ホリスティックケア・プアマナの宇宙の法則・身体の法則 PART.7~五臓と感情、気の動き

横浜の女性のライフステージに合わせた鍼灸・美容鍼灸・疏泄マッサージ
今日よりよい明日を見つけるお手伝い、ホリスティックケア・プアマナです。

 

五臓の状態に影響を受ける感情

東洋医学の基となる陰陽五行説では、それぞれの臓腑に対応した感情があるとされています。遺伝的な要因によって規定される基本的な感情や気分の傾向、行動特性のことを「気質」といいますが、各人に強く影響を与えている臓腑を体質(身体の傾向)、感情を気質、と読み替えることができます。

体質に影響を受ける気質とは、例えば、ショックを受けるような内容の報道番組を見た時、

許せない!と怒りを感じる方 (肝)
自分が何とかするっ!と暴走する方 (心)
あれこれと心配してしまう方 (脾)
悲しくなってしまう方 (肺)
怖くなってしまう方 (腎)

のように、同じ報道に触れても、人はそれぞれ違った反応を示します。
臓腑の状態によって感情として出てくるアウトプットが決まり、逆にまた、特定の強い感情を受けた時に特定の臓器に影響を及ぼす、という考え方です。

 

気を整えると行動が変わる

気質が環境や年齢とともに変化する例としては、若いころには瞬間湯沸かし器、と異名をとった程の怒りんぼうさんでも、病気や加齢によって「丸く」なったり「気弱」になったりする、ことがあるのを皆様もご存じだと思います。
大雑把な解釈ですが、これは若いころは「肝」の気質が旺盛だったものが、年齢とともに「腎」の気質が前面に出てきた、とも考えることができます。
また、体質が行動様式に影響を与える、ということでお気づきのように、気質から臓器の状態、つまり健康状態を把握することもできますし、その性質をビジネスの場面での人材管理などにも応用することができます。
私の鍼灸学校時代の教授は「人を雇うなら肝鬱脾虚」と言っていました。
肝鬱脾虚は、東洋医学で治療の方針を決める「証」の中の一つの名称で、
肝鬱の方は、生真面目、イライラしやすい、勘がいい
脾虚の方は、慎重、洞察力に優れ、思慮深く真面目
という気質(行動特性)があるのが特徴なのです。
つまり適度に思慮深くて、適度にイライラしてくれる肝鬱脾虚の方は暴走もせず、仕事もきちんとこなし、締め切りも守ってくれる。雇用主にとっては最高の条件をもった人材だというわけです。
この、体質や気質がどのような経緯で病気を引き起こすのか、ということについても五行では定義がなされています。

怒(肝)・・・気上がる
怒り過ぎるとかっとして頭に血が上り、脳血管障害などを引き起こす元となる
喜(心)・・・気緩む
喜びすぎると注意力が散漫になり、事故を起こしたりミスをする
悲(肺)・・・気消える
悲しみ過ぎると意気消沈し、内向的になる
思(脾)・・・気結ぶ
思慮しすぎると気が動かなくなり、不眠や健忘、食欲不振などに陥る
恐(腎)・・・気下がる、乱れる
恐怖で血の気が引く、驚き過ぎてパニックになる
気が下がると意欲も低下する

これは東洋医学に特有の「気」の動きを臓腑の特性と対応させたものです。「病は気から」という言葉の、実際の気の働きがわかりやすく表現されていますよね。
人は一生にわたり一つの臓腑に影響を受けるわけではありませんし、体質は体調や環境、年齢によっても変化します。
気質とは、本来変えることのできない行動特性、ということになっていますが、この五行の性質を利用して感情の抱き方を変えたり、気が全身にいきわたるようにすると、身体の調子や心の持ちようも変化して心身の状態を整えていくことができます。それを主に身体からのアプローチで整え、病気にかかりにくい状態を作っていくのが東洋医学の施術、と言うわけです。

★バックナンバーはコチラ