「蒼月紫野の石と幸せに暮らすHappyLife」パワーストーン生活をステップアップ!PART.13

お休みの最後の日、石初心者さんとハインリヒは氏神様の所に来ていました。新たにハインリヒが家族に加わったことをご報告するためと、ご挨拶をかねてやってきていました。月曜日ということもあり境内の中はあまり人がいないようです。作法通りに本殿前まで行き、神様に手を合わせます。

“……神様、こんにちは。今度うちに新しい石の精霊が住むことになりました……今、一緒に連れてきているハインリヒがそうです。どうぞよろしくお願いします……”

そう神様にお願いしたら本殿の奥の方から優しい風が吹いてきました。神様が認めてくれたのかもしれませんね。その風はハインリヒも感じたようです。

「マスター、神様に気持ちが届いたね。神様が風を送ってくれたよ」
「そうみたいだね、嬉しいね」

参拝をすませ、石初心者さんとハインリヒは帰途につきます。家からすぐ近くにある神社なのでそんなに長く歩くこともありません。帰宅した石初心者さんはハインリヒを優しく流水で洗い、きちんと袋の中にしまいました。
「有難う、マスター」

ハインリヒはお世話をよくしてくれるマスターを全面的に信頼していました。あまりこういうマスターと巡り会うことは石の世界の中でも少ないのです。鉱物としてディスプレイされることがあってもこんな感じに持ち歩き会話を交わす人は少数です。ハインリヒはこのマスターに巡り会えたことを心から感謝していたので、神様にはマスターによいことが起きるようお願いしていました。ハインリヒは石の精霊ですから、実は、神様とは直にお話ができます。神様もいい主にあえてよかったと言ってくれました。今日はマスターにもう少し教えることがあるので、ハインリヒは声をかけました。

「マスター、今大丈夫?」
「大丈夫だよー、紅茶をいれたら話を聞くね」
美味しい紅茶が二人分並びます。
「前にマスターにはボスのことは教えたよね」
「うん。今はハインリヒが仮のボスなんだよね?このままうちのボスになれば?」
「ははは、それは他の石と話してみないと分からないから、とりあえずおいといて、ガードとレシーバーについて話をしようかなと思ってるんだ。ガードは何となく分かるでしょ?」
「守ってくれる石さんかな?」
「そうそう、家の要所に配置したり、マスターが身につけたりする石。レシーバーは想像つく?」
「ううーん……」
石初心者さんは悩みました。何かを受信するのだろうとは思ったのですがいまいちよく分かりません。
「ちょっとイメージがわかないな。何かを受信するんだろうとは思うのだけど。石さん同士で話でもするの?」
「そうだよ、マスター分かっているじゃない」
ハインリヒはにっこりと笑いました。
「レシーバーはボスがいればボスから指示をうけて必要なエネルギーをマスターに流したりもするんだ。基本的には家の中の石達全員と繋がっている子だよ。その子を媒介にして石達がマスターを支援するんだ」
「なるほどね。今度ボスやレシーバーやガードを探してみようかな」
「そうだね、仲間がいると僕も嬉しい」
そうは言いながらもかすかに寂しい想いをハインリヒは抱きました。マスターと二人だけの生活に慣れてしまったのもあるのでしょう。でも石仲間がきたらもっと楽しい、そうハインリヒは思考を切り替えました。
「この間の石屋さんに行ってみたらどうかな?」
「あ、同じ事考えていたよー、今度はハインリヒがいるから一人で行ってみようかなと思ってるんだけど、いいかな?」
「勿論、マスター」
二人はにっこりして行く予定の日をを決めました。行く日が楽しみでなりません。なんだか石初心者さんはわくわく感に包まれていました。でもハインリヒのちょっといつもとは違う気持ちも伝わり、何が原因なのか、よく考えなければと思いました。大切なかけがえのない石には幸せでいて欲しいと思ったからです。

石を幸せにするのは、持ち主が石を見て楽しんだり、美しいと思ったり、手で触ったりと色々ありますが、その石をみて幸せな気分になれば大体石も幸せです。そうじゃない気持ちが浮かんで来た時は、また別の機会にお話ししようと思います。

 

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