古代中国思想「五行の特徴 相生関係」PART.1 ~五行は循環を繰り返す

皆さん、こんにちは。美容鍼灸師の折橋梢恵です。

前回まで5回に渡り、「耳ツボ療法」についてお話をさせて頂きました。なぜ、ダイエットに耳のツボを用いるのか?お分かりになったでしょうか?耳ツボ療法は、ご家庭でも手軽に行える施術方法の一つですので、ぜひ皆さんにも試して頂ければと思います。

 

さて、今回からは、再び古代中国思想の一つである五行論のお話に戻りたいと思います。

五行論については2012年7月10日に投稿した(自然界のすべてに通じる古代中国思想「五行論」)のPART1からPART6にかけてご紹介してきました(コチラ)。その中で説明させて頂いた5つの要素(木・火・土・金・水)のあり方に今回の「五行の特徴」があります。

五行論では、この5つの要素(木・火・土・金・水)は、互いにバランスを保ちながら存在していると考え、これらの5つの要素の変化を相生(そうせい)と相剋(そうこく)という関係で表現しています。

今回はこの相生と相剋という関係のうち、相生関係についてお話をしたいと思います。

相生の関係とは、五行のうちの一つの事柄が別の事柄を生み出す、また力を加えて発展させる、保護する、育成するなどの作用を現しています。

この関係を木・火・土・金・水で説明すると……
・木生火(木は火を生む):木は火を生じさせる燃料であり、木から火が生じることを意味しています。

・火生土(火は土を生む):が燃えたあとには灰が残り、灰はやがて土に戻ることから火から土が生じることを意味しています。

・土生金(土は金を生む):土の中には金属や鉱物が存在することから土から金が生じることを意味しています。

・金生水(金は水を生む):金属の表面には凝結によって水滴がつくことから金から水が生じることを意味しています。

・水生木(水は木を生む):あらゆる植物は、水によって栄養されることから水から木が生じることを意味しています。

このように相生関係とは、木⇒火⇒土⇒金⇒水⇒木……というように常に循環を繰り返しているといえます。

この関係は、自然界では、法則的な現象と考えられており、私たち人体においては正常な生理現象と考えることができます。

中国医学では、この5つの木・火・土・金・水の要素を五臓である肝・心・脾・肺・腎に当てはめたり、また五腑である胆・小腸・胃・大腸・膀胱などに当てはめて病気の診断や治療に応用しているのです。

例えば、木である肝の働きが弱ってくると肝から養われている心も同様に弱ってくると考えます。そのような場合には心の働きを高めると共に、肝の働きも高める必要があると考えて治療を行います。人体においては、これら5つの要素のバランスの取れた状態こそが健康的な身体であると考えられおり、相生関係と相剋関係は鍼灸治療の根本的な考え方の一つと言えます。

 

さて次回は、五行の相剋関係についてお話をしたいと思います。