シェフ佐藤の食と自然治癒力PART.4~「味噌・醤油以外の大豆製品を取り過ぎない」

大豆はタンパク質を豊富に含む食品で、加工食品として代表的なものが、豆腐・納豆・油揚げ・豆乳・テンペ等です。

昔から、大豆は「畑のお肉」といわれ、植物性だから身体によいというイメージがありますが、肉や卵、魚などの動物性食品や乳製品などから動物性タンパク質を日常的に摂る現代人は控えるべき食材だと私は考えます。なぜなら、動植物性タンパク質は人間の体内では有効に使われないからです。体内で有効に使われない動植物性タンパク質は、脂肪となって蓄積されるので、これらの食品をダイエットの食事に加えると、効果が出ないのはそのためです。

大豆製品は、動物性食品より少しはいいですが、高分子で身体を冷やす作用がある豆類・大豆製品を食べ過ぎると低体温になったり、血管が緩み低血圧になったりする恐れがあります。また、動物性食品同様、胃腸の筋肉が緩み、大変身体に負担をかける食品なので、体質を改善したい人は控えるべきです。豆に含まれる栄養素を誇大に宣伝する企業が増えてからは、赤ちゃんに豆乳を与える人がいると聞くこともあるので注意したいものです。

昔は、大豆の収穫時期を迎えた時期に一部の大豆で豆腐や納豆を作って楽しみ、残りの大豆で味噌を仕込んでいました。

大豆を摂るのであれば、大豆のタンパク質を麹菌を使って発酵・分解させ、消化しやすいアミノ酸に変化させた味噌や醤油です。味噌・醤油以外の大豆製品や豆が健康維持につながると思い込んで過剰に摂取するのは逆効果になり、病の原因にもなりかねません。

 

自家製長期熟成味噌
杉樽で長期熟成させた米麹味噌。左が3年、右が5年熟成させたものです。手作り味噌が当たり前だった時代は、わらぐつを履いてゆでた大豆を潰し、共同作業で杉樽にたくさんの量を仕込み、定期的に竹の棒を差して天地返しをしていました。味噌作りは、こまめな手入れがポイント。手入れ次第で味はよくも悪くもなります。無農薬・有機栽培の大豆、自然塩を使い、木の樽で仕込むと他にはない究極の味に仕上がります。味噌を作る時期は、寒さが一番厳しくなる1月から3月上旬が最も適しています。

一般に市販されている味噌は、包装された後も呼吸を続けるので、膨張して破裂するのを防ぐために酒精(エタノール)や化学調味料、食品添加物を使い、短期間で作られた工業製品のものがほとんどです。手作りにして3年以上寝かせた味噌は色が飴色に変わり、味もまろやかに仕上がります。熟成期間が短い味噌は高タンパクな食品ですが、熟成期間が長ければ長いほど低タンパクになります。

味噌には、米にはない必須アミノ酸が含まれています。毎日の味噌汁はコレステロール抑制、抗腫瘍性、抗変異原性、抗酸化防止効果、放射性物質の除去などの効果があり、体調を調節する機能性も認められています。また、玄米と味噌汁の組み合わせは、お互いの栄養素を高める相乗効果の働きがあります。

▼杉樽で仕込む手作り味噌のレシピ
http://yoboso.fiw-web.net/miso.htm
▼究極の味噌作り
http://ameblo.jp/szato/entry-10500639886.html

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