綺麗なお花を持ち帰り歩いていると、小さな看板が出ているお店に気が付きました。
小さな看板には、「和菓子屋 美味しいお饅頭あります」と書いていました。
「あれ? こんなところにお饅頭屋さんがある! お花を頂いたし、お饅頭も買って帰ろうか?」
と愛犬のレイちゃんに話しかけました。
レイちゃんはペロッと舌を出して、「それは良い考えだね!」と言っているのが顔を見て分かりました。
そろりとお店に入ると、色鮮やかな練りきりが売られていました。
子どもの頃に祖母から、茶道を習っていた私にとって「練りきり」は大好物の食べ物でした。
とても芸術的で美しく、しばらくその練りきりに見入っていました。
「こんな美しい練りきりのお店があったなんて、知らなかったな~。でもどれにしよう? あんまり食べ過ぎると、太ってしまうし。う~ん、でも決められないや、う~ん」とひたすら店内で声を上げて悩んでいました。
すると奥の方から、「お客さんかい?」と言った声が聞こえてきました。
出てきたのは、割烹着を着たおばあさんでした。
「あら? あなた霊が見えるのかい? 珍しいお嬢さんだね!」とおばあさんが唐突に話しかけてきました。
「霊!?!? 私は、霊なんて見えませんけど! えっ! おばあさん死んでいるのですか?」と慌てふためいていると、おばあさんは肯定も否定もせずに笑っていました。
●森の奥にある美しいお饅頭屋さんとの引き寄せ
「お嬢さん練りきりが好きなのだね! もう店じまいだから、お好きな一つはおまけしてあげるから、そこで食べていきなさい。」とおばあさんは小さいテーブルと椅子を指さして伝えてきました。
(今度は、練りきりまで頂けるなんてラッキーだな。紅茶、蒸しパン、お花に練りきり。そして出逢う人はみんな素敵なご婦人だし。ラッキーDAYに認定しよう)と心の中で唱えていたつもりが、おばあさんはその心の声をくみ取ったような顔をして、笑っていました。
お土産用の練りきりとお店で食べる用の練りキリを準備してくれました。
一口食べると、上品な甘さでとても美味しかったです。
また淹れて頂いたお抹茶と練りきりの組み合わせがとても合っていて、「本当に幸せすぎます! ありがとうございます!」とおばあさんに感謝をしました。
古くて大きな時計のボーンボーンとした音が、小さな店内に響きわたり、この瞬間こそが幸せなのだと何度も感じました。
「本当に古くて小さなお店だけど、ここを守ってこられて良かったわ。」とポツリとおばあさんが呟きました。
「分かります! 私は今起業をしているのですが、お店を経営している人って本当に尊敬します。特に飲食店やこんな廃棄が早そうなお饅頭は。売る量と作る量を計算しながら、毎月お店を切り盛りするのって、心が強い人や想いが強い人しかやっていけないと思うんですよね。毎月利益を上げて、お店を何年も経営している人にはただ尊敬しかないです。本当に素晴らしいです!」
思わず、初対面のおばあさんの前で熱弁をしていました。
おばあさんは、「あらお嬢さん、高校生ぐらいかと思っていたわ。見かけによらず起業しているの?」と笑いながら、「ありがとう」と伝えてくれました。
●情熱「パッション」とお金の引き寄せの法則
「じゃあ、お嬢さんに一つアドバイスをしようかね? 起業の先輩として。」
「え~めちゃくちゃ嬉しいです! ありがとうございます。今カバンにノートと鉛筆を入れているので、書いてもいいですか?」
おばあさんは「そんな大した話ではないよ!」と笑っていました。
「お嬢さん、こんな小さなお店だけどね、取引先はたくさんあるんだよ。そして、その取引先がずっと仕入れてくれているから、このお店を長年切り盛りすることができたんだよ。お嬢さんが起業をしていて、この先もしかしたら、お金に困ることがあるかもしれない。あなたは心がとても優しいからね。心が優しい人は強欲にはなれないからね。ただ、強欲はいつか必ず身を滅ぼすから。お金は欲望にはついてこないんだよ。私もたくさんに人を見てきたから分かる。強欲な人は必ず上手くいかないようになっている。お金は、情熱がある人に必ずついてくるよ。好きな仕事というよりも情熱だね。私は、和菓子、練りきりが大好きで、他の仕事は考えられなかったんだよ。美味しいものを作って、人を喜ばせたい、その想いだけでここまでやってこられたから。だから、お嬢さんも情熱、パッションを忘れたらいけないよ。お金は必ず、情熱についてくるから。」
おばあさんのその言葉は心のど真ん中に響きました。
「情熱、パッションって言葉を聞くと、胸が熱くなりました!」
「それはきっとお嬢さんに必要な言葉だったんだね。よかった、よかった!」とおばあさんは嬉しそうにほうじ茶を飲みました。
✔情熱は好きを超える。お金は必ず情熱についてくる!!!
「素晴らしい学びと美味しくて美しい練りきりを本当にありがとうございました」
おばあさんとまた手を振って別れました。
夜の月を見ながら、「全ては完璧であり、全ては導かれている」そっとつぶやきながら、美しいお花とお饅頭を持ってまた歩き出しました。
- スティーブ・ジョブズ -
偉大な製品は、
情熱的な人々からしか生まれない。
上野ユリ
【DMMオンラインサロンOPEN】
魔女の秘密の引き寄せ実験室「Sorcière Academy」
https://lounge.dmm.com/detail/2071/
【この世界に凛と咲く❁MYブランドを創る12のすゝめかた】
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