウやクリスタルが掘れる場所はたくさんあります。ハンセンクリークや、レーニア山、インディアンが聖地のひとつで、日本ではあまり知られていないサイ山など、実はクリスタルもたくさん採れます。採掘禁止の場所ももちろんありますが、特に禁止されていないところは、自力で掘りに行くことが可能です。長靴を履いて、シャベルとバケツなどを持参し、自分で山道に入って行って採掘するんですが、「こんなアホなことをするのは自分だけだろう」と思いきや、堀りにいくたびに、絶対に誰か石堀りに来ている人と遭遇するのですから、本当に驚いてしまいます。冬でも2時間掘り続けると汗びっしょりになります。11月に掘りに行った時は結構寒かったのですが、周囲は全員半袖でした(汗)。本当に単にずっと掘るというだけなんですけれど、一回経験すると病みつきになること間違いなしです。

~続く~